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私の大切なたからもの  作者: 黒猫マグカップ
1/40

誕生

【1】



9月4日


しとしとと小雨が降る朝──

こんな日は山に行って、葉っぱに雨が落ちる音や小鳥のさえずりを

楽しむのに、いい感じの小雨だ。



今日は私の赤ちゃんが産まれる予定の日


お腹の中で手足を動かしたり、ノビしたり。

元気に動いているが、出てくる様子はない。


「まだなのかなー。予定では今日だよ?早く出ておいでー」


「...。」


赤ちゃんの動きが止まる。

聞こえてるのかな?


──しばらくするとまた動き出す。


「おーい、出ておいで」


その時、何かを感じた。。

あ。

もしかしたら...?


陣痛も何もなかったけど、さっきの勘を信じて

私は母に連れられて、病院へ向かった。





病院に着いて、間もなく陣痛が始まった。

すごい!さっきの勘は当たってたんだ。


勘なのか、この子からのテレパシーなのか...


お腹は痛いが、もうすぐこの子に会える。

名前は何にしようかな。

絶対にかわいい服着せよう。

頭はいいかな?

──あ。私の子だからそれはムリか(笑)


色々考えながら痛みに耐える。

定期的な痛みが収まると、母と一緒に笑う。

楽しいひとときだ。


その時、急に下腹部に違和感を感じる。

あれ?なんか変だな。


「お母さん、トイレ行きたいかも...」

「行ってくる?大丈夫?」

「うん。」


よいしょ。

...。

──立ち上がった瞬間



ジャバー!!!!


「...え?」

漏らしちゃったの?あれ?ちがう!


破水...!?


母が慌ててナースコールを押す。

先生も慌てて来て、聴診器をお腹に当てた。

先生の顔色が変わり、看護士さんに指示をする。

「車椅子持ってきて!早く!!」

「はい!!」

「分娩台空けて!」

「はい!」


お腹の中の赤ちゃん、危険な状態?


「なんで...?さっきまで大丈夫だったのに...」


気持ちばかり、焦ってしまう。

どうしよう、どうしよう、

ちゃんと産まれて来なかったら...!



分娩室に運ばれ背中に麻酔を射たれ、すぐに帝王切開

赤ちゃんが取り出されたのは感触でわかった。


あんなに大きかったお腹が萎んでいく。

「よかった!産まれた!

...?...あれ?」



泣き声が聞こえない。。



なんで?なんで?どうして?

看護士さんの手を掴んだり、

わめいたり、混乱が続く。



泣かない...



私が立ったのがいけないんだ。

だから破水して...大人しく寝てればよかった。

どうしよう、どうしよう、どうしよう!



どうしたら。。




「ほんげ、ほんげ......ほんぎゃ~!」




「...あ。」

涙がながれる


「よかった...」



「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」





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