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第四話 無名の死闘

やっと戦闘回です。

サブタイトルは、後で変える可能性大です。


2021/4/9:ピーキットの死体の扱いについての描写を追加しました。


2021/4/20:ペルシオとピーキットの会話を大幅に変更しました。初対面同士の会話として不自然だったので、修正いたしました。

 俺は〔空間歪曲(ワープ)〕で攫った敵の姿を確認する。


 頭から生えた一対の角、長く伸び、刃物のように鋭い爪、細身でありながら筋肉質なその体。目は怪しく光り、その姿は聖書に登場する悪魔にも似る。


 俺は〔慧眼〕を使用し、念のため相手のステータスを覗いた。

――――――――――――――――――――――――

名前:ピーキット

種族:下級魔人(レッサーデーモン)♂ Lv:42

職業:魔王直属隠密部隊員

適正職:暗殺者Lv:3(斥候Lv:23)

体力:823/823 魔力:2550/2580

攻撃力:316

魔法攻撃力:513

防御力:234

魔法防御力:198

素早さ:371

器用さ:376

スキル:〔短剣術〕Lv:8 〔隠密〕Lv:8(〔忍び歩き〕Lv:18) 〔秘匿〕Lv:5(〔隠蔽〕Lv:15) 〔魔力操作〕Lv:4 〔罠察知〕Lv:8 〔爪術〕Lv:14

魔法:〔(フレイム)

――――――――――――――――――――――――

 やはりか。間違いない。


「何故、魔族がここにいる……!」


 下級魔人(レッサーデーモン)とは、魔族と分類される種族の1つだ。魔族は隣の島国からこの大陸へ侵攻している。


 現在、東西南北それぞれの大陸の端が魔族に占領されており、「四天王」と呼ばれる強力な魔族がこれを統治している。この大陸には「『勇者』として生まれた人が、その他稀有な才能を持つ仲間と共に魔王を打ち破る」という主旨の伝説がある。それを基に、大陸側の人らは勇者を魔王にけしかける、という計画を立てているのが現状だ。


「へへっ、テメェの勇敢さに敬意を表して、この俺様が、冥土の土産に教えてやるよ」

「勇者共を殺せ、という魔王様からの直々の御命令を受けたんだよぉ! 俺様は、先日呼ばれてこの依頼を受けたんだ! 御命令を拝聴した時は、そりゃあもううれしかったぜぇ! 実力不足だなんだと言われ蔑まれてきたが、ついに俺様は認められたんだ……!」


 成程、理由こそ違えど……

「お前も俺と同類か……」

「何?」

「周囲から散々蔑まれて来た適正職、『邪法使い』というものを聞いた事はあるか……」

「……! ……テメェ、よく見りゃ『邪法使いのペルシオ』じゃねえか……」


 「邪法使いのペルシオ」の名は、大陸の外にも知られているらしい。しかし、やけに気付くのが速い。名と共に容姿まで伝わっているのだろうか。


「初めての同胞が得られそうだが、生憎と俺とお前は敵同士。殺し合うことになる。……生まれ変わったら、優しい奴らと巡りあえると良いな。ソイツが居るだけで生きる意味が生まれる」


