手紙
【13】
らいとはすくすく育ち、1歳1ヶ月で歩けるようになった。
くまちゃんの手押し車を押しながら、実家に45分くらいかけて歩いて行ったり、途中ありんこの観察を始めたり、飛行機を見上げたり。
(米軍の飛行場が近くにあるため、着陸態勢の大きな飛行機を見ることが出来た。)
そして、他にもおもちゃが増えた。
おもちゃやさんに行くと欲しがるものは知育玩具。
あいうえお50音のボードで「あ」のところを押すと『あ』と発音してくれるものだ。他にもパズルや積み木、ちょっと頭を使うのが好きみたい。
あいうえおボードは気がつくとずーっと押してて、お山の汽車ぽっぽのように1つのことを飽きもせず、長時間遊ぶ。
そいえば、赤ちゃんの時から絵本も好きだったもんな。
今も赤ちゃんだけど。
ごはんも食べ終わり、後片付けをしていると、
『ま』『ま』と聞こえてくる。
──ん?
らいとの隣に座り
「らいと今『まま』って押したの?」
「んー。まんま、まま」
「すごいね。ままってわかったの」
「んー。まま、まま」と言って「ま」をたくさん押してくれた。
もはやもう、「まま」ではない。
初めはまぐれなのかと思い、ただ場所を覚えているだけなのかと思っていた。
なんとなく、らいとに質問してみた。
「らいとー。もう一回ままって押してみて」
『ま』『ま』
「お~♪、じゃ、『あんまん』は?」
『あ』『ん』『ま』『ん』
「え?嘘でしょ? らいとわかるの?『わんわん』は?」
『わ』『ん』『わ』『ん』
お~!!マジか。
ちょっとすごくない?
すごすぎて、らいとの頭を「うざっ」と思うくらい撫で回していた。
撫ですぎて、髪の毛に静電気が起きる。スーパーなんとか人のように髪の毛が逆立つ。
「あ。ごめん。」
ほんとに子供ってすごいな。
──らいと1歳9ヶ月、ほぼ単語を発話出来るようになった。
その2ヶ月後には、簡単な会話が出来るようになるが
ただひとつ言えない言葉。それは「らいと」だった。
どうしても「ら」が言えないようだ。
どうしたもんかと考える。
あ。
「らいとー。『ぼく』って言える?」
「ぼく」
「!!!そうそう!ぼく。」
「ぼく」
なんてかわいいんだ♪ぼくだって
「これかららいとのこと『ぼく』って言っていいからね」
「うん」
そして、「ぼく」が同じマンション内のお友達の中でも浸透し、インターホンで相手が出た時、らいとが「ぼくだよー」「あ。らいとくん?ちょっと待ってね」と通じるようになっていた。おもしろい。
──もうすぐ2歳。
らいとの誕生日が近づくことをマンション内のママ友2人に話すと
「そっかー。おめでとうだね♪」
「らいとくんも3歳かぁー」
「??? 違う違う、2歳だよ?」
「「え~!!」」
「え?」
「おっきいし3歳になるのかと思ってた!」
「だって、普通に会話してるよね?」
「うん。会話するけど。。しないの?」
「一歳なんてまだ話せないよ!」
「あ。そうなんだ、普通なのかと思ってた」
「いやいや早いよ!すごいねーらいとくん!」
知らんかった。
そういうもんかと思ってた。
なんだ?頭いいのか?いやいや私の子供だし、そんなわけがない。
でも誉められて親としても気分がいい。
──ある日定期的な頭痛でちょっと横になっていた時
らいとは静かに遊んでいる。
あ!らいと、ごめん、と思いながら枕元を見てみるとメモ帳を破った1枚の紙が置いてあった。ん?と思い手に取ってみると「ままげんきになったらあそぼうね」と...。
泣ける。
ちゃんと一行の枠から、はみ出さないように、丁寧に書いてある。
しかも上手!私が教えた訳でもないのに、きっとあいうえおボードで覚えちゃったんだなー。
「らいと」
「ママ大丈夫?」
「大丈夫だよ。ごめんね。」
「いいよいいよ」
「らいとからお手紙貰ったから元気になっちゃったよ♪」
「よかったー」
らいとを抱っこしながら頭をなでなでした。
優しい子に育って、本当に嬉しい。
自分の子供ってこんなに愛おしいんだな。
ママになってよかった♪




