カメのぬいぐるみ
【38】
らいとは海の生き物が大好きで、教育番組の『あにまるきゅー』という番組をよく観ていた。
いつだったか、水族館に連れていった時、ペンギンが泳ぐのを観ていたら「ペンギンはねー、泳いでるんじゃなくて水の中を飛んでるんだよ。だって鳥だもん」と、テレビの知識をどんどん披露する。
らいとの解説付きの水族館はとても楽しく、そうなんだーと思うことがたくさんある。何気に近くにいる人たちも、らいとの解説を聞きながら、ふむふむ、と頷く。
──本当に海の動物好きなんだな~、飼育係とかになればいいのに。
「らいとおっきくなったら、飼育員さんになれば?」
「やだ」
──被せてきた。。やっぱりね。
「なんで?毎日動物観れるよ?」
「違うんだよな~、動物は好きだけど、お世話するのは何か違う」
「まぁなんかわかるけどね。」
「うん。」
一通り観て、最後のおみやげコーナーに着くと
イルカとカメのぬいぐるみを欲しそうに見ている。
その他には水時計など。
順番はどうだったか記憶が定かではないが、水族館に何度か通い、欲しかった物をコンプリートする。
ぬいぐるみとペンギンのお手玉と、水時計。
らいとはカメのぬいぐるみ、
こーやはイルカのぬいぐるみ。
ふたりでぬいぐるみを抱えて歩く姿は、海をバックに絵になるというか、本当に可愛い。どれくらい可愛いかというと…
──超かわいい。
完全に親バカ丸出しである。
その後、らいとが寝っ転がってカメをお腹に乗せていることがよくあった。
よっぽどかわいいんだな、と思っていたが、実はお腹が痛かったんだということが判明した。
そいえばらいとはお腹弱いんだよな。。
夜中にお腹の痛みで唸っていて、夜間診療に連れていったことがある。盲腸かも知れない、と思ってしまったのだ。診察してもらって、なんてことはない、ただの便秘だった。
定期的に腹痛を起こすので、その度にカメをお腹に乗せると、痛みが和らぐという、ある意味手当てと同じ役割をカメは果たしてくれてたんだなーと思う。
今おうちに置いてあるカメを見ると、今頃らいとはお腹いたくしてないかな、大丈夫かな、といくつになっても心配してしまう。
どうかお腹が痛くなっていませんように。




