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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
秘密だって、プロ声優なんだから仕方ないですよね!
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「えっと、よく分からないんだけど……。とりあえず、夏海を呼んで来てもいいかな?」

 まずはあいつにしっかり説明して貰わないとな。

 用があるのは俺なのだとしても、この状態で彼女と話をしていても、全く理解が出来そうにない。

「ええ、まあ……いい、わよ」

 少女の許可を貰い、俺は二階の自室いるであろう夏海を呼びに行った。

「おい、夏海! 出ておいで」

 俺はそう言って、夏海の部屋のドアを軽くノックした。

 するとドタバタと派手な音がして、部屋の中から夏海が飛び出てくる。

「どうしたんですか? お兄ちゃん、遂に夏海と……っ」

 夏海は年齢以上に大人っぽいし、喋らなければお淑やかな雰囲気だ。髪は腰ほどまでの綺麗な黒髪、今は二つに縛っている。

 喋らなければ! 普通に可愛いと思う。

 本当に、喋りさえしなければ、可愛いんだけどなぁ。

「客だ、いいから早く来い」

 何かおかしなことを言い出す前に、俺は階段を下り出した。

 それなりの距離を取ってしまえば、慌てて着いて来るばかりで、夏海は何も言いやしないからね。

「ちょっとお兄ちゃん、待って下さいよ。どうして、どうして可愛い妹である夏海を無視するんです? ちょっとぉ」

 夏海は後ろで呪文を唱えながらも、俺の後を着いて来てくれる。

 素直なところは夏海の良いところだ。

「夏海さん、こんにちは。どうして私がいるかは分かるわよね」

 何か怖いオーラを放ちながらニコニコとしている少女を見た途端、夏海の顔色がスーッと青ざめていった。

 そして逃げようとしたので、俺が逃げないように捕まえた。

 事情は全く呑み込めないが、ここで夏海を逃がしたら、もっと進まないような気がしたから。

「お兄ちゃん、何でいきなり。いきなり優しくするのは反則です、そんなことされたら夏海は……」

 逃げようとして、俺が掴んでいる腕を振り回そうとするけれど、さすがに男子高校生と女子中学生である。

 暫くすると諦めたようで、そのようなことを言い出す。

「いいから、早く説明しなさい」

「夏海さん、私のことも考えて頂戴ね」

 俺と少女が言うと、夏海はその場に正座した。

 何をしても逃げられはしないのだと、完全に抵抗を諦めたのだろう。

 にしても、どうしたのだろうか。笑顔で圧力を掛けながら、夏海に説明を求めることにする。

「夏海、この少女は誰? そこから説明してくれるかな」

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