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第2250話 くぅのお見合い

こちらはペットショップへ向かう麻美とくぅ。

 ☆麻美視点☆


 10月5日の火曜日ー。 くぅ達を連れて「皆の家」に来た私達。 宏太兄ぃが居たのでついでにくぅ達の健康チェックをしてもらっていたところー。


「おん? くぅ、ちょっと待て」

「わふっ!」

「宏太兄ぃ、くぅ何処か悪いのー?」

「くぅ、発情適正期に入ってるじゃないか」

「なぬー?!」


 と、くぅが発情期に入ったらしいー。 一週間ぐらいは続くらしいので、急いで林さんに連絡を取った。 林さんと、林さんの家のリッキー君はいつでも大丈夫だというので、すぐに私の車でペットショップへ向かう事になったのだー。



 ◆◇◆◇◆◇



 ブロロロ……


「急ですいませんー」

「いえいえ。 ずっと待っていましたので思ったより早くて良かったです」

「私、全然気付かなくて、さっき宏太兄ぃが気付いてくれたんですー」

「うむ」

「ペットショップ店員さんなんですよね?」

「うむっ!」


 宏太兄ぃは腕を組み、偉そうな顔をしながら大きく首を立てに振る。 そこまで偉そうにするような事でも無いのだがー。


「凄いですね。 やっぱり色々な動物に詳しくないと出来ないですよね?」

「うむっっ!」

「わふっっ!」


 何かくぅも真似してるー。 キャリーバックの中でお座りしながら、首を縦に振っているようだ。


「もうすぐ着きますー」

「うむぅっっ!」


 宏太兄ぃ、バカになってしまったかー? いや、元からかー。


 ブロロロ……



 ◆◇◆◇◆◇



 宏太兄ぃと前田さんが働いているペットショップへ到着した私達は、宏太兄ぃに案内をしてもらいペットお見合いコーナーの受付へ。 くぅとリッキーのお見合い同意書に記入し、二匹の健康チェックを受ける。


「お、佐々木さん休みなのに仕事ー?」

「プライベートだよ。 知り合いの犬がお見合いするってんで案内してるんだ」

「佐々木さん、お知り合い多いですね。 しかも女性ばかり。 奥さんとか前田さんが怒りませんか?」

「奥さんはいつもキレてるが、前田さんは別に怒る理由無いだろ……」

「愛人じゃないんですか?」

「ちゃうわ!?」


 宏太兄ぃがお店の女性スタッフさんと何やらイチャついているー。 宏太兄ぃの癖にどうやら人気があるらしい。 イケメンではあるからなー。


「私が愛人になっちゃおうかなー?」

「君塚さん、彼氏居たんじゃないのか……」

「喧嘩別れしちゃいまして。 なのでフリーなんですよ。 愛人どうですー?」

「要らんわ?!」


 何か楽しそうにやっているようだー。 宏太兄ぃもここで働いて長いからなー。 私達以外の人との付き合いもあるのは当然かー。


「藍沢さん、林さん、くぅちゃんとリッキー君の健康チェック終わりましたので、お部屋までご案内します」

「あ、大丈夫だ。 俺が代わりに連れてくから南さんは次のお客様の対応頼むわ。 330号室だな」

「ありがとうございます佐々木さん。 ぽっ」

「何だよその『ぽっ』は……。 はあ、麻美、林さんこっちだ」

「はい」

「りょーかーい」


 宏太兄ぃ、お店の女性スタッフからモテているようだ。 まあ、見た目はイケメンだし仕事は出来るっぽいし、人当たりも良いからなー。 モテるのは当たり前かー。


「ここがお見合い部屋だ。 ここでくぅの妊娠が確認出来るまで二匹を一緒に住ませるわけだ」

「わふ」

「ふんふん」


 くぅとリッキー君は普段からとても仲が良く、散歩中に会ったらいつも一緒に遊んでいる。 多分相思相愛なのだー。


「ご飯は毎日しっかり貰えるし、部屋内は犬が快適に暮らせる環境になってる。 あそこにあるカメラで24時間様子をチェック出来るし、安心して預けてくれ」

「はい」

「うむー」


 くぅとリッキー君を部屋に放してあげると、二匹は部屋の匂いを嗅ぎ始める。 部屋内に危険が無いかをチェックしているのだろう。 しばらくそうやって部屋内を歩いていた二匹だったが、すぐに飼い主の前に戻って来た。


