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第2185話 舞と旦那さんの入籍祝い

入籍した井口夫妻のお祝いパーティーの日。

 ☆亜美視点☆


 今日は6月14日の土曜日。 夕方からは青砥さんと井口さん入籍祝いのパーティーがあるよ。 昼の間に弥生ちゃん達東京組もやって来て、早くも賑やかになる。


「武下さんは来れなかったんだねぇ」

「修学旅行の準備とやらで忙しい時期みたいや」

「なるほどねぇ」


 中学校の先生というのも中々大変なんだね。


「んで、舞っちと旦那さんは?」

「まだ来てないよ。 二人は今日の主役だからね。 準備には来なくて良いんだよ」

「そうなんですね」


 新田さんも納得して頷く。 キャミィさんはそんな事は気にせずに「ワハハ」と笑い飛ばしてるけど。


「ペット達は皆ペットハウスに連れて行ったんですの?」

「ピッピはここにおるデ」

「ピピ」

「まあ、この子はあそこよりキャミィの側にいる方がええみたいやしな」

「ワハハ」

「リクくんもここにいますよ」


 ノソノソと専用ケージの中を歩くリクガメのリク君。 この子も環境にはうるさい子らしく、ケージの中が快適空間らしいのでペットハウスへは行かないらしい。


「さて、準備進めるんだけど」

「きゃはは。 私達も身体重たくなってきてきついきつい」

「ほな準備係のメインはウチら東京組に任せてや」

「妊婦組はゆっくりしてて」

「ふんす。 私はやれるよぅ」

「なはは! 私もやれるー!」


 と、身重な私達に代わり他の皆がパーティー準備を担当する事になったよ。 私達妊婦組は軽い飾り付けの準備を進めていくよ。


「くす玉作りますわよー」

「要るか、それ?」

「あった方が華やかですわ」

「掃除が大変じゃない?」

「じゃあ、紙吹雪はやめときましょ」


 奈央ちゃんはあっさり妥協。 たしかにくす玉やクラッカーを使った後はお掃除が大変だ。 後始末を楽にする為に、そういった物は使わない方が良いだろう。


「入籍祝いだしめでたい感じにしたいわね」


 紗希ちゃんが言うように、飾り付けはめでたい感じにしたいね。 紗希ちゃんは青砥さんと仲良しだから、特に祝いたい気持ちが大きいはず。


「紅白幕は必須ね!」

「そうだね」


 めでたいと言えば紅白。 譲れないね。 多分収納部屋にあるという事で、私と紗希ちゃん、奈々ちゃんで探しに行く。 収納部屋にやってきた私達は、「パーティーグッズ」と書かれた棚を探すと、すぐに紅白幕を発見。


「あったあった。 久しぶりの出番だねぇ」

「私と宏太の入籍祝い以来かしら?」

「そうかもしれないわね」


 しっかりと袋の中で保管してたので状態は問題無さそうだ。


「他にも適当に持って行きましょ」

「そだね」


 他の人パーティーグッズも適当に持って行く事にするよ。 後で「あれも欲しい」となって戻って来るのも手間だからね。



 ◆◇◆◇◆◇



 リビングに戻り飾り付けを進めていく。 主役席の背後に紅白幕を飾り付けたり、造花を置いたりしていく。 テーブルにもクロスを掛けて華やかさを演出。 テーブルの上にも花瓶を並べて、一輪ずつ造花を活けていく。


「うんうん。 良い感じだよ」

「だな」

「折り紙で飾りも作りますわよー」

「そうだね。 華やかさに磨きをかけよう」

「折り紙の本を置いとくから、見ながら折っていきましょ」

「おー」


 ここからは折り紙での飾り付け作成だ。 花を作ったりも出来るので華やかになるね。 私は折り紙で鯛を折るよ。


「てやや!」


 シュッシュッ!


