第2321話 スパで息抜き
2日目は午前からスパ施設で息抜き。
☆亜美視点☆
息抜き旅行2日目は、下呂温泉街にある西條グループのスパ施設で、更なる息抜きをするよ。
奈々ちゃんは朝からハイテンションである。
ペットも可という事なので、マロン達も一緒に堪能するよ。
「到着ですわよー」
「おー、相変わらず広そうね」
「まあ、この辺りの温泉施設では一番広いですわよ」
「そうだろうなあ……」
そもそも駐車場からしてかなり広いのだ。
収容人数は一体何人になるやら。
「さて、それでは入りますか。 まずは玄関で履き物履き替えますわよー」
建物の中に入り、まずは靴を履き替えるよ。
その後、フロントで更衣ロッカーの鍵と、入浴セットを受け取る。
西條グループの施設なので、西條グループプラチナカードを使う事も出来るけど、今回はそこまでせず普通に楽しむ事にしたよ。
「では、ここからは自由行動としましょうか」
「らじゃだよ」
「亜美! まずは普通に温泉に浸かりに行くわよ!」
「うわわーっ?! だから引っ張らないでよぉぉぉ!」
「なはは! 私もついてくー!」
温泉を目の前にしてテンションの上がった奈々ちゃん、そして麻美ちゃんと共にまずは大浴場へと向かう。
ちなみに、後から奈央ちゃん達もついて来たので自由行動なのに全員集合である。
「はあー生き返るわー」
「今回の旅行ではいつに無く年寄り臭いねぇ」
「出産やら育児やらで何だかんだ疲れてたのよ」
「息抜き旅行は正解でしたわねー」
「きゃはー」
「私もついて来て良かったわ。 うわはは」
「そういえば、可憐ちゃんはどう? 相変わらずイヤイヤ期で大変?」
「大変大変ー。 よく我儘言って泣いてるわ」
「イヤイヤ期って何だい?」
と、ここで遥ちゃんが首を傾げる。
どうやら知らないらしいので、私が簡単に説明するよ。
「大体一歳後半ぐらいから、赤ちゃんに自我が芽生えてきて『自分でやりたい!』『これはイヤ!』って、色々と我儘言ったりする時期の事だよ。 可憐ちゃんは今まさにイヤイヤ期真っ只中なんだよ」
「そうなのか。 結構言う事聞いてるように見えてたけどなあ」
「何か、他人の前だと澄ましてるのよ」
「外面が良いんですのね……」
「きゃはは。 どんな幼児よ」
「うわはは」
私の中では可憐ちゃんは「とても賢い子なのではないか?」という、ちょっとした推測がある。
言葉を覚える速度とか、外面の良いところとかはそこから来ているのではないだろうか?
「皆もすぐに体験することになるわよ、イヤイヤ期」
「今から覚悟しとかないとねぇ」
「うちなんて双子なんだけど。 イヤイヤイヤイヤ期なんだけどー」
「なはは」
「紗希は大変そうね……」
「耐えられるかしら……」
「頑張るのよ、紗希っち!」
「そ、そうね」
もちろん、私達も頑張らないといけないのである。
◆◇◆◇◆◇
ゆっくり温泉に浸かった後は、分かれて自由行動になる。
私は相変わらず奈々ちゃんに連れ回されているよ。
「打たせ湯も悪くないわねー」
「だねぇ」
「なははー」
私達は3人で打たせ湯へとやって来たよ。
私は最近肩が凝るから肩に打たせ湯を当ててるよ。
「はあー解れるわねー」
「年寄り奈々ちゃんが止まらないね」
「麻美は頭にでも当ててなさいよ」
「何でなのかー!? 頭は別に何ともないぞー! そういうのは宏太兄ぃに言えー!」
「それもそうね」
ちなみに麻美ちゃんは首に当たっている。
どうやら首が凝るらしい。
奈々ちゃんは私と同じく肩だねぇ。