 彼が魔族でなければ、どれ程嬉しかった事か。彼が勇者一行の暗殺を目論む立場に無ければ、どれ程嬉しかった事か。


「そういう奴がいれば、大分変わったのか……。まぁ、ここで死ぬつもりなど毛頭ねぇがな!」

 そう言って、ピーキットは俺に向かって走り出した。


 短剣を取り出して、相手の右肩を狙って振り下ろす。軽めに振って、相手の出方を見たい。


 流石魔族、ピーキットはそれに反応し、右手で俺の手首を殴り、短剣の軌道をそらすと同時に左手の爪を心臓に向かって突き出す。


 素早さ371の攻撃は大分速いが、怪人(ミュータント)の動体視力ならギリギリ目で追える。半身になってそれを避け、そのまま左手で彼の手首を掴む。


 身体をぐるりと回し、一本背負投の要領で投げ、地面に叩きつけようとする。


 彼は投げられる瞬間、地面を蹴ってあえて加速、空中で一回転して何とか足から着地する。途中で手を放さなければこちらが地面に叩きつけられているところだった。


 といっても俺は現在空中に投げ出されてしまっている。


「隙ありぃ!」

 がら空きの横腹を爪で引き裂かれる。血肉の破片が飛び散るのが見えた。


 内臓に当たらなくて良かった。


 体力:326/326 → 200/326


 たったの一撃で体力の4割が……、中々の重傷だ。


 無理な体勢で大振りの攻撃を放ったためか、今度は逆に彼に隙が生まれた。


「……〔魔纏〕……」

 すぐに立ち上がって短剣に魔力をまとわせ、連撃を叩き込む。動く度激痛が走るが、気にしない。


 魔力:1550/2190 → 1510/2190(邪法の使用で魔力を既に消費している)


 彼はバックステップで10メートルほど距離を取ると、

 「燃えろっ!」

 彼は右手を前に出し、そこから火の弾を放った。避けようと横に動くが、火の弾は俺に合わせて動いた。


 作戦を切り替え、〔空間歪曲(ワープ)〕を使って空間を裂いて瞬間移動しては、飛ぶ魔力の塊の刃である〔幻斬(ファントムエッジ)〕を放つのを3回繰り返す。


 魔力:1510/2190 → 760/2190


 彼は難無く〔幻斬(ファントムエッジ)〕を避け、右手から追尾、直進、浮遊等様々な特性を持つ火球を生み出して反撃してくる。一見俺の行動が無駄に思えるが、それは間違いなく俺に利をもたらした。


 後ろから炎の塊がついて来ていて落ち着けたものではないが、彼の回避の癖が分かった。



 彼は、必ずこちらから見て左に避ける。癖が分かれば、こちらのものだ。



 俺はさっきと同じように〔空間歪曲(ワープ)〕の後に〔幻斬(ファントムエッジ)〕を打つ。


 今回は〔幻斬(ファントムエッジ)〕を追加でもう1つ、行動を固定するため右側に。


 そして左側に〔急襲の炎(トリックフレア)〕を放つ。見えづらい、着弾後爆発する礫を放つ邪法だ。


 彼は予測通り〔幻斬(ファントムエッジ)〕を左に避け、まんまと〔急襲の炎(トリックフレア)〕に当たった。


 追撃として〔幻斬(ファントムエッジ)〕を2発連続で打ち、その後を追いかけるように突っ込む。


 〔急襲の炎(トリックフレア)〕の爆発による煙のなかからうっすら見える、人影を蜂の巣にするつもりで〔魔纏〕により魔力を纏わせた短剣を突き刺す。


 5回ほど突いたが、6回目は短剣を爪で受け止められ、同時に背後にジリジリと焼けるような熱を感じる。


 咄嗟に俺は空間を裂いて〔空間歪曲(ワープ)〕を使い、火の弾と挟む形になるよう、彼の背後に移動する。


 直撃は避けたものの、彼に着弾した魔法の爆風に押され、俺は大きくよろめいた。


 振り向くと、煙は晴れており、彼はボロボロになり、炎上していた。



 しかし、その瞳は鋭い光を失ってはいなかった。


 彼は俺の腹に爪を突き立て、勢いよく縦に切り裂く。


 魔力:760/2190 → 35/2190 体力:260/326 → 30/326(〔再生〕で少し回復している)


彼は身体の各部から、俺は腹部から胸部にかけて血を噴き出し、同時に倒れた。


「クソッ……」


「……ピーキット、お前の……来世に、幸の……多からん……事を……」

 このような事しか彼には言えない。ただ、何か彼に言ってやりたかった。せめてもの手向け、だ。


 ピーキットはその言葉に顔を上げた。

「『ライセ』? ハハッ……何だよ、それ……」


 しまった、「来世」は仏教用語だったか。どう説明したものだろうか?


