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竜娘と行く世界旅行記  作者: 塩分
3章.魔道の国
67/159

資料.1「魔神とは」

ただの設定資料です。

これを見なくとも本編で必要な内容は補完します。

かなり多く、それでいて難解な情報が詰まっていますが、半分以上の情報は本編と関与しない可能性が高い為、本当に興味が湧いた方の視聴をお勧めします。

魔神とは

 著:ケルス:イヴィズアールン


 魔神について話そう。

彼らの名は、アウレアのドートス教。そして亜人国家群のストリクト教の双方で日常的に聞くことが出来る。

そのどちらでも彼らは邪悪な存在であると伝えられ、今日に至っている。


宗教家達の反論を避ける為、この世界へ訪れた過程を省くが、彼らは異界から来た神だ。


ある日突然二つの世界が繋がり、大神達が根付く世界に、魔物と共に迷い込んでしまったのが始まりだ。

現在はバルツァーブを除き、10柱の魔神は元居た世界へと帰っている訳だが、時折暇を持て余した彼らがこの世界にやって来る事がある。

そのせいで、魔神は竜神よりも身近な存在とされている訳だ。


彼らについて語る前に、魔人たちの席次について話すべきだろう。


彼らは惑星を持たず、かつて誤解されがちだった、宇宙のない平面の世界に生きている。地上とも海とも言えないその空間の中で、彼らはそれぞれの領域を作成し、自らにとっての理想郷を創り上げている訳だ。


空間そのものが隔たれている以上、神同士の関わりのない彼らだが、100年に一度、魔神の長が彼らを呼び寄せ、近況報告とトラブルの調停を行なっている。

その会議場に用意された席こそが、魔神達の席次という訳だ。

席に座る条件は単純で、神である事に加え、領域の統治者であることだ。

余談だが番号は就任順だ。分かりやすいだろう?


