第2188話 全中レベル
ジュニア達の練習試合を見に行ける事になった亜美達。
☆亜美視点☆
月ノ木学園中等部バレーボール部の練習を見に来た私達。 アルテミスジュニアの子達のレベルは高そうだというのがわかり満足である。 後は試合風景とかも見たいなぁと思う。
「近いうちに練習試合とか無いんですか?」
なので顧問の先生に訊ねてみることに。
「直近だと、来週末にありますね」
「おお。 それも見学したいんですけど大丈夫ですか?」
「それは問題ありませんが、こちら側が相手校に遠征する事になりますよ」
「え、遠征ですか? ちなみにどちらまで?」
「東京の都姫女子中等部です」
うわわ。 まさかの都姫女子中等部だよ。 都姫女子は中高エスカレーターではあるものの、中等部から他の高校へ進学する、また逆に他の中学から都姫女子高等部へ進学する等も可能。 宮下さんがそのタイプで、都姫女子には高等部から特待生として入学したらしい。
「そこなら私達も行けますから大丈夫です」
「そうですか。 では先方にも連絡しておきます」
これは楽しみである。
◆◇◆◇◆◇
というわけで更に次の土曜日。 私達は月ノ木学園中等部の練習試合を見るべく、東京は都姫女子中等部へやって来ました。 東京の学校という事で、東京組も呼んでの見学となったよ。
「ジュニアの子達の試合。 楽しみだねぇ」
「ですわね。 この間見た練習でもレベルが高いのはわかりましたからね」
「都姫女子中等部の方はどうなんだろう?」
「都大会は勝ち抜いてるみたいよ。 インターミドル出場が決まってるみたい」
と、宮下さんが教えてくれた。 つまり実力的には月ノ木学園中等部と大差無いと考えられる。 全国大会の前哨戦って感じだねぇ。
「京都立華って中等部は無いの?」
「あらへんな」
「そうなんだね」
さて、都姫女子中等部のアップ風景でも見学してようかなぁ。 めぼしい選手はいないかっと。
パァンッ!
「お?」
「あの子、かなりやるわね」
奈々ちゃんも目をつけたのは背番号1番の女の子。 長身でパワーもありそうなスパイクを打っている選手だ。 他のアタッカーと比べても頭一つ抜けているように見える。
「恐らく、あちらのエースですわね」
「うん。 月ノ木のアリサちゃんと比べても遜色無しだよ」
「最近の中学生は怖いなぁ。 ウチらの時、あんなんおらへんかったで」
「よく言うわよ……」
「弥生ちゃんがあんなんだった癖にねぇ」
「あんさんに言われとうないわ」
「うわはは。 クラブチームにもあんなんいなかったわね」
「だからあんさんがあんなんやったんやろ?」
「うわはは」
さて。 面白い練習試合になりそうだ。 他の選手のレベルも軒並み高そうだし。 さすがに全国大会行きを決めているチームだけはあるね。
「お、ジュニアもアップを始めたぞ」
「うんうん。 あっちも相変わらず動きが良いね」
「アリサちゃんと都姫女子のあの子、どっちが上かしら?」
「うーん。 良い勝負しそうではあるわよねー」
「はぅ。 レベル高いよぅ」
「中学生の試合とは思えないわね。 来て良かったわこりゃ」
宮下さんも楽しみにしているこの試合。 結果はどうなるかわからないけど、見応えありそうだ。
「お、始まるみたいやで」
「いよいよだね」
「ええ」
月ノ木のメンバーはアリサちゃん、さゆりちゃん、華ちゃん、樹里ちゃん、百合香ちゃんに美雪ちゃんだ。 真由美ちゃんは控えのブロッカーだね。
都姫女子の子達の名前までは知らないけど、あのエースの子は当然入っている。 さあ、どんな試合を見せてくれるのだろう。
ピッ!
試合が始まった。 サーブはホーム側の都姫女子中等部。 ポジションはわからないけど恐らくはSだろう。 立ち位置を見るにランニングサーブではなさそうだ。
パァンッ!
「うお、フローターかあれ」
「だねぇ」
難しいサーブというわけでもないけど、中学生が使うようなサーブでもないと思うけど。 さて、これに対して月ノ木の子達はどうかな?
「拾うよ!」
百合香ちゃんが声を出して構える。 しかしフローターサーブは軌道を読みにくいサーブである。 ちゃんと拾えるだろうか?
「お?」
「オーバーハンドに構えたで」
「フローターの拾い方は知ってるみたいだね」
パァンッ……
「上手く拾ったわね」
「樹里ちゃんの定位置にしっかり返しましたわね」
「しっかりしとるで」
樹里ちゃんからアリサちゃんに繋いで、アリサちゃんがブロックをかわしてスパイクを決める。 流れるような展開だねぇ。
「やるじゃん」
「アリサちゃん、あのブロックを上手くかわしたね」
「ありゃすんごい子ね。 中学生レベルならトップじゃない?」
宮下さんもアリサちゃんのプレーには感心しているようだ。 たしかに中学生レベルでは相当だ。 問題は都姫女子側のエースだね。 あの子もアリサちゃんクラスのセンスを感じるよ。
「さて。 月ノ木側のサーブね」
「樹里ちゃんがサーバーだね」
樹里ちゃんもサーブ位置は前の方。 助走も無いみたいだけど。
パァンッ!
「樹里ちゃんもフローターですわね」
「だ、だね」
普通に使いこなすんだね。 最近の子達は凄いなぁ。
そして、そんなサーブをいとも簡単に拾える子達も凄い。 本当にハイレベルな試合を見せてくれているよ。
「お、あの子がスパイクするで」
「本当だ」
都姫女子側のエースにトスが上がったので注目する。 軽やかな助走から伸びやかなジャンプを見せる。 綺麗な動作だ。
パァンッ!
アリサちゃんに負けじとブロックをかわしてスパイクを決めていく。
「うわわ」
「あの子もすんごいコースに決めてったわね」
「本当に凄いよぅ」
「あんなの決められる中学生がいるのね」
「全国区だと今は当たり前だったりすんじゃない?」
「いやいや、あの二人のレベルが高いんですわよ」
多分そうなんだろう。 しかし、そんな二人にも負けていない子もいるようで。
「さゆりちゃんだよぅ!」
パァンッ!
さゆりちゃんもエース二人に負けず劣らず、スパイクを完璧に決めていく。 さゆりちゃんも教えていた頃から上手かった。 というか、成長曲線が異常で短期間で凄く上手くなったんだよね。 今もそれは変わらなさそうで、もうあの頃とは別物になっているようだ。 アリサちゃんや都姫女子側のあの子と遜色無く見える。
「あの子も全国区やなぁ」
「だねぇ」
「あの子達がここまで成長するとはね」
「なはは。 あの子達は皆天才ー」
「そうかもね」
試合の方は練習試合とは思えない程に白熱している。 両エースがスパイクを決めていくかと思いきや、ブロッカーが綺麗にシャットアウトしたり、Lが好レシーブで盛り立てたりしていく。 チームの総合力では月ノ木側の方が少し高いようで、少しだけ点差がついている。 とはいえ決定的な差では無いので、逆転もありそうなレベルだ。
「これは今年の全中の決勝戦を先に見ちゃったかしら?」
「あはは」
もしかしたらそうかもしれないねぇ。
試合の方はギリギリで月ノ木学園は勝利を手にしたが、本番でも気を抜けなさそうという事で、ジュニア達も表情を引き締めていた。
レベルの高さに驚くのであった。
「紗希よ。 やばすぎるわよね」
「うん。 やばすぎるよ」




