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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
秘密だって、プロ声優なんだから仕方ないですよね!
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ⅣーⅧ

「次はミュージックビデオを撮るらしいんですけど、超可愛い衣装見つけちゃったんです。お兄ちゃんお兄ちゃん、しっかり見て下さいね?」

 ニコニコ(ニヤニヤ?)しながら夏海は、てくてく歩いて行ってしまった。

「冬樹さん、どうだったかしら? ショコラティエの応援役は」

 すぐ後ろからアリスちゃんの声が聞こえた、テレポート!? 結構遠くに座ってた筈……。

「ああ、結構疲れるね。これを毎回やってるの?」

 そうなんだとしたら、アリスちゃんをマジ尊敬するけど。でもこの様子を見ると、そうではなさそうだね……。

「いいえ? てか貴方、本当にそんな役があるとでも? クスクス、さすがは夏海さんのお兄さんね。とっても素直な……あはは、兄妹だわ……」

 ……え? アリスちゃんの表情的、に毎回はやってないかなと思いはしたよ? でもさ、その役割自体がでたらめだなんて。まあそうだよね、そりゃそうだよね。

 冷静に考えてみれば、そんなの当然だよね。でも俺は業界についてよく知らないから、そう言うのが本当にあるんだと思っちゃったじゃん。

「あら? 怒っちゃったかしら。それだったら御免なさいね、クスクス」

 何と言うかさ、笑いながら謝られるんだったら謝られない方がまだいいんだけど。

「お兄ちゃ~ん、どうですか? 可愛いでしょう、可愛いでしょう」

「冬樹さ~ん、どうですか? 可愛いでしょう、可愛いでしょう」

 夏海が俺に向かって走ってくると、唯織さんも同じようなことを言いながら駆け寄ってきた。同じようなってか、絶対真似しただろうけど。

 でもまあ確かに、可愛らしい衣装だとは思うさ。

 夏海が着ていたのは、うすピンクでふりふりのワンピースだった。スカートはふわりと大きく広がり、小さなリボンが沢山ついている。そして胸元に大きなリボンが、背中の方にもどうやらリボンが付いているようだった。その上頭には大きなリボンと、全体的にリボンの多い衣装であった。でもまあ、夏海っぽい。

 一方唯織さんの衣装は、薄い水色のワンピースであった。唯織さんのワンピースは夏海のワンピースよりも、少しだけスカートが長いような気がする。まあ殆ど色以外には、大きな違いが見られなかった。

「もう、そんなにジロジロ見つめちゃってぇ。ユッキーのえっちぃ」

        パコーン

 夏海が俺の肩をポンポンと叩きながらそんな事を言ってきたので、どういうことなのか理解不能だったが取り敢えずハエ叩きで叩いた。

「キャッ、照れないでよぉ。ユッキーは恥ずかしがり屋さんだなぁ」

 しかし夏海はまだ、めげずにそのキャラを通していた。これは最早、叩かないでおいてあげようかな。

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