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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
大切だって、過去の記憶なんだから仕方ないですよね!
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 だけどここで口に出して謝ってしまっては、設定が崩れてしまう気がした。それに、事情があるだなんて、察しが付くようなこと言えないし。

 邦朗のことを疑ったりはしていない。そんなことをするつもりはない。

 だけど、発表前に情報が漏れてしまったとき、邦朗を疑うのは絶対に嫌だから。

 ……だから、仕方がないよね?

 発言に問題はあったけれど、邦朗からしてみればいつも通りだったんだもんね。ごめん。

「まあ夏海にお願いしたいことは一つなの。家の中でも十分問題だが、そこは百歩譲る。家の外で、相手がたとえ邦朗だとしても、そういうことは言わないようにしてね? 女の子なんだから」

「お兄ちゃん、夏海のことを思ってそこまで言ってくれるなんて、ありがとうございます」

 折角邦朗にも来て貰っているし、時間があったら少し話していくか、遊んでいくかしようかな。

 どうせ遠回しに何かを告げようとしても、それは夏海に伝わらないのだろう。解釈はどこかずれているし、まさか俺から注意を受けるなんてことを、考えていなかったらしい。

 だったらもう、と。俺は夏海に要点だけを伝えてあげた。

 間違った受け取り方をして、更に悪化されでもしたら困る。

 ただ、優しく言ってあげたとはいえ、お礼なんて言われると伝わっているのか不安になる。

「邦朗も、夏海が今度そんなことを言っていたら、ちゃんと叱って止めてくれよ? 次に怪しい発言があったら、裁判をするだけではなく、罰を科すからね。邦朗も共犯ということにするから」

 邦朗が少し騒がしいけれど、夏海を止められなかったのなら共犯に決まっている。

 なんで? も何もないし、そんな質問をする意味が分からないね。

「因みになんだけどさ、冬樹がいる前でなら、俺と夏海ちゃんとでどんな会話をしても良いんだよね? そういう契約で良いんだよね?」

 夏海だけではなかったらしい。意味が伝わっていなかったのは、邦朗だって同じだったようだ。

 そういうことじゃないんだよな。そういうことじゃ、ないんだよなぁ。どうしたら分かってくれるんだろうな。

 これはやっぱり、どちらにも問題があるんじゃ俺が見張っておいた方が良いのかな。

「はぁ、何を言っているの? それは別に構いやしないけど、容赦なく怒るからね? 見逃しゃしないからね?」

 溜め息混じりに、俺は適当に邦朗のことを制しておく。

 夏海のことも軽く睨んでから、「それじゃあ、一緒に遊ぼう!」と言って立ち上がった。

 二人とも俺の態度に着いていけていない様子だったが、持ち前の元気さを取り戻し二人とも笑顔で立ち上がる。

「はいっ! 遊びましょう」

「冬樹から誘ってくれるなんて、珍しいな」

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