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よしっ!きょうは元気になれそうだ!どーもーせみころーんさんですー。


「(๑╹◡╹๑ …)<ほぃ!シークシーク!」


だめですよ。ちゃんと最初から最後まで聴きましょう。


「(๑╹◡╹๑ …)<あーもー展開がさっさと読めるんだよなあ。もうこれで終わりでしょ、て」


失礼じゃないですか。


「(๑╹◡╹๑ …)<せんせいさんもすごく失礼なオーケストレーションさせてる」

「(∅)<隣で吹いてる獣人のホルンの音にかき消されたむっきー許せないいいぃってのありましたよね」


いやそれは演奏家の。


「(∅)<無駄をやらされるとみんな怒る時代になってしまったんです」


ここですよ。自由主義じゃなくて責任主義、民主主義じゃなくて合理主義、資本主義じゃなくて資産主義になってしまいまして、みーんなみーんな無駄が嫌い、無駄を省けって世界になってきたんですよ。いやだなあ。


「(゜~゜:)<せんせいさん。アップデートしないとだめですよ」

「(§ゴ^。^ウ§)<無駄のない美しいメロディーを書かないと」


無駄のないメロディーって言いますけどね、そんなの面白くもなんともないですよ。


「(゜~゜:)<ゑー」

「(§ゴ^。^ウ§)<ゑー」


まだインターネットもなくて、FAXも普及が行き届いてなく、10円コピー新発売の頃の日本は、まだみんなのどかに無駄を楽しんで生きていたんです。


だって!北斗の拳とか!原作者も忘れてる展開ってあったじゃないですか!!


「(§ゴ^。^ウ§)<いまそんなことしたらあっという間に打ち切りですわんわん」


1980年代は無駄がいっぱいあっても誰も何も言わなかったんですよ。


「(§ゴ^。^ウ§)<その頃ですね、共通一次とかいうわたくしでも解けそうなテストがあったんですよね。今の受験生はこの過去問を見るとすっごく怒るみたいです。簡単すぎるって」


たしかにそうでしょうね。40年前ですから。40年前なんてメジャーリーグに挑戦する選手すらほとんどいない。


なので、無駄がないとメロディーは作れないんですよ。


なぜメロディーに無駄があるのかといいますと、1982年の日本はまだまだ歌謡曲の時代でした。演歌の時代は終わりを告げようとしていました。


いまのなろうの読者で小学生の皆さんは、カラオケ屋のエコーがダダ漏れってのは聴いたことがないかもしれませんね。昔は防音設備が非常に貧しく、重い木の扉でした。木造ですので、カラオケ屋のエコーは盛大に筒抜けでございまして、夜中になるとよく音漏れが聴こえたんです。


聴こえてくるのはほぼ演歌でしたね。私の父親はそれを毎度毎度夕食のネタにしていました。洋楽なんて頭の中に最初からないって。生産性認定済異世界の常識以下の音楽とまで言ってました。


そのころ、演歌と歌謡曲の和声イディオムは非常に貧弱で、スリーコードに借用和音一回か二回ってのが歌謡曲の定石でした。演歌もスリーコードではなくなりつつありましたが、9の和音は出さないって規約があったみたいです。


なので、和声が貧しいもんですから、メロディーは少々無駄がある程度じゃないと間が持たないんですよ。


「彡/(゜)(゜)<11PMのテーマとかあれ1965年なんやろ。あれは9あるし、ラストは11やろ」


歌詞がスキャットだったら9か11でも良かったらしいんですよ。日本語のフォルマントに9か11が合わないって意見もあった。


その時代から40年経ちました。みんなシークする時代になったもんですから、イントロが長いという音楽は全部淘汰されてしまいました。


「彡/(゜)(゜)<エクトル・バレラとかもうあかんやんか」


アルゼンチン・タンゴの巨匠エクトル・バレラさんは、超大なイントロをつけて始まるのがお約束でございました。


「彡/(゜)(゜)<おい、せみころーんの曲ってあんまりイントロとかやらんよな」


イントロが長いって曲はあんまり書かなくなってますね。


「(๑╹◡╹๑ …)<せんせいさんも渋々アップデートしてる」


渋々イントロを削除した思い出はありませんねえ。


「(๑╹◡╹๑ …)<でも、イントロらしきものはどんどん短くなったんでしょ」


そういうことになりますね。2-3秒ならイントロでいいかなって。


「(゜~゜:)<ぼっち・ざ・ろっくの『なにが悪い』も、イントロは7小節」


これも、今の世代は「長い」って言うんですよ。


「(゜~゜:)<でも、短すぎるのはだめなんだよね」


らしいんです。ピコ太郎が数十秒でチャートインしたときも「ビルボードのヒット曲は大抵1分かかる」って。


若い世代も制度に合わせて曲を作ってはいるんですが、エンディングテーマが15秒とかそんな冒険はしないんですよ。


「(๑╹◡╹๑ …)<そのうちオーケストラ曲も3分になっちゃうのかなあ」


嫌だなあそんな未来。


「(゜~゜:)<しかし、世の中はどんどん短縮化を迫ってくるんですよ」


むかし作曲のコンクールでヴァイオリン協奏曲30分なんてやってたのももう終わりになるんでしょうね。そのうち7分とかになるのは目に見えてます。


「(゜~゜:)<それ以上は短くならない」


ここらへん面白いでしょ。人間の身長に限界があるのと似てるんですよ。

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