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第2325話 喫茶店経営

今日は客として緑風に来ている麻美。

 ☆麻美視点☆


 1月19日の木曜日ー。

 今日はバレーボールの試合ー。

 が、終わってもう帰って来たー!

 その足で緑風へ寄っているー!

 あ、今日は客としてー。


「麻美ちゃんいらっしゃい」

「なはは。 夕也兄ぃはー?」

「中に居ますよ。 最近は皿洗いに目覚めたみたいですね」

「出来るようになったからでしょ。 バカの一つ覚えなのよ」

「お姉ちゃん辛辣ー」

「で、あんた注文は? それと、気配消して入って来た亜美はいつもので良い?」

「良いよ」

「のわーっ?! 亜美姉と美夕ちゃんいつの間に来たのかー?!」

「麻美ちゃんの後ろにいたよ? 気付かなかった?」


 亜美姉はすぐそういう事するー。

 

「よいしょ。 美夕ちゃんおベビーカーに寝かせてパフェを待つのみだよ」

「なはは。 私はホットココアとパンケーキよろしくー」

「はいはい」


 お客さんとしてやって来るとこれまた新鮮ー。

 頑張って働いているお姉ちゃんや夕也兄ぃを横目に、優雅にココアを飲みながらパンケーキをいただくー。

 何という愉悦ー!


「そういえば三浦さんの彼氏さん、明後日にこの店に来るんだっけ?」

「そうー」

「時間とかはわかってるの?」

「お昼過ぎって言ってたー」

「らじゃだよ。 お昼前に私も来るよ」

「なはは」


 何故亜美姉が来るのかは知らないけど、とりあえず三浦さんの事は応援しているらしい。

 そもそも人の色恋話に首を突っ込むのが好きなだけという説もー。


「フルーツパフェとホットココアとパンケーキをお持ちしました」

「あ、三浦さんちょうど良いところに来たよ」

「はい? あ、美夕ちゃんーいないなばあー」


 美夕ちゃんのベビーカーを覗き込む三浦さんに、亜美姉が話しかけている。


「喫茶店の経営をするにあたって、どれくらい準備が進んでるの?」

「そうですねー。 食品衛生管理者の資格はマストなのでもう取得済みです。 あと、今は調理師の勉強と、店長から経営について色々と教えてもらっています。 あ、バリスタと栄養士、製菓衛生士の資格なんかも既に」

