表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
我慢だって、愛されているんだから仕方ないですよね!
138/266

 皆で五月蝿いんだもん。なんで? クラゲ良いじゃん。

 まあ、それ以外を見るのも楽しいからいい。例えば何もかもに興味を示す夏海だとか。例えば女性を見て鼻を伸ばす邦朗だとか。

「お兄ちゃん、そんなに見つめないで下さい。夏海に見惚れてしまいました? 嬉しいけど、恥ずかしいです」

 どうしてそうなってしまったのだろう。

 確かに見てはいたかもしれない。しかし見ていると言うだけで、見惚れるに繋がるのは変じゃないかな。

 本気で恥らっているような表情だから、突っ込み辛くて仕方が無い。まさか、本当に本当に本気で言っていたりするのであろうか。

 それはさすがに不味い。

 今までブラコンをある程度放置してきた。しかし、そろそろ不味くなってきたという訳であろうか。

 ならば決意しなければいけないな。妹の為に、ブラコン改善政策を取らなければいけないと考えられる。

「冬樹、そんなに見つめるな。見惚れる気持ちは分かるが、その……なんか……ダメだろ……?」

 夏海が落ち着いたので再び観察を始めると、今度は邦朗がそんなことを言い出す。

 視線は行っていたかもしれない。しかしどちらかと言えば蔑み笑うような冷たい視線である。見惚れているだとか、そんな熱い視線だったりはしない。

 決してそんなものではない、絶対にありえない。

 なんかダメだろ? というのもなんとかならないのであろうか。

 そして何より、微妙に恥らうような表情をするのは止めて欲しい。本当に俺たちがそんな関係みたいになっているじゃないか。

 少なくともきっと、隣で見ている夏海はそう思ってしまうぞ。

「邦朗、あまりふざけるな。夏海に敵視されるからな」

 冗談だろうが、俺としても少し厳しい上対応に困る。

 だから俺は、そんなブラコンを公認しているかのような脅しをする。本当はこんなこと言いたくないんだよ。

 だって効果はある筈だし。

 こんなつまらないことで、夏海に敵視されてしまうというのはやはり嫌であろう。俺よりも夏海の方が可愛いし、俺よりも夏海に好かれたいだろうからな。

「どうして、あんまりです。お兄ちゃん、彼氏がいたんですね? それなのに、夏海にあんなことを……。お兄ちゃんのこと信じていたのに、あんまりですよっ!」

 二人して俺を陥れようとして、どういうつもりなのだろうか。

 素直な夏海のことだから、素直に邦朗のことを睨み付けるかと思った。

 素直なところが可愛いのに、素直な妹を取り戻さなければ。その為には、素直でない汚れた邦朗と言う存在を消し去る必要があるか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