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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
恐怖だって、ファンなんだから仕方ないですよね!
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ⅤーⅤ

「二人とも、お疲れサマー」

 俺たちが帰ると、父さんは玄関で待ち構えていてくれた。

 この暑い中わざわざ外で待っているなんて。そんなところも、父さんらしいなって思った。

「夏海を殺すつもりですか! 暑い、首締まる。お兄ちゃん、助けて下さい」

 父さんの太い腕に抱き締められ、夏海は笑顔でもがいていた。

 確かにあれだけべったりくっ付かれたら暑いであろう。それに父さん、結構汗掻いているからべたべたもするんだろうな。

「ほら、行くぞ。どこに連れて行ってくれるんだか、楽しみだな」

 本当に夏海が死んでしまいそうであったので、そう言って俺は一応救ってあげる。

 俺よりも夏海の方にメロメロな父さん。父親としては、娘にメロメロなのは仕方がないことなのであろう。

 しかし俺にも父さんは優しい。

 こんな感じのことを言えば、夏海を解放して俺の方に来てくれるのだ。

「楽しみか? 夏海も冬樹も、きっと喜ぶと思うぞ」

 本当に嬉しそうにしているから、俺も夏海もはも反抗心なんて生れないんだと思う。

 うちの父さんは素直で天然で、優しくて何よりも俺たちを大切にしてくれる。子供のように無邪気な父さんだから、いつまでも父さんに懐いているんだと思う。

 俺たちの為に頑張ってくれているから。寂しがる姿なんか、見たくないから。

「どんなものでしょう。夏海も楽しみです! お父さんとお出掛け、とってもとっても嬉しいですもん」

 そう言って夏海も笑う。

 三人で雑談を楽しんでいたとき、俺の携帯が鳴った。

「ごめん、電話だ」

 二人に微笑んで、俺は電話に出る。そして驚愕した。

『ワタシのなーちゃんです』

 唯織さんの低い声。

 そもそも、唯織さんは今日一日仕事だと聞いている。それなのに、いきなり電話なんて掛けてきてどうしたのだろう。

 俺は唯織さんに対して本格的な恐怖を感じていた。

『何度言ったら分かるのでしょう。なーちゃんはワタシの物です。なーちゃんの可愛さを考えれば、シスコンも仕方がないので咎めません。しかし、少し度を越えているようですね』

 失礼な。多少シスコンの自覚があるときもあるけれど、断じて度を越えてなどいない。

 それに、普段はただの兄。

 兄が妹を大切にするのは当然のこと。それをシスコンを呼ぶのは少し違うのではないであろうか。

『ワタシのなーちゃんであることをお忘れなく。それでは、久しぶりの家族でお出掛けお楽しみを。絶対になーちゃんを楽しませてあげるんですよ』

 その言葉に驚くしか出来なかった。

 どうして唯織さんが家族で出掛けることを知っているのであろう。夏海が教えたとか? まあ、そうとしか考えられないよな。

 そんなことを考えていると、電話はもう切れていて、夏海と父さんが心配そうに俺の顔を見ていた。

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