「亜美、折るの速いわね」

「というか、何を折ってるんだい?」

「鯛だよ。 めで鯛ってね」

「いやいや。 折り紙の鯛ってそんなリアルにならないでしょ?!」

「え? なってるけど?」


 私が折った鯛は本物と見間違える程のリアルな物になっている。 奈央ちゃんは「何をどうやったらそうなるの?」と、呆れている。


「私には一生かかっても折れないな……」

「遥だけじゃなくて、大抵の人類は無理よ」


 また人間扱いされてない気がするよ。



 ◆◇◆◇◆◇



 夕方となり主役の二人も「皆の家」にやって来たのでパーティーを開始するよ。


「ではでは! 舞ちゃんと井口さんの入籍を祝してー! 乾杯ー!」

「乾杯ー!」


 紗希ちゃんが乾杯の音頭を執る。 私達妊婦組はアルコールはやめてジュースで乾杯だ。


「ありがとう皆」

「ありがとうございます」


 主役二人は頭を下げながら私達にお礼を返してくる。 うんうん。 幸せそうで何よりだ。


「そういえば、呼び方はどうしよう? この際、私も舞ちゃん呼びにしちゃおうかな?」

「私も亜美ちゃん呼びにするよ!」

「おー」


 むしろ何故今までお互いに苗字呼びだったんだろうね。 割と仲良くしていたのに。


「私は舞っちって呼んでたし変えなく良いや」

「じゃあ私も美智香っち呼びにするよ!」

「素晴らしい!」


 舞ちゃんもかなり私達に打ち解けたね。 さて、パーティーを楽しみながら色々と話を聞いてみたいと思う。


「そういえば詳しく聞いた事無いけど、二人の馴れ初めってどんな感じだったの?」

「それ聞きたいですわね」

「な、馴れ初めかあ……」

「私に裕樹を取られた後、何があったのか詳しく!」

「ええ……そうだなぁ。 出逢ったのは高校でだね」

「うん。 最初は別にお互い何とも思ってなかったんだけど、たまたま二人が学級委員になったの。 放課後に残って一緒にやってる内に仲良くなって」

「なるほど」

「割と聞くパターンかもしれないわね」

「だねぇ」

「は、恥ずかしい」

「そんなに恥ずかしいかしら?」


 舞ちゃんは顔を赤くして俯いているけど、私も素敵な話だなと思うよ。 恥ずかしがることないと思うけど。


「告白はどっちから?」

「俺からです」

「おー。 男らしい」

「で、舞ちゃんは即OKしたの?」

「うん」

「おー」


 その頃には柏原君と紗希ちゃんの事を応援するようになっていたらしく、井口さんにも惹かれ始めていた事もあり即OKしたとの事。 いやいや、貴重なお話を聞かせてもらったよ。


「聞いたか弥生っち!」

「何でウチに振るのや」

「ワハハ」

「弥生ちゃんのとこはいつになったら進展するやらだよ」

「その内やその内」

「僅かにずつ進展はしてるのよ、これでも」

「ペースがカメさんでス」

「カメは最後ウサギに勝つんやで」

「でも、別に誰とも競ってないですわよね?」

「ただカメが一人で歩いてるだけじゃん」

「うっ、ええやろ別に」

「ワハハ」


 こちらは見守るしかないね。 まあ、こじれて別れ話になったりしないし、交際自体は上手くいっているようだからね。 今のところ心配はしていないよ。


「さあ、もっと舞ちゃんと旦那さんの話を聞くわよん! 次は初デートとかかしら?」

「さ、紗希ちゃん勘弁してよー」

「きゃはは! 覚悟ー」

「なはは! 全部話せー!」


 舞ちゃんと旦那さんの入籍祝いパーティーは楽しい雰囲気のまま続くのであった。


 あ、ちなみに子供はまだ予定していないとの事だよ。 来年以降かなぁ?

二人の馴れ初めも聞けて満足な亜美達であった。


「希望です。 二人とも幸せそうで何より!」

「あとは弥生ちゃんだねぇ」

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