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第2179話 不安もある

麻美も完全に復活したようだ。

 ☆亜美視点☆


 5月25日は日曜日。 麻美ちゃんも風邪から完全復活を遂げ、いつもの元気さを取り戻している。


「なはは! くぅ、散歩にイクゾー」

「わふっ!」


 とまあ、こんな感じだよ。 


「きゃはは。 元気になったらこれなのねー」

「まあ良いじゃないですの。 この方が賑やかで」

「だよぅ」


 麻美ちゃんはそのまま、くぅちゃんを散歩に連れて行く。 居なくなると途端に静かになるんだね。


「紗希はお腹目立ってきたわね」

「そうねー。 何せ二人入ってるから」

「そか。 二人分だもんねぇ」

「これからもっと目立ってくるわよ。 それに加えて重くもなるわ……」

「あぅ」

「宮下さん、凄く頑張ってたんだねぇ」

「ですわね」

「今も子育て頑張ってるけどな」

「産まれからが本番って感じよね」

「今から覚悟しといた方が良いわねー」

「だね」


 宮下さんを見習って、私達も頑張らないとだね。



 ◆◇◆◇◆◇



 夜にはオンラインゲームで遊ぶよ。 クリスタルストーリーオンラインというゲームを遊んでいるよ。 私、夕ちゃん、希望ちゃん、麻美ちゃん、宮下さんの5人で固定パーティーを組んで遊んでいるよ。 ギルドも5人で運営しているよ。 私達のパーティーはPvPイベントで優勝したりしていて、ちょっと有名なのである。


「宮下さんこんばんは。 可憐ちゃんは起きてるの?」

「寝てる」

「残念だよ」


 たまにこの時間でも起きていて可愛らしい声を聴かせてくれるのだけど、今日はどうやらもう寝てしまったらしい。


「宮下さんは出産に備えて何かしたりしてた?」

「んん? そうねー。 身体の健康に気を付けたり、体力つけたりかしら。 後は産まれた後の事を考えたりねー。 出産前には実家にいたから、家事とかはやってなかったし時間はあったわ」

「なるほど。 体力かあ」

「結構疲れるわよ」

「そんなに?」

「そんなによ」


 うーん。 今から怖くなってきたねぇ。 本当にちゃんと産めるかな。


 ピコンッ


「なはは! 美智香姉こんばんはー」

「麻美っちこんばんはー。 風邪はもう大丈夫なの?」

「よゆー」

「何が余裕だよ。 熱出して素の麻美ちゃんダダ漏れだったじゃないか」

「ぶーっ」

「はぅ。 仲良くぅ」

「うわはは。 さて、今日はストーリー進めながらギルドクエスト消化してこ」

「らじゃだよ」


 出産、育児の話を宮下さんから聞きながらゲームを楽しむよ。


「夕ちゃん君は、ちゃんと家事覚えた?」

「まあ、かなりマシになったと思ってはいる」

「なはは。 実際マシにはなってるー」

「はぅはぅ。 でも、亜美ちゃんはまだやらせないって言ってるよぅ」

「そうなの?」

「うん。 まだまだ私は動けるからねぇ」

「何かあったら危ないわよ?」

「そうだぞ。 たまに家に戻って掃除してるのは俺に任せておけ。 麻美ちゃんや渚ちゃんが見てくれてるから大丈夫だ」

「うーん」


 身体を動かしてる方が気が紛れるし良いんだけど、宮下さんや夕ちゃんが心配するのもよくわかる。 うーむ、麻美ちゃんや渚ちゃんからはもう大丈夫だという評価も出てるし……。


「そうだねぇ。 自宅の方は夕ちゃんに任せてみようかねぇ」

「私も居るから大丈夫だよぅ」

「そうだぞー」

「よし! 今度から自宅掃除係は夕ちゃんを代表にして、希望ちゃんはアシスト係に任命するよ!」

「任せろ!」

「ふんすっ! あ、でも私は週末しか行けないよぅ」

「ならば平日は私がアシストするぞー」

「じゃあ麻美ちゃんをアシストその2に任命だよ」

「りょーかーい」

「何か大袈裟な話になってるわね……。 まだ夕ちゃん君一人には任せられないか」


 まだちょっと不安が残るからねぇ。 一人で任せるのは躊躇われるよ。 なので、しっかりアシストを付けさせてもらうよ。


「まあ、そこは亜美っちがやりたいようにすればいっか。 お、ストーリーイベント始まったー!」

「おー! 超美麗ムービー!」


 画面の方では、ストーリーイベントが始まり、ゲームとは思えない程に綺麗な映像が流れる。 ゲームって凄いんだねぇ。


「そういえば、夕ちゃん君は料理も勉強中だっけね? そっちはどんな感じ?」

「ふむ。 中々に良い感じと言わざるを得ないな」

「自分で言うんだね」

「なはは」

「でも、本当に良い感じだよぅ?」

「夕ちゃん君、やれば出来るのね」

「それに関しては私も驚いてるよ」


 今まで家事に携わるとロクな事にならないからわざと遠ざけていたんだけど、こんな事ならもう少し早くに家事を教えておけば良かったよ。 反省である。


「今度はカツカレーでも作ってやるかな! ぐはは!」

「でも、調子に乗るのは良くないぞ夕ちゃん君」

「ぬ……たしかに」

「なはは!」

「いつもの事だよぅ」

「それさえ無ければねぇ」

「むぅ」

「ところで亜美っちは、出産とか育児に何か不安ある感じ? 育児に関しては知識豊富そうだからそんな事無さそ?」

「うーん。 そだねぇ。 どちらかというと出産の方が不安ではあるよね」

「まあ、そうよね。 でも西條グループのあの産婦人科は設備も充実してるし、スタッフも皆優秀だから安心して大丈夫よ」

「それは私もよく理解してるんだけどねぇ」

「まあ、それでもちゃんと健康に産まれてきてくれるかとか考えると、さすがに不安よねー。 私も出産直後に可憐を見るまではずっと不安だったし」

「やっぱり不安になるのは普通なんだねぇ」

「多分ね」

「妊婦さんにしかわからない事だよぅ」

「なははー。 私達にはわからないー」

「だな」

「あはは。 まあ、この話はそろそろお終いにしてゲームを進めよう」

「そうねー」

「じゃあストーリーイベント進めるぞー」

「おー」



 ◆◇◆◇◆◇



 翌日だよー。 月曜日という事で、お仕事組数名は朝から出かけていていないよ。


「私は在宅ワーク頑張るわよー」

「紗希ちゃん、今は何を手掛けてるの?」

「今はゲームのキャラクターデザインを任せてもらってるわ。 まだ小さなメーカーのゲームだけど」

「おお、でもどんどん夢に近付いてるね」

「そうねー。 とはいえ、独立なんてまだまだ先だけど」

「いやいや、でも凄いよ」

「きゃはは」

「紗希は本当、夢追い人ですわよね」

「だって、自分が作った可愛いキャラクターに囲まれるって、絶対幸せじゃん」

「そだねぇ」


 紗希ちゃんがそんな夢を叶える日はいつになるだろう。 楽しみだねぇ。 ちなみに、紗希ちゃんが独立する際には西條グループが全面バックアップする約束である。


「先輩方はバレーボール選手として生きて行けるのに、それ以外の道をしっかり歩いてて凄いですね」

「ま、私みたいにバレーボール選手しかしてないのもいるけど」

「私もやな」

「なはは」

「私達はもうすぐ母親になるし、バレーボールもしばらくはお休みだねぇ」

「私は来シーズンには復帰するわよ」

「な、奈々ちゃん……」


 私は来シーズンどうしようかなