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あなたは神を信じますか?  作者: 唸れ!爆殺号!
第1章 魔女と愉快な仲間たち
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5話 あなたは巨乳がお好きですか?ー大好き

「どうなってんだこれ………」


俺は、昨日仲間に加えた駄目神ソルスと睡眠欲の魔女メリルの冒険者登録のためギルドに向かっていた。


そこでとんでもないものをみた。それは…


「いらっしゃいませー!ただいま外の皆さんこんにちはセールで、全品10パーセントオフですよー!」


「500年も結界に閉じ込められていたのに、俺たちの街と同じくらい発展してるな…」


「結界村の皆さんは知らないでしょうが、これは最近隣国で発見された鉱石で………」


「この村には野菜がないと聞きましたのでたくさん持ってきましたよー!今ならなんと!外の価格の半額で………」


「昨日の夜、外から来た剣士が路地裏で襲われたらしいぞ………」


村が大量の人で賑わっていた。


「おいおい、何でこんなに人がいるんだよ…」


村の広場が、人で埋め尽くされていた。これじゃギルドにもいけない。


53人ぐらい圧死してそうなレベルで人がいるんだよ?


「仕方ない、諦めよう」


「結界が割られたから、500年も閉じ込められてた人たちを一目見ようって感じかしら?それにしても多いわね…まあ、私の信者の数には敵わないけど?」


こんなにお前の信者がいてたまるか!


頭の悪いことを言い出したソルスに言う。


「これはムリだわ。人の数が多すぎる。こんなにいたら、人の頭の上泳ぐしかギルドに行き着く方法はないし」


「そうね、こんなに人がいたら股の間も通り抜けれないものね」


ソルスとそんな頭の悪い会話をしているとメリルが目を覚ました。ちなみにメリルは俺がおぶっている。


「ふあーっ、うーん…朝ですか…」


「おはよう、メリルちゃん。昼だけど。ねぇ、テレポート使える?使えないなら良いんだけど」


テレポート?聞いたことない魔法だな…名前から想像するに空間転移の魔法なのだろう。確かにそれが使えればギルドに行けるな…


「はい…使えますよ。『テレポート』」


足元に魔方陣が展開し、視界がグニャリと歪む。


すると次の瞬間、俺たちはギルドの中にいた。なにこれ超便利!


