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13 儀式の終わった朝
よろしくお願いします。
朝日が森を照らし始めた。
命の木はいつもと変わらず静かに立っていた。
一人づつ命の木の下に民達が集まり出した。
全ての民達が集まり終えた時、二人の若者の目隠しが解かれた。
一人は、女ながらも弓取の儀を終えた、それでも何処かに優しさを感じさせる顔をした勇者のよう。
もう一人は、先日に弓取の儀を終えたばかりの若者である。
目隠しを解かれた二人は、互いの目を見つめ合い、その覚悟を無言で伝え合った。
その金色に変化した輝く瞳で。
命の木から力を授かった二人は、旅立ちの準備をした。
森の奥から、大きな鳥が連れられて来た。
純白の翼を六枚持った美しい鳥。
その鳥の1番前の翼と2番目にある翼の間に少女が乗ると、2番目の翼と3番目にある翼の間に若者が乗った。
行くわ、と決意に燃えた金色の瞳で美しい髪を風になびかせながら少女が言うと、緊張で張り詰めた頬をした若者が静かに深く頷く。
帰れない旅立ちの時がやって来た。
二度と帰れない者達への旅立ちの儀式はない。
誰に見送られることもない。
最後の儀式の終わった朝、民達は二人に別れの挨拶をして去って行った。
そして今は、民達は森の上を空高く飛んでいく純白の翼を六枚持った大きな鳥を、緑色の瞳に焼き付けていた。
ありがとうございました。




