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第2199話 後輩達の恋愛事情①

冴木にもマリアについて色々訊いてみる亜美だが。

 ☆亜美視点☆


「マリアの恋愛観ですか? 終わってると思いますよ」


 夕方。 マリアちゃんの居ないタイミングを見計らって冴木さんにそれとなく聞いてみた結果がこちら。


「終わってるんだね」

「それはもう。 普通あれだけモテて告白されてたら一人ぐらいはOKしても良いと思いますよ」


 私も全員撃沈させてたんだけどねぇ。


「多分、男性を好きになった事も無いんじゃないですかね」

「それはそうだろうね」


 あの感じじゃあ、異性を好きになった経験は無さそうである。 仮にあっても小さな頃とかそんなんだろう。


「地元に仲の良かった男子とかいなかったのかな?」

「どうでしょう? 月学でも基本的には一人か、もしくは私と行動してましたし、集団で行動するにしてもバレーボール部のメンバーぐらいでしたよ。 地元でもそんな感じだったのではないでしょうか?」

「うーん」

「どうしてまた急にマリアの恋愛観について訊いてきたんですか?」

「うん? 何かお昼前に実家からお見合いの話が来たんだよ。 マリアちゃんはお見合いはしないって断ってたけど」

「またお見合いの話ですか? よく来てるみたいですよ」

「うん。 それであまりにもしつこいからって『結婚する人は自分で見つける』って言って親を黙らせたんだけど」

「なるほど……見つかるわけないですね」

「言い切るんだね」

「伊達に三年間クラスメイトで同じ部じゃないですよ。 マリアが恋愛をする日が来るとは思えません」

「うわわ」


 冴木さんはきっぱりと言い放った。 仲の良い友人から見てもマリアちゃんはそういう感じらしい。


「で、でもほら、運命の出逢い的なものがあれば。 ビビッと来るって言うし」

「清水先輩はビビッと来ましたか?」

「全然来なかったよ?!」


 あれは嘘なんだねぇ! 新発見だよ!


「ま、まあ清水先輩達の場合は産まれた時からずっと一緒なわけですから例外かもしれませんが」

「たしかに」


 そりゃ産まれてからずっと一緒ならビビッとも何も無いか。


「マリアの場合、運命の出逢いがあっても素通りしそうな気もします……」

「あー。 何かわかるよ……」


 運命の相手が目の前に居ても、無表情ですれ違ってそのままどっか行っちゃうマリアちゃんが簡単にイメージ出来るよ。


「こほん。 先程から私の話題で盛り上がっているみたいですね」

「うわわ、マリアちゃん?! いつの間に?!」

「『地元に仲の良かった男子〜』ぐらいの辺りから聴いてました」

「あ、あはは……いやね、マリアちゃんが親御さんを安心させる為とは言え、あんな事を言ったわけだし。 実際のところどうなのかなって気になって」

「今のところ恋愛に興味はありません。 大体、結婚して幸せになる事で両親が安心するかどうかわからないじゃないですか」

「いやいや、さすがに安心はするよ」

「そうですか?」


 うーん。 マリアちゃんって独特な考えを持ってる感じだねぇ。 もちろん恋愛を強制するわけじゃないけど、ちょっとぐらいは経験しても良いと思うんだけど。


「ちなみに、マリアが好きなタイプって落ち着きのある男性よね?」


 冴木さんが確認するように訊くと、マリアちゃんは「はい」と、頷く。 一応そういうのはあるんだね。 そういえば昔に訊いた時に夕ちゃん、宏ちゃん、春くんの内なら春くんだって答えてたね。