「メリルちゃん、ありがとー!」


「いえ、どういたしまして。これくらい造作もないことです!」


「『絶対記憶』」


よし、覚えた…これからはこいつを活用しよう。


「ありがとうメリル。お陰でテレポート、覚えられたよ」


もうこのままテレポートで帰りたいくらい嬉しい。


「は、はぁ…普通そう簡単には覚えられないんですけど…」


俺がおかしいのは平常運転だ。


………なんかギルドが静かだな…いつもうっせぇのに…


「まぁ細かい所は気にすんな」


ギルド内の静けさに違和感を感じながらも、俺はメリルと会話を続ける。


「そうですね、あの結界を壊すような力を持つリン君です。テレポートを瞬時に覚えられてもおかしくないですよね」


俺はおぶっていたメリルを下ろすと、ギルドの受付嬢に話かけた。


「すいませーん!こいつらの冒険者登録したいんだけどー」


「魔女様?!…少しお待ちください!今、外のお偉いさんが…!」


するとでっかいおっさんがつかつかと歩み寄ってきた。


「魔女…?もしやあなたが結界を破ったという破創の魔女か?」


外のお偉いさんか…確かに見た目がそんな感じだ。


剣が彫られている、白く、美しい鎧を着ているひげもじゃのおっちゃんで、後ろにたくさんの兵士が待機している。


おっちゃんを観察していると、おっちゃんは自己紹介を始めた。


「魔女殿、お初にお目にかかる。私は、マテリア王国王直属騎士団団長、ウィスカーという者です。どうぞお見知りおきを…」


王直属騎士団団長…確かに偉そうな肩書きだな…


「これはこれは丁寧に…私破創の魔女と呼ばれております、スズキリンと申します。すみませんがお時間よろしいですか?出来ればこの二人を冒険者登録したいのですが…」


「どうぞどうぞ、構いませんよ。ですが一つ私からもお願いがございます」


「はい、なんですか?」


まぁ予想はつく。勝負してとか、勝負してとか勝負してとかだろう。


「私とお手合わせ願えませんか?」


ほらほらやっぱりお手合わせ目当てだったよこの人ー。そんな気はしていたので構わない。


「ええ、良いですよ。すみませーん!ちょっと勝負してくるんでその間に登録お願いしまーす!」


「は、はい!承りました!ではお嬢さん方、こちらへ…」


「あはははは!ついに私の神がかったステータスを見せつけてやれるのね!いや私が女神やないかーい!」


アホみたいな一人漫才をしているソルスが何かやらかさないか心配だがそこはメリルに任せよう。


「でも外は人でいっぱいですよ?平原まで行きますか?」


「そうですな…おい!魔法兵!」


「はっ!」


おっちゃんが叫ぶと、後ろから兵士の人が出てきて…


「『テレポート』」


俺たちを平原に飛ばしてくれたらしい。


「さぁ魔女殿、行きますぞ!」


「あぁ、かかってくるといいよ」


久しぶりに対人戦で本気を出せそうだ…


「いざ尋常に…」


「勝負っ………」


広い平原に高らかな金属音が鳴り響いた。



「『テレポート』」


「リン君!お帰………り………」


メリルは俺を見て絶句した。そりゃ当たり前だ。


俺を敵を見るような目で見る兵士の人たちに向かって俺はこう叫んだ。


「すいませんでしたーーーーーっ!!!!!!」


団長さん、瀕死の重症です。綺麗な鎧には大穴が空き、腹にも少し、いやかなりの傷がついている。


「ソルスっ!ソルスはどこだっ?!」


あいつならこの人の回復くらい余裕だろ?!一発殴っただけだぞ…?!


「なぁにー?どうしたのっ…てそのおじさん、だいぶ重症ね。癒しちゃっても良いかしら?」


「お願いしますっ!!」


ソルスがなにやら唱える…


頼むっ!治ってくれっ!


「ちゃんと働いたんだから、今日の私の晩御飯は大盛でよろしくね?『死者蘇生』」


死んでたんかーーーー!!!!


俺が分かりやすく落ち込んでいると、ソルスは俺を見ていった。


「大丈夫よ、死んじゃいないわ。今使った魔法は死者以外に使っても効果があるのよ。他の回復魔法より詠唱時間が短いし、回復効果も高いからこれを使っただけよ。ねぇあんた、あのおじさんになにしたの?」


良かった…死んでなくて………


「…うっ…ここは………」


「団長!」


「良かった!団長が目覚めたぞ!」


ううっ、安心したら涙が溢れて…何で誰よりも俺が泣いてんだ。


「本当にすみませんでした…」


俺は団長に謝る。名前は忘れた。


「いや、こちらこそ…まだまだ世界は広いということを思い知らされましたよ。ハハハハハッ!」


良かった…団長がやさしくて…!名前忘れたけど…!


「それではこれで帰らせてもらうとしよう。行くぞお前たち!」


「「「はっ!」」」


そうして、思いの外弱っちかった団長と兵士さんたちは帰っていった。


「ねぇ、だからあんたはあのおじさんに何をしたのよ?」


一発腹パン決めただけです。



団長とその仲間たちが帰った後。俺は、冒険者登録を済ませたソルスとメリルと共にクエストに行った。


結果からいえば散々だった。


俺たちは、森にまだ残っていた魔獣の退治に向かったのだが………


「わあぁぁぁーーっ!なんで?!ねえっ、なんで私ばっかり追いかけられるの………」


ソルスは、なぜか食人植物に追いかけ回されており…


メリルはといえば…


「スーッ………うーんっ………スー、スー………」


俺の背中でぐっすり眠っていた。


まぁクエストはクリアしたし良いんだけどね?


というわけでヌルヌルになったソルスを風呂にぶちこみ、ずっと眠っていやがったメリルはソファに寝かせて、俺は晩飯の材料の買い出しである。


「おーい、そこのお嬢ちゃん結界村の人?だったらこれ買ってかない?ほら、トマト。この村には野菜がないんでしょ?今なら種もつけちゃうよー?」


トマト!トマトだと?!


