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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
我慢だって、愛されているんだから仕方ないですよね!
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 あの電話。本当に、唯織さんに対する恐怖のものが変わった気がするよ。

「悪いよ。だって、唯織さんは忙しいじゃん? 付き合って貰う訳にはいかないな」

 さすがに怖いとか嫌だとかは言えないので、なんとかそう言った。それだったらまだ褒めているように聞こえるでしょ。

 それに俺がこう言えば、夏海は無理に呼ぼうとはしないだろうし。

「そうですか。それはつまり、いおは呼ばずに二人きりでレッスンをして欲しい。そんな意味と取っていいのですね? 了解です」

 意味解釈はちょっと違ったけれど、訂正するのも面倒だったのでいいだろう。

 言葉の中にも要所要所ツッコみたいところがあったのだけれど。まあ仕方が無い、仕方が無い。

 だって、絶対にもっとめんどくさくなるじゃないか。スルーしておいた方が、夏海は大人しくなってくれるからいいし。

「夏海、本当に頼むぜ? お前も忙しいとは思うけどさ」

 微笑み掛けると、夏海は嬉しそうに微笑み返してくれる。

 その後、急にピシッと真面目な表情になる。

「お兄ちゃんは練習の練習が必要となります。まずは、喋れるようにならないといけませんから」

 厳しい夏海の言葉に、俺はその通りだと思った。

 ろくに喋れなければ、イベントも何もないもんな。練習の練習、練習すらできないと言うこと。

 それはそうなんだけど、分かっているんだけど。やっぱりこうして言われてしまうと凹んでしまうと言うか、なんというか。

 夏海みたいな人に教えて貰えるのは俺くらいなんだ。

 折角そんな特典があるんだから、ちゃんとやらないといけないよな。

「怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない。大丈夫、人間なんて怖くない。お兄ちゃんお兄ちゃん、園田冬樹は大丈夫」

 洗脳するかのような、恐ろしい感じの歌を夏海は歌っていた。

 ちょっと待って? ちょっと、ちょっとじゃなく怖いかな。怖くないを連呼されて、そんな夏海が怖いかな。

 俺はどうすればいいの? この洗脳、どうすればいいのさ。全然掛からないんだけど。

「やめてやめて。怖いから、もうその歌をやめてくれるかな」

 夏海は不思議そうに首を傾げていた。

 彼女は本当に、何が可笑しいのか分からないと言うような表情をしている。

 嘘だよね? 演技は本業とは言え、彼女は声優の筈なんだよね。ここまで表情を巧みに作れるのならば、女優だって行けるんじゃないかって思うよ。

 声での演技はプロだ凄いと思うところもある。

 まるでそれは演技じゃないようで、本当に分からないと言うようで。分かるよね? この恐ろしい歌、分かるよね。わざとじゃなかったら多分夏海は危ない人。

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