「結構準備は進んでるんだねぇ。 結構前から喫茶店やるのは決めてたの?」

「はい」

「なはは。 凄いー」

「後残っているのは?」

「お店そのものとか、申請関係諸々ですね。 あとは、彼に説明も」

「なるほどなるほど。 お店に関しては私と奈央ちゃん……西條グループが力になれるよ。 実は隣町に新しいカフェを作る予定があるんだよ」

「ほ、本当ですか?」

「うん。 まだ建設中だけど、今年中に完成するんだよ。 店長募集はまだだけど良かったらどうかな?」

「い、良いんですか?!」

「奈央ちゃん……オーナーにも聞いてみないとだけど、多分大丈夫だよ」

「お、おー……」


 さ、さすがは亜美姉ー。

 私達とは違う形で協力出来る凄い人だー。

 色恋話に顔を突っ込みたいだけでは無いらしいー。


「えっとつまり、私も西條グループの一員になると?」

「そだねぇ。 奈央ちゃんの会社、西條ホールディングスの子会社になるね」

「ひ、ひぇ」

「あはは。 大丈夫大丈夫。 やる事はここと変わらないよ」

「ほ、本当ですか?」

「うん。 ちょっと広いだけだよ」

「完成したら下見に行けば良いー!」

「まだまだ先の話だよ多分7月とかかな」

「な、なるほど」

「ま、その前に彼氏さんに話して理解を得ることが出来ないとでしょ」


 お姉ちゃんが隣のテーブルを拭きながら話に加わってくる。


「実際どうなの? 彼って三浦さんのやりたい事とかに反対するタイプなの?」

「うーん。 そんな事は無いとは思うんですけど、事が事なだけにどうかと」

「まあ、喫茶店の経営となると一筋縄で行かないからねぇ。 難色を示される可能性もあるよね」

「はい」

「むむー」

「とはいえ、バックについてるのは私達西條グループだし、しっかりバックアップするから安心安全だよ」

「さ、西條グループのバックアップ……何か凄そう」

「なはは。 凄いと思われー」


 亜美姉と西條先輩がバックにつけば大体の事は何とかなるだろー。

 こうなると私達が出来る事って何があるのだろーか?


「勝負は土曜日という事ね」

「そこまで大それたものでは……」

「ちなみにだよ。 反対された場合はどうするの? 喫茶店を諦めるとか」

「いえ。 反対されても喫茶店はやりますよ!」

「じゃあ、彼と別れるってこと?」

「最悪はそうなるかと」

「むむー。 何としても説得せねばー」

「そうね」

「うむだよ」

「何か皆熱くなってるねー」

「あ、名塚先輩」

「そろそろ学生さんが来る時間帯だから、忙しくなるよー」

「あ、はい! それでは、お2人はごゆっくり! 美夕ちゃんまたねー」

「あーい」



 ◆◇◆◇◆◇



 緑風から戻って来て「皆の家」へとやって来た私と亜美姉ーと美夕ちゃんー。

 早速喫茶店の話をば西條先輩にする事にー。


「隣町に建設中の喫茶店の店長候補? 三浦さんって、緑風のバイトの人よね?」

「うむだよ。 喫茶店経営をしたいらしくてね。 ちょうど喫茶店を建設中だったのを思い出してね」

「ふむ。 夏頃に完成ですわよね? まあ、どうせ店長募集はするつもりだったし、簡単に見つかるならそれはそれで良いですわよ」

「じゃあ、店長問題は三浦さんに決まりで大丈夫だね」

「まあ、その前に軽く研修してもらいますけど」

「なはは。 結構しっかりやるんですねー」

「もちろんですわ。 西條グループの店を任せる以上は、しっかりとした方にお任せしなくては」

「大丈夫だと思うけどねぇ」


 今日聞いた話だと、かなりしっかりと準備している様子ー。

 経営についても店長さんに色々と教わっているみたいだし、亜美姉は大丈夫だろうとの事ー。


「今度お話ししてみましょ。 土曜日にでも緑風に顔を出して……」

「あ、土曜日は三浦さんはちょっとー」

「あら、お休み?」

「んにゃー。 別の大事なお客さんが来る予定なのでー」

「あら、そうなの? それでは日曜日にしましょ」

「なはは。 フレキシブルー」

「別に慌ててはいませんもの。 夏までに三浦さんとお話して見定められれば良いので」

「じゃあ、日曜日に緑風に行くってスケジュール入れとくよ」

「お願いしますわよー」


 どうやらちゃんと「お仕事」として三浦さんに会うようですー。

 しっかりしてるー。



 ◆◇◆◇◆◇



「日曜日に奈央が三浦さんに会いに?」

「うむー」


 今日は自宅へ戻り、夕飯は今井家に集まって食べている。

 話題はもちろん、三浦さん関連ー。


「奈央も三浦さんの事は知ってるわよね?」

「んむんむ。 もちろんただ会いに行くわけじゃないよ。 ちゃんとオーナーとして、店長候補の三浦さんを見定める為にだよ」

「そこはちゃんとしてるのね」

「奈央ちゃんも西條グループ次期総帥だからな」

「そうだよ。 経営だとかそういう事に関してはちゃんと考えを持ってやってるんだよ」


 普段はそんな風に見えないけど、ちゃんと日本の最大グループの次期総帥としての顔もある事を再認識するのだったー。

何とか三浦さんの彼氏に理解してもらおう。


「希望です。 経営って難しいんじゃ?」

「まあ、難しいだろうねぇ」

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