「……死んで、生まれ変わった先の事だ」

「そうか。ライセ、ライセか……」

そういって彼は沈黙し、冷たくなった。「生まれ変わり」は通じたか……


<経験値を入手しました>

<Lvが上がりました>

<適正職のLvが上がりました>

<新スキルを習得しました>

<スキルのLvが上がりました>


 ……初めて見つけた同類が魔族とはな……


 体力については、〔再生〕により自然回復するし、魔力も自然回復するので放っておいて構わない。魔力ポーションを持たなかったのは、失敗だったか……、いや、持っていたとしても、飲む暇は無かっただろう。


 2人の血が飛び散った跡は、地面を彼岸花のように紅く染めていた。彼の死体は、ここに埋めていくとしよう。彼の死に顔からは、強い負の感情を感じない。屍人(アンデッド)にはならないだろう。


 彼の死体を埋めた。両の手の平を合わせてから、その場を後にする。確か、「合掌」と呼ぶのだったか。


 ……貴重なものを、取りこぼした気分だ。



 〔再生〕で塞がりつつある傷を庇いながら、勇者一行の後を追いかける。

「……〔ステー …… タス〕……」

――――――――――――――――――――――――

名前:ペルシオ 

種族:怪人(ミュータント)♂(通常、人間(ヒューマン)♂と誤認されます) Lv:23 → 36

職業:冒険者 ランク:C

適正職:密偵Lv:1 → 2(斥候Lv:11 → 12) 邪法使いLv:3 → 4

体力:10/326 → 14/456 魔力:75/2190 → 112/3270

攻撃力:135 → 265

魔法攻撃力:617 → 773

防御力:102 → 167

魔法防御力:128 → 232

素早さ:178 → 334

器用さ:178 → 334

スキル:〔慧眼〕Lv:5 〔短剣術〕Lv:5 → 6 〔魔纏〕Lv:1(MAX) 〔隠密〕Lv:1(〔忍び歩き〕Lv:11) 〔隠蔽〕Lv:5 〔魔力操作〕Lv:5 〔魔力食〕Lv:1(MAX) 〔不休体質〕Lv:1(MAX) 〔再生〕Lv:2 → 4 〔制限解除〕Lv:1(NEW) 〔罠察知〕Lv:6

魔法:〔虚構(フィクション)〕 〔変身(シェイプシフト)〕 〔幻斬(ファントムエッジ)〕 〔急襲の炎(トリックフレア)〕 〔空間歪曲(ワープ)〕 〔死霊使役(ネクロマンシー)〕 〔精神攻撃(マインドショック)〕 〔探査(ソナー)

――――――――――――――――――――――――

 凄い上がり幅だ。これならピーキットより強い敵が現れてもある程度戦える。


 魔王直属隠密部隊……これから何度も戦い続けることになるだろう。


 それにしても、出発直後の勇者一行に魔族をけしかけるとは、本気で魔王は勇者一行を殺しに来ているらしい。今後はより一層異常事態を警戒すべきだ。



 大分勇者一行と離れてしまった、彼女たちは今何処に?


 ……あぁ、居た、居た。まだオプロト大森林から出ていないようだ。追いかけよう。新しく習得が可能になった邪法について確認しながら行くとしよう。


 デピス王国ならルイード教徒の数も減る、大分動きやすくなるはずだ。

戦闘の描写をする際は、段落と段落の間をなくしています。


消費魔力について:

〔虚構〕...70

〔探査〕...30

〔空間歪曲〕...200

〔幻斬〕...50

〔急襲の炎〕...85

〔魔纏〕...40


4/30 ペルシオのステータスに新スキル〔魔纏〕を追加しました。 これについての説明は第十二話の後書きにてしております

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