「好きなタイプがあるって事は、タイプの人が現れたら好きになるかもしれないって事だよね?」

「わからないです」

「わからないときたかあ」


 手強いねぇマリアちゃん。


「どんな時、男性を好きになるものなんでしょう?」

「中々難しい事聞くわね……」

「うーむ。 そうだねぇ。 優しくされたりとか?」

「顔が好みだったり?」

「そうなんですか? 私、優しくされても別に好きになったりしないのですが……顔の好みはよくわからないですけど」

「あ、あはは。 マリアちゃんにはきっと何か別のトリガーがあるに違いないよ」

「なるほど」


 私や冴木さんとは違うきっかけがきっとあるに違いない。 うん、きっとそうだよ。


「良い人に出逢えると良いねぇ」

「は、はい」

「はぁ」


 誰でも良いからマリアちゃんに恋を教えてあげてくれる男性来てよぉ!



 ◆◇◆◇◆◇



「なはは! マリアは特殊だからねー」

「だねぇ。 さすがにびっくりだよ」


 あそこまでとは思わなかったよ。


「まあ、本人があれで良いと思ってるわけだし、別に良いじゃありませんの」

「そうよーん。 外野があーだこーだ言っても仕方ないって」

「う、うん」


 また別の時間に麻美ちゃん、奈央ちゃん、紗希ちゃんとでマリアちゃんについてのお話をしているわけだけど、結局私達が口を出す事では無いという話になった。


「その内なるようになるわよ。 マリアにはマリアの生き方があるんだから」

「そだね」


 もしマリアちゃんが恋に悩んで相談しにでも来たら、その時には全力で協力する事にするよ。


「それより、冴木さんや星野さんはどうなのよん?」

「私達ですか?」

「いや、良い人がいたら嬉しいんですけど」

「星野さんなんて年上が良いって言ってたもんね?」

「そうですねー」

「二人は結構そういう願望ある方なんですの?」

「結婚願望とかって事ですか?」

「まあ、結婚とまではいかなくても男性と交際したいーとか」

「そりゃありますよ」

「ですです」


 結構前のめりな冴木さんと星野さん。 思いの外そういう願望があるようだ。


「二人とも、結構モテたりしなかったのん?」

「いやー。 私の場合はマリアが全部持っていきましたので」

「マリアちゃん、そんな凄かったの?」

「清水先輩達が卒業してからは特に」

「なはは。 たしかに凄かったー。 体育館にもマリア目当ての男子が一杯来てたー」

「な、なるほど」

「ちょっとぐらい私に分けてほしかったですね」

「さ、冴木さんって意外とアグレッシブなんだね」

「そうですか? 割と普通だと思いますが」

「多分マリアを見た後だからっしょ」

「あー、そうかも」


 冴木さんは「出逢いさえあれば」と、小声で呟いている。


「星野さんはいないの? 良いなあって人」

「居ないですね」

「ツーリング仲間とかはー?」

「ネットで知り合った人は皆女性ライダーなんです」

「それは残念ー」

「でも、同じ趣味の人だと良いですね」

「だね」

「あと、天堂さんは?」


 今この場に居ない天堂さんの話を振ってみる。


「天堂先輩は彼氏は居ないって言ってますが、あれは怪しいです」

「怪しいとは?」

「隠れてコソコソとお付き合いしてる人が居る気がします」

「ほう。 心当たりあるのかね?」

「クリスマスとかは遊びに行くのを断られます」

「そ、それだけではちょっと弱いかなあ」

「そ、そうですか?」

「他には?」

「最近おしゃれに気を付けるようになりましたね。 あとはおしゃれなカフェを調べたり、誰かと旅行行ったり」

「おや? 誰かと旅行?」

「そうなんですよ。 女の人とって言ってますが、どうも怪しいです」

「ならば本人に聞いてみますか」

「むふふ。 天堂さん覚悟だよ」

「なはは」


 次のターゲットを天堂さんに定めた私達。 天堂さんは隠れてコソコソ男の人と会っているのかどうか。

 次回に続くだよ!

次なるターゲットは天堂?


「奈々美よ。 程々にしときなさいよね」

「人の色恋話は蜜の味なんだよ」

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