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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
我慢だって、愛されているんだから仕方ないですよね!
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「普通に練習しましょう。台本は頂いているでしょう」

 やはりさすがの夏海も危ない人って訳ではないらしい。

 ふざけるのは止めて、真面目に指導をしてくれる気になってくれた。

 厳しい表情で夏海は台本を開く。夏海の行動をよく見て、わざわざ少し真似ながら台本を開く。

 こんな小さな努力が大きな結果となる、なんてね。今のはちょっとふざけてみただけだけど、真似してみるのは良いって聞いたことある。

 イベントが決まり、ショコラティエや夏海が出ているイベントを見て学ばせて貰った。勉強しておこう、そう思って様々なイベントを見たりもした。

 それで感じるのは、先輩って偉大だなってことくらいだったけどね。

 共演経験のある人も、中には勿論いた。ただ面白いトークでお客様を楽しませ、完璧なパフォーマンスでお客様を楽しませ。オーラが俺と違っていて、カッコよくて。

 本当に、先輩って偉大だよね。

「さすがはお兄ちゃん、完璧です」

 殺す気で特訓してくれると言っていた夏海だが、やはり甘かった。俺が何をしても、簡単に褒めてくれる。

 それは夏海らしい。夏海らしくて、あまりにも眩しかった。

 先輩って、偉大だな。

「本当に完璧ではあるんですよ。ただ、本番でそれが出来るかが問題ですよね」

 夏海の言う通りだ。完璧かどうかはともかく、練習の時点ではましな筈。

 いくら練習を積んでも、それを本番で出来ない可能性がある。あると言うよりも、かなり高いと思われる。

 どうすれば本番でも出来るのであろうか。

 考えても明確なものはないし、それには練習を積むことがやっぱり一番。考えるな感じるんだ、ってくらい練習をすればいいのさ。

「夏海だっていつも不安です。しかし、やってみると案外出来るものですよ? お兄ちゃんはトークとパフォーマンスについて以前仰っていましたよね」

 先輩らしいと感じる、大人な微笑みで夏海はそう言う。

 案外出来るものって、そんなこと言われてもな……。

「トーク、それはその場のテンションですよ。必ずイベントではテンションマックスになる筈ですから、そのテンションに身を任せてしまって大丈夫です。パフォーマンスなんて言っても、お兄ちゃんは曲もありませんし。台本を覚えるくらい、そしてそれをテンションに任せて語るくらい余裕でしょう」

 今の夏海の説明だと、全てテンションでいいとなる。俺の解釈があってればの話だけどね。

 覚える歌詞もないのに何を言っている。そう、バカにしているようにも取れたけどさ。

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