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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
我慢だって、愛されているんだから仕方ないですよね!
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『ここは可愛い妖精の暮らす、妖精の森。今日は王子様のティーパーティー。皆も――』

 イベント開始直前。

 緊張して、ナレーションは殆んど聞こえてこなかった。因みにこれは、ショコラティエの園田夏海に撮って貰っている。

 確か、なぜだか夏海に俺の真似をして読ませたのである。

「ようこそ、可愛い子猫ちゃんたち。一緒にティーパーティを楽しもう」

 精一杯カッコ付けて、俺はそう言う。滅茶苦茶恥ずかしいけれど、一言目はこれなのだから仕方がない。

 勘違いしないで欲しい。俺は言いたくて言っている訳ではない。

 それと、最初の一言目だけなのである。他はここまで恥ずかしい台詞は入っていない。

「王子、ここにお座り下さい。今日は彼ら、彼女たちを楽しませる為のパーティにございます。王子が皆様を楽しませる為、トークの種は持って来ております」

 司会者の方は執事と言う設定である。

 高級そうにコーティングされた、黒でカッコいい服装。白い手袋もして、執事のイメージ通りと言った感じである。

 白石しらいし大勇ひろむさん。声優もやっているし、こういうイベントの司会者もよくやる人らしい。

 ふわふわと少し跳ねているような黒髪。優しそうな目は少し垂れ下がり、丸い鼻もとても優しそう。口はいつでも優しそうな微笑みを示していて、全体的に優しさで出来たような人。背は俺より少し高いほどで、ふっくらとしている。優しさで出来たような人だと思う。

 保護者のような雰囲気なので、少し上に見えてしまうが三十二歳だと言っていた。

「私が子猫ちゃんたちを楽しませるのか? わかった」

 地声で適当に言うだけでいいと言うので、別に恥ずかしくはない。台詞自体は構わないのだが、子猫ちゃんと言う二人称は止めて欲しいと思う。

 それで喜んでくれるんだったら、別にいいんだけどさ。

「皆様から疑問が届いておりますので、まず王子にはそれをお答え願いたいのです。この様な場でもなければ、王子自ら民の声を聞くことは出来ますまい」

 事前に、俺に対する質問をネットのメールだかで集めておいたらしい。そしてそれを紙に書き、折り畳むと箱に入れた。

 その中に手を突っ込み、好きな紙を引く。

 俺はそこに書いてあった質問に答える。とかそんな感じだと思う。

「王子は姫についてどうお思いなのですか? 結婚についての真相は」

 とりあえず俺は一枚引き、そこに書いてあった内容を声に出して読む。

 読んだだけで笑いが起こったのは、内容が可笑しいのだと思う。別に俺が悪い訳じゃないよね。

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