ⅤーⅨ
『まあいい、結論は出ただろ。そんじゃアドバイス、今回は夏海がどうぞ』 唯織
夏海は声が入るくらい思い切り、息を吸って喋り出した。
『男だったら、噛まないように素直な告白!』 夏海
ピシッと言う感じに、夏海はそう決めて見せた。それに合わせたBGMと、唯織さんによる拍手。
『あっでも、女の子だったらゴメンね』 夏海
確かに僕とは書いてあったけど、男だとは書いてなかったもんね。
『続いてこのコーナー、気になるショコラティエール』 唯織
滅茶苦茶イケボの唯織さんが、カッコ良くカッコよくイケメンにそう言ってくれた。何この声、滅茶苦茶カッコいい。ヤバい、イケメンだわ。
『今回は夏海がショコラティエール役ね、いおメッチャカッコいいから』 夏海
それでいいの? ってくらいの地声で、夏海はそう言ってくれた。
いやまあ元々キャラじゃなくて本人のだから、地声でいいんだと思うけどさ。でもあんだけのイケボ唯織さんからの、普通に夏海の地声って。
『OKOK、んじゃ読むぜ。チョコ食べたいさんからのお知らせだ、ありがとうございます。駅前のお店で、チョコ田K子さんと言うとても可愛らしいショコラティエールが働いているそうです。見た目や声は小学生並みだけど、ちょっと怖い一面もあるとか? 実際にどんな人なのか、調査に行って見てきて下さい』 唯織
あれ? チョコ食べたいさんって、さっきもその名前の人いたよね。多分相当ファンなんだろうな、名前もショコラティエ好きそう。
『駅前可愛い子だらけじゃん、まあ行って来ま~す』 唯織
唯織さんの行って来ますの後には、夏海がテクテクと小さい声で言っていた。何気に可愛い、普通に可愛い。
『こんばんは、あなたがK子さんですか?』 唯織
イケメン唯織さんが、そう問い掛けた。
『はい、あたしがK子でしゅ。何かご用でひゅか? えへへ』 夏海
何やこれ、めっちゃ可愛いやん。夏海感も薄いし男の娘も消えちゃったけど、滅茶苦茶可愛い。幼さも可愛さもわざとらしいけど、それでも可愛いのは確かだ。
だからお願いだから、隣でにやけるのは止めて欲しい。せっかく可愛いんだから、そんな変態顔してたら台無しだよ? 夏海らしいけど。
『可愛いショコラティエール集に、K子さんが選ばれていました。それで取材に来たんですけど……宜しいですかね』 唯織
『何それ何それ、新しいの作んないで下さいよ。可愛いショコラティエール集って、何の話ですか』 夏海
うわ、地声。この、所々入る地声は何なのだろうか。




