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1 緑の瞳
よろしくお願いします。
その森に住む民達は、主に狩猟をして生きていた。
小動物を狩る事が主であり、その他の動物達は、飼い慣らされ狩猟の為に使われていた。
男達は、狩猟が終わると、狩ってきた動物を大きな木の下に並べる。
その森で一番大きな木、命の木と呼ばれている。
男達は、その木の前に平伏し、今日の糧に感謝をし、生あることに感謝し、その為に失われた命に感謝し、一日の仕事を終える。
そして肉を均等に切り裂き、各自の家に持ち帰る。
狩で得られた生き物達は、どれだけ少なくても、多くても、均等に分けられる。
そう、生き物達は、脈動は無くなり、既に呼吸もしていない。
それでも、彼らの食道を通るまでは、彼らは生き物達と呼んでいる。
やがて胃の腑を通り、彼らの血となり肉となる時、彼らの生命のために失われた魂とともに生かされていると、彼らは言う。
夜になると、森の民達は、命の木の前に集まり、焚き火をし、命について互いに語り合い、神に祈りを捧げて、眠りにつく。
焚き火に照らされた時の彼ら彼女らの瞳は、一様に緑色をしている。
ありがとうございました。