「今日からしばらくはこの部屋で、リッキー君と暮らすんだぞー」

「わふっ」

「私は帰るけど大丈夫かー?」

「わふ?!」


 私が帰るというと、不安そうな顔を見せる。 放って行かれると思ったのだろう。


「なはは。 毎日見に来るから安心しろー。 宏太兄ぃも見に来てくれるー」

「まあ、仕事中に時間見つけて様子は見に来てやるよ。 安心しな」

「わふん」


 私と宏太兄ぃの言葉を聞いて安心したのか、不安そうな顔はしなくなった。


「か、賢いですね、くぅちゃん」

「は、はいー」

「こいつは本当に賢い奴だな……」


 私達は少しの間だけ二匹の様子を見てから店を後にした。 無事に交尾してくれると良いけどなー。



 ◆◇◆◇◆◇



 林さんを家に送った後で「皆の家」へ戻って来た私と宏太兄ぃ。 リビングに戻って来ると、皆が「出逢い」が無いだの何だので盛り上がっていたー。


「そうだー! お姉ちゃんお姉ちゃんー」

「何よ?」

「宏太兄ぃ、お店で愛人作ってたー」

「作ってないが?!」

「滅!」

「うひっ?! な、奈々美?! お腹の子が心配だから暴れるのは止めような?!」

「ふーっ! し、仕方ないわね」

「なはは」

「でも、佐々木さんがお店の女性スタッフから人気なのは本当ですよ。 特に年下の子からはモテてます。 南さんとかはいつも『佐々木さん……ぽっ』とか言ってますよ」

「今日も言ってたー! あと、君塚って人が宏太兄ぃの愛人狙ってたー!」

「最近、彼氏さんと別れたって言ってましたしねー」

「言ってたー!」

「宏太。 あんた、職場に何をしに行ってるのかしら?」

「仕事だが?!」


 なはは。 面白くなってきたー。 宏太兄ぃをイジって遊ぶのは本当に楽しいなー。 でも、宏太兄ぃって本当にモテるんだなー。 他の人が見たら結構魅力的な男なんだろうなー。


「冴木さんとか天堂さから見て、宏太兄ぃはどうー?」

「佐々木先輩ですか? うーん、やっぱり素敵な人だと思いますよ? 楽しい人だし、人当たりは良いし、お仕事も頑張ってらっしゃいますし」

「実際アリですね。 藍沢先輩が居なかったらアタックしていたかもしれません」


 と、二人からもかなりの好印象な宏太兄ぃ。 星野さんに至っては、お姉ちゃんが居なかったら恋愛対象になっていたかもというレベルらしー。


「あんた、何でそんなモテるわけ? ただのバカでしょ?」

「ふん。 見る目がある女性には、俺は最高の男なんだよ。 お前らにゃわからんだろうがな! ふはははは!」

「きゃはは!」

「私達からの扱いは散々なのに、不思議ですわね」

「私達がおかしいのかなあ?」

「いや、おかしくない。 佐々木はただのバカで間違いないからな」

「そうよ」


 と、仲の良い友人からの扱いは「バカ」の一言で終わってしまう宏太兄ぃであった。


 ちなみに夕也兄ぃもモテるのだが、やはり仲の良い友人からは「優しいだけのバカ」扱いであるー。 


宏太は一般的にはモテる男。


「紗希よん。 まあ、モテるのはわかるけど、いつもの佐々木君を知ってるとね」

「ちょっと減点あるよねぇ」

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