「くれ!あるだけ!全部!」


「あっ…ああ、いいよ。あと10個しかないから…はい、10個で700リアだよ」


700リア?!安すぎだろ!ちなみにリアというのはこの世界の貨幣単位である。価値的には1リア1円といったところだろう。


「おっちゃん、ありがとう!おいしくいただくよ!」


「あぁ、喜んでくれたみたいで良かったよ。又来るからその時もよろしくね~」


こちらこそ!


おっちゃんと手を振って別れると、俺は踊り出しそうなほど興奮していた。


「トマトだぞ、トマト!これがあればケチャップが作れるじゃねぇか!」


そう!ケチャップ!この世で最強の調味料!マヨネーズか一番とかいうやつがいるが、俺は実はマヨが嫌いだ。全世界のマヨネーズが蒸発してしまえばいいと毎日願っている。


「ふーんふーんふーんふっふふーんふっふふーん♪」


とダース・◯イダーのテーマを鼻歌で歌いながら暗い路地裏を歩いていると…


トマトが一つ破裂した。


「あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


トマト!!俺の愛しのトマトが!!


しかも驚いた拍子にトマトを落としてしまった。


ベシャッっとトマトの潰れる音が路地裏に響く。


俺は膝から崩れ落ちた。


「皆…俺のトマトたち………」


だが俺は立ち上がる。俺の愛しのトマトたちの敵をとってやる!!


ふと、俺は冷たい風を感じた。


斬撃…!俺は勘と本能だけで斬撃を避ける。


速い…この速度は俺に並ぶほどだ。だが…


「…捕まえたっと」


もう目は慣れた。


両腕の付け根をつかみ、組み伏せる。ついでに危ないので持っていた小さな刀も奪っておく。


捕まえたのは…


「この速度…この力…もしやあなたが破創の魔女か!私はヨミ、忍を生業とするものだ。もし、あなたさえ良ければ私をあなたの忍にしていただけないだろうか!」


巨乳の黒髪猫耳美少女だった。



年は俺より一つ二つ上…といったところだろう。それにしてもデカイ………あの見た目は良いソルスさんと良い勝負…


巨乳に見とれていて、思わず片手に持っていた小刀を忘れ胸に手が………


「ヒイッ………!」


はっ!いかん!つい、胸に見とれて………


「早く!早くその刀隠してっ!」


「刀…?」


「いいから!いいから早くっ!」


「ほい」


あまりにも必死に言ってくるので刀を隠してやる。


「はぁーっ、はぁーっ…ふーっ怖かった………」


「怖い………?これ自分の武器だろ?」


俺が持っているのが怖いのは分かるがなぜ隠せと言ったのだろうか…?


「私は小さい頃からクソジジ…師匠に鍛えられていてな?ある時、『今日も修行じゃヨミ!今日は剣術じゃ!』と言っていきなり斬りかかって来たのがトラウマで…すまないが一度どいてもらえないか…?」


「あ、あぁすまん…」


おぉう、普通に話聞いてたけど思いっきりまたがったままだった。


俺は彼女…ヨミの上からどき、刀を返した。


「つまりお前は俺の事を探してここに来たって訳だな?」


「あぁ、そういうことだ。それで…どうだ?私をあなたの忍にはしていただけないだろうか…!出来ることならなんでもする所存だ!」


忍か…正直言って要らないが、体がエロいので目の保養用に置いとくのも悪くない…


「忍にしてもいいが一つ条件がある」


「何だ?!暗殺か?!それとも機密情報の諜報か?!」


「いや違う。冒険者として金を稼げって条件だ」


こんな簡単な条件なのに今まで誰もクリアしていないのはなぜだろう…


「何だ…そんな事か…分かった!それぐらいなら私でも出来るだろう!」


もしかしたら俺は今までで一番まともな奴を仲間にしたのかも知れない。


そんなことを思っていた日もありました。


こうして破創の魔女のパーティーに(目の保養要因として)猫耳巨乳忍者ヨミが加入した。




 








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