第11話 その後
5年後……
「結婚おめでとう!」
高橋から言われた。今日は俺とななかさん、いやななかとの結婚式だ。参列者の中には高橋以外にも神田さんもいる。神田さんと高橋は2年前に結婚した。だから、高橋と呼ぶにはおかしい。正確には神田千弦なのだから。でも本人から特別にそう呼んでもらってる。そういえば、高橋達が付き合ったのはあの遊園地を行った翌日のことだそうだ。たぶん、ななかさんと神田さんは協力関係だったのだと思う。
「ありがとう」
「石田はもうななかちゃんのドレス姿みた?」
「まあ、結婚式の会場選びの時に」
「そっかー、今日はまだ会ってないって言ってたからまだ見てないと思ったのに」
「まあまあ、そんな残念がるな。それにあの日みたななかより今日のななかは数百倍綺麗だと思うよ」
「ふーん、それは惚気かい?」
「神田さん!いたならもっと早く教えてくださいよ」
「いやー、うちの妻となんか楽しく話していてちょっと嫉妬しちゃってね」
「そんな、俺はななか一筋なので」
「まあ、そうじゃなきゃ怒りもんだよ。あはは」
「ちなみに神田さんはななかのドレス姿見てないですよね」
「もちろん、最初にみるのは夫の君だろ」
「分かってるー」
「ほら、男共もうそろやめときな。あ、充さん、さっき取り引き先の人いたよ」
「がちか、挨拶してくるよ」
「行ってらっしゃい」
「幸せそうだな」
「うん、めっちゃ幸せ」
「それは良かった。こっちも負けないぐらい幸せだから」
「そうなってくれ、そういえば遊園地覚えてる?」
「うん、覚えてるよ」
「あの時さ、石田のこと好きだったんだよね」
「がちかよ」
「今は選ばなくて良かったって思ってるけど」
「めっちゃ失礼やな」
「まあまあ」
「まあ、あの時は俺もお前の事好きだったな。ななかと再開して幸せにしたい相手が高橋からななかに変わったけど」
「そっか、一時的でも両想いやったんやね」
「そやね」
「まあ、もう過去の事。お互い籍を入れているんだし、もうありえない話だしね」
「まあ、それで良かったんやない。今めっちゃ幸せやろ」
「うん」
「ほなええやん」
「そやね、まあまた来世出会えたらその時に考えよ」
「まあまあ、遠い話やけどな」
乾いた笑い声が部屋の中で響いた
「じゃ、改めて結婚おめでとうございます」
「ありがとうございます」
〈END〉
どうも、筆者です。これを手をとって頂きありがとうございます。いやー、体調不良だったり、テストとかで休みがちでした。本当はもう少し書きたかったんですけど、この先が思いつかなくなってしまったので終わりにします。また近いうちに次を作るので待っててください!