さて、これから先は、そんな彼らの在り方や特徴をここに記しておこうと思う。

メモの走り書き程度の内容だが、それで充分だろう。


・魔神第一席「イステア=フェルカルバス」

Isthea=ferkalbas

言わずと知れた魔神達の主神だ。

彼らを統べる長であり、非常に理知的で、遭遇時の危険度は最も低いと言える。

だが、彼がこの世界に来る理由は今後とも無いだろう。そもそも、魔界とこの世界の融合を止めたのは彼なのだから。


12枚の翼を持った壮年の男で、自身よりも強い者を探している。

力と言わず、知識量や、遊戯の強さ、くだらないおふざけでも構わない。

一芸に自信があれば挑んでみるのも良いだろう。きっと、辛酸を舐めることになる筈だ。


創造物は、吸血鬼と悪魔。みな強力な力こそ持つものの、温厚で理知的な人物が多い。

一部の例外は居るようだがな。そこはヒトと同じだと言えるだろう。


・魔神第二席「ベルウェレス=クラース」

Beelweleth=curass

最も神らしさの無い人物は誰かと問われれば、真っ先に彼女の名が挙がる。

ドレスを着た貴婦人の姿をしているものの、その正体は複数の蟲の集合体だ。

神であるにも関わらず、姿の通り昆虫のような思考の持ち主で、ただ増えては繁殖している。

勢力拡大の為ならば自己の複製も厭わず、近親相姦でさえ平気でやってのけてしまう。


ただただ機械的な繁栄を求めており、根本的な目的は存在していない。

自身の幸福さえ求めず、ただ創造物達を産み出し、繁殖していく様は、一種の芸術性すら感じる事だろう。


創造物は蟲だ。魔物に分類される虫は全て彼女の創造物だと思えば良い。


・魔神三席「シェリティオ=ハステップ」

Sheritio=Hastep

魔神の中で二番目に危険な人物だ。

黄色のローブを身に纏い、その姿は暗闇に覆われていて姿を目視する事は出来ない。

嗜虐(しぎゃく)的な性格で、他者の破滅する様を見届ける事を好んでいる。

世界が繋がって間もない頃、この世界に幾度となく出現し、各地を混沌へと陥れた。

最終的に、ルナブラムから出入りを禁じられたようだ。


もし君が彼と会ったとしても、それに気付く事はまず無い。気が付けば彼に操られ、隣人達を次々へと手に掛けている事だろう。


・魔神四席「シェトス=パーティア」

shathoth=pathia

イステアと並ぶ理知的な神だ。

竜の姿をしており、無数の触手が尾から生えており、玉虫色の球体が彼の周りを飛んでいる。

知識と文明による進化を望んでおり、各勢力からの情報収集を入念に行なっている。

彼の文明は既に古代人の領域すら超えており、世界間の移動さえ実現しようとしている程だ。


彼が自身の領域から出る事はまず無いだろう。が、もし逆に迷い込んだ際には、彼に取引を持ち掛けると良い。

何かの技術や知識を法外な値段で買い取り、懇意にしてくれる筈だ。

虚偽を伝えれば殺されるだろうが。


創造物は竜だ。

ストリクトでは飛竜が竜神の眷属とされているが、その殆どは彼が創造したもので、文明が持てる程の知性を持った個体は、彼が手ずから回収した為、この世界にはあまり残存していない。


