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喜多川フーフの結婚

今日、俺、喜多川誠司は喜多川美奈と結婚する。



彼女とは小学生の頃からの付き合いだ。

けれど、俺たちは幼馴染という関係ではない。

当時は同じ苗字であることで「フーフ」と揶揄われ、むしろお互いの印象は良くなかったと言っていい。


まあ良い感情を持っていないのは、揶揄われた事だけが原因では無いのだが…。



高校から学校が離れ、連絡先も知らない良い印象の無い元同級生として、たまに思い出す程度でしかなかった。

それが何の因果か、就職先で再会し、気がつくと結婚するまでの仲になっていた。

昔の自分達を思い出したら、何故彼女とこの様なことになったのか、不思議でならない。



「二人とも、結婚おめでとう。それにしても、お前たちがくっつくとは思わなかったぞ。」


「ははは、昔の俺も、まさか“あの”喜多川と結婚するとは思わなかっただろうな。」


「そうね、私も全く想像していなかったわ。」



その思いは当時の事を知る友人達にとっても、美奈にとっても同じらしかった。

結婚披露宴の場で久しぶりに会った友人達に、意外そうに言われたし、俺も美奈も同意していた。




「美奈、誠司くん、結婚おめでとう。」


「ありがとう、結愛。」


「ありがとう、清水さん。」



その披露宴の席で、美奈の幼馴染である清水結愛が祝いの言葉をかけてくれた。



結愛は、美奈の幼馴染であり、親友。

俺も古くから知る仲だ。

同じ学校だった九年間、常に美奈の隣に居て、彼女についてまわっていた。


それもあって、美奈と疎遠だった俺と清水の間には接点は少ない筈だが、不思議な程に彼女は俺に対して好意的だった。

そんな清水との対面も、十数年ぶりだ。



「結愛もまさか、私達が結婚するとは思わなかったんじゃない?」



美奈が結愛に、先程からしていた話題を振った。

当時の俺と美奈の事情を一番良く知っているは、美奈の隣にいた結愛だ。

だから、当然その事に同意すると思っていた。



「二人が結婚する事?むしろ、割と昔からその可能性は考えてたよ?」


「「「「えっ!?」」」」



誰よりもその可能性が無いと解っていたであろう人物の口からのその発言に、一同は固まる事となった。



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