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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
我慢だって、愛されているんだから仕方ないですよね!
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 信じよう。なぜだか分からないけれど、俺のファンがいるんだよ。

 イベントなんてやるんだぜ? そんなの、多分人気があるからだもん。夏海の兄と言う理由で、そこまでする筈がない。

 俺がなぜか人気になった。そう、俺は人気者なんだ。俺は人気者だから出演している、俺は皆に愛されている、皆が俺を求めている。

 洗脳するかのように、そう何度も頭の中で繰り返した。

 それは傍から見ればかなり痛々しいこと。今誰かが俺の頭の中を見れば、大丈夫かコイツと病院に連れて行かれても可笑しくないだろう。

「お兄ちゃん、落ち着いてくれましたか? 自信を持って、ステージに立つのですから。皆はお兄ちゃんを見たくてお金まで払っているのです。完璧な姿を見せないと失礼に当たるでしょう」

 俺を見たくてお金を? そうだよ。俺の為に、買いに来てくれたんだ。

 売り切れていた。つまり、席が埋まると考えていいのだろう。確かに大物アーティストのライブに比べたら、大したことないのかもしれない。

 それでも、俺にとっては大切なイベントなのだから。

「そうだな。夏海、ありがとう」

 俺の為に頑張ってくれる、素晴らしい妹。これだけで俺は恵まれている。それなのに、頑張らないなんて……な。

 それに夏海と同じ血を持っているのだから、人気も出て当然。

「では、厳しく行きますよ。今のお兄ちゃんなら、きっとイベントも大成功です」

 厳しくと言う割に、褒め言葉から始まるところが夏海らしい。

 それでも夏海は、やるときにはやれる子である。彼女がいろいろ指摘してくれるおかげで、俺はかなり進化出来たような気がした。

 結構、自信も付いたし。

 これならば、何百人もの人を前にしても俺は自然にいられると思う。緊張をしないとは言わないけどさ。

 今の俺なら、イベントも大成功。

 夏海がくれたその言葉を、俺は自分に言い聞かせた。

 本番前日、緊張や不安で押し潰されそうな夜だった。ただ夏海が励ましてくれるから、俺は安心はしないものの無事眠りに付くことは出来た。

 万全の状態でイベントに挑む。

 今はかなり調子いいと思うから、出来なければ俺はその程度と言うこと。

 言い訳はしない。これで、俺がどの程度なのか図ることが出来るのであろう。そして失敗すれば、俺はもう諦めた方が良いだろう。

 そう思えるくらいに、とても大事なイベントなのである。

 気を抜くことは出来なかった。そんな俺に気付いてか、夏海はやはり優しい言葉を掛けてくれる。彼女の為にも、俺は大成功で飾るんだ。

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