初代魔神五席「ミルリュス=デクルス」

mirriyyuth=decrus

俺の祖母にあたる人物で、十一席であるヴァストゥリルの母だ。

岩のような肌をした巨人で、純粋な力を権能としている。

とても豪快で粗暴な人物として知られていて、話し合いよりも暴力で解決しがちだったようだ。

魔界に迷い込んだ大神インディルクを強引に夫へ迎え、ヴァナルガンドら三人兄妹を身籠った。


が、インディルクがヴァナルガンドの権能を使ってこの世界に帰還した事に怒り、息子を連れ戻すため侵攻した際に、エルウェクトに討伐されてしまった。

彼女は頭は悪かったが、眷属や家族共々深く慕われていた。

意外かもしれないが、神々の親子仲は悪い事が多い。尤も、俺が言っても説得力は無いかもしれないな。


創造物は巨人だ。

植生が豊富なハース以外ではほぼ絶滅してしまったようだがな。

知能が高い個体の殆どは親父が回収した。


二代目:アーシェルト=デクルス

aschertr=decrus

ミルリュスの死後、彼女の力を継承した人物だ。

小さな灰の巨人、シンモラ。

主と共にこの世界へ侵攻した夫を待っていた彼女が、事実的に祖母の領域を治めることになった。

ミルリュスが敗戦した当時、長男のヴァナルガンドは行方不明。次男のイオルムは責任放棄、末子のヘルは自分の領域を作って遊んでいた始末でな。

継承者が居なかった。


ヴァナルガンドが領域に帰還し、名を改めて魔神十一席として就任した時に、三兄弟の支持もあって、魔神として押し上げられた訳だ。

その際に夫であるスルトの亡骸を身体に取り込んでいてな。

巨大な火の巨人として現れた際は、夫の力を借りているという訳だ。

夫を討伐した人間を少し嫌っている。

もし遭遇したのなら、運が悪かったと諦めるしかないかもしれないな。


・魔神六席「ベルトゥール=フォルミ」

Belthuor=formi

絶世の美男子、或いは美女だ。

彼もまた、ルナブラムから出入りを禁じられていてな。

快楽を求め続ける平和主義者の変態。という認識で概ね合っているよ。

種族、性別を問わず、出会った生物を口説いて回る事が多い。

もし彼と出会ったのなら、死力を尽くして拒絶し続ける事だ。

彼への魅力に胸が熱くなり、それと同時に、様々な欲求が高まるだろう。だが拒絶するべきだ。

もし彼と接吻を交わせば、快楽に脳を焼かれ廃人となるだろう。そして、身体を交わした際には間違いなく命を落とす。

恐ろしい事に、彼の権能は魅了であり、性交渉で命を落とすのは彼の純粋な技量によるものだそうだ。


創造物は水棲生物だ。

魚から両生類まで幅広く扱っている。

時折名状しがたいものが居るようだがな。


・魔神第七席「バルツァーブ=クアリル」

Balshah=xuaril

豊穣と嵐を司る魔神だ。

樹木の翼を持った騎士の姿をしている。

魔神の誰よりも温厚で、慈悲深い人物だった。

だが、エルウェクトが彼を封印し、法の守り手が彼の妻と友人、信徒達を皆殺しにしてしまった。


復活後の彼が行なった行為について、俺は否定する気にはなれない。

娘は違ったようだがな。


創造物は植物、ドライアドが有名だ。


・魔神第八席「アヴァルス=ケラムメレク」

Avarus=cherammelech

母性と安息を司る魔神。

というべきだろうな、彼女はお洒落好きでな。相手が望む姿へとその身を変える。

本来の姿は孔雀だ。


ルミノックスという歓楽街を建てていてな、人生に疲れた者を呼び寄せ、一切の義務を奪うそうだ。

住人は無気力に眠る、散歩、他愛のない雑談しかしなくなるそうだ。

一度訪れた時、ウェンディゴが穏やかに街を歩いて居た時は驚かされた。


引き寄せられそうな相手に対しては、慈愛に満ち溢れた母の口調で話すが、前向きに生きている相手にはとても気だるげな態度を取って来る。


創造物は妖精だ。

基本的に都市の運営を行なっていたり、彼女の元を離れて暮らしている。

主人と違い、自活的なのが特徴だと言えるな。


・魔神第九席「ビリスリリス=ツィーア」

Bilislilith=tiya

こちらも倒錯的な性的嗜好を持った魔神だな。加虐趣味と被虐趣味を同時に持ち合わせていて、こちらの世界の女性を誘拐しては、拷問に掛けている。

五感を共有した上でな。

濡れた黒髪に、赤い瞳をした全裸の女性の姿をしていて、戦闘時には四足歩行の獣へと変化する。

中々に冒涜的な姿をしていて、腐敗した獣の死体が歩いているかのようだった。


魔獣を創造している。オルトロスやコカトリスが有名だな。


・魔神第十席「アナキテスマット・レムラハマリアヌート」

Anaqitesmmat・lemurahamarianut


狂気を司る女神だ。

度し難い程の人格破綻者で、躁病(そうびょう)的な狂人だな。

キャベツをこよなく愛していて、よく他人の頭をキャベツに組み換えて殺している。

こちらの世界にも彼女の信者は一定数存在していて、信者たちは死体を使った猟奇的なアートを使って、彼女を呼び寄せようとしている。

また彼女の領域は、アウレアの地方都市とよく似ている。

平原にまばらな民家、そして狂人が騒いでいたな。


基本的には人の歯茎が付いた球体で出現するが、幼い少女の姿で現れる事もある。

皮膚が様々な生き物で継ぎ接ぎされていて、とても痛々しい。

余談だが、とある人が問い詰めれば素の彼女と会話が出来る。曰く彼女は狂人を真似る狂人であり、かなり抑鬱(よくうつ)的な性格をしているそうだ。


創造物はスライムやウェンディゴ、あと病原菌も作っていたりする。


・魔神十一席「ヴァストゥリル=イヴィズアールン」

俺の父親だ。

旧名はヴァナルガンド。大神と魔神、本来交わる事のない存在との間に産まれたが故に、例外的に神の力を持って産まれ、他の神が持ち得ない消滅の力を持っている。

助かりたければこの本を読んだと伝えると良い。機嫌が良いと元いた場所に帰してくれるだろう。

創造物は、必要なものを適時創っている為、統一性は無い。

領域については秘密とさせて貰おう。

なに、特に面白い景色など有りはしない、住みやすい場所だ。


以上で全てだ。

忘れないで欲しいが、これは飽くまで特徴を綴ったに過ぎない。

神を前にした時、この本を読んでいるお前達が打てる対策など無い。

無論、俺さえも殺気を向けられただけで死んでしまうだろう。

彼らはこの世界の管理人、絶対者なのだから。

改稿しましたが、設定の変化はありません。

ケルスの口調が気に食わなかったので少し直しました。

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