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兄妹だって、愛があるんだから大丈夫ですよね!  作者: ひなた
恐怖だって、ファンなんだから仕方ないですよね!
109/266

ⅢーⅢ

 しかし、いい加減長いと感じる。

 いつまで劇を楽しんでいるのだろう。

「あっそうだ! なーちゃん、ショコラティエの!」

 俺の想いが届いたのか、唯織さんは劇を終了させてくれた。

 そして唯織さんのその言葉に、夏海も何か気付いたようだ。ショコラティエの、それじゃ俺にはさっぱり分からない。

「さあ、作りますよ。ライブまでに完成させないといけませんから」

 そう言って夏海は沢山の布を取り出した。同じようなものを、唯織さんも沢山バッグから取り出す。

 細長く切られた、同じ大きさの水色とピンクの布。しかしこんなに沢山、何に使うというのだろう。

 ライブに使うものなのだよな? 何だろう。分からないな。ライブに使うもので、ショコラティエ自身で作るもの。

「本当にお二人が手作りで? そうだったんですか。お二人なら本当とか思っていましたが、正直半信半疑でしたよ。ラジオで言ってたときなんて、頑張り過ぎだって心配しましたもん」

 何を作るのか、横島さんは理解したらしかった。

 ということは、この場でまだ分からないのは俺だけということ。ラジオで言っていた? 何だろう、さっぱり思いつかない。

「ショコラティエの、贈るメッセージ」

 俺の様子を見て、夏海が少し声を低くしてそう言ってくれた。

 それでやっと気付く。そう言えばラジオで言っていた。夏海の言葉を聞いて、今更ながら俺は気付くのであった。

「折角のライブですから。ショコラティエの単独ライブ、こんなに大きなところでやるのは初めてです。だから嬉しくて、皆の為に頑張っちゃいたいんです」

 嬉しそうに微笑む唯織さん。

 その表情には嘘偽りがなくて、ただ素直に喜んでいるようだった。

「ありがたいことに、沢山お便りが届いています。だから夏海たちは、その皆にプレゼントをするのです」

 それがこの大量の布ってことか。しかしメッセージを一人一人に描くなんて、無理しているだろう。

 分からないけどきっと何千人、何万人といるんだろ? だってショコラティエ凄いもん。その枚数を二人で描くだなんて。

「いつもチョコレートを購入して頂いているお客様です。たまにはサービスしてあげないと、でしょう? だから、これに気持ちを込めるのです」

 そう微笑んだ唯織さんは、水色の布を一枚手に取った。そしてバッグから、一枚はがきを取り出した。

 唯織さんのバッグは、四次元とかだったりするのだろうか。あれだけ出てきただけでも驚きなのに、その他にはがきまで入っているのだろう? 信じられないね。

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