「奈々ちゃんは温泉に浸かるの以外は好きなの?」
「打たせ湯も岩盤浴もサウナも全部好きよ?」
「なはは。 好き嫌い無しー」
「無いわよ」
何というか、奈々ちゃんの温泉好きもここまで来ると頭が下がるねぇ。
「温泉狂いだよ」
「パフェ狂いの亜美には言われたくないわね」
「パフェは世界を救うんだよ」
「なはは。 似た者同士ー」
「温泉とパフェは全然違うわよ?」
「そうだよ」
「好きな物に対する熱量が似てるー」
「それは皆そうじゃない?」
「麻美ちゃんだって、御朱印巡りの熱量とか凄いじゃん」
「確かにー! 皆似た者同士ー!」
「まあそうね」
ちなみに麻美ちゃんは、御朱印巡りよりゲームの熱量の方が高いらしい。
「奈々ちゃんはゲームやんないの?」
「見てても意味がわからないのよ。 亜美も希望もよくやれるわよね?」
「私と希望ちゃんも、最初はよくわからなかったけど、麻美ちゃんに教えてもらいながらやってる内に覚えたよ。 意外と簡単なんだよ」
「なはは。 亜美姉と希望姉はすぐに出来るようになったー。 夕也兄ぃの方が下手くそー」
「そ、そうなのね。 でもまあ、私はやっぱりやらないわ」
「残念ー」
麻美ちゃんは、姉の奈々ちゃんともゲームしてみたいと思ってはいるようだ。
まあ、奈々ちゃんは「ゲーム」ってタイプじゃないからねぇ。
「さ、次は岩盤浴行きましょ」
「うん」
「うん、良いよ」
「イクゾー」
私と麻美ちゃんも、奈々ちゃんのハイテンションに何とかついていくよ。
奈々ちゃんはというと、凄い勢いで更衣室へと歩いていく。
いやいや、凄いねぇ。
次は岩盤浴へ向かうよ。
岩盤浴はこのスパに入った時にフロントで予約する方式である。
決められた時間に岩盤浴場のフロントに、更衣ロッカーの鍵に付いているバーコードを見せる事でチェックイン可能となっているよ。
ピッ……
「365番の予約の確認が取れました。 どうぞ」
「うむだよ」
「何か刑務所の囚人みたいね」
「なはは。 365番! きびきび歩けー!」
「何かやだねぇ……」
とりあえず岩盤浴場に入室して、専用の湯着に着替えて岩盤浴を開始する。
「はあ、もう最高の気分だわ。 身体がホカホカするわね」
「だねぇ……気持ち良すぎてこのまま寝ちゃいそうだよ……」
「なはは、45分しか無いから仮眠にもならないー」
「90分コースにすれば良かったねぇ……」
「ダメよ。 この後はサウナ行って泥パックに全身マッサージの予約もあるんだから。 時間が足りないわ」
「予定詰め過ぎだよ……」
奈々ちゃんは温泉施設に来ると、全てのアクティビティを制覇しないと気が済まない性格なのである。
「はあ……温泉に住みたいわね……」
「なはは。 温泉旅館の女将さんとか目指すー?」
「……ありね」
「ええ?」
「冗談のつもりだったのにー」
「いやいや、本当にありなのよね。 バレーボール引退した後とか」
「でも、私達の住んでる街の近くに温泉旅館は無いよ?」
「そうなのよねー」
奈々ちゃんはちょっと真剣に考えているようだ。
もし奈々ちゃんが本気で旅館の女将さんを目指すというなら、西條グループの近場の旅館で女将候補募集している所を紹介する事も出来なくはないけどねぇ。
「例えばさ、こういうスパ施設の経営とかは?」
「ありね!」
お風呂が絡めばとりあえず何でもありなようである。
ふむ、これはちょっと奈央ちゃんに話をしてみても良いかもしれないね。
奈々美の新しい可能性?
「遥だ。 温泉最高だな!」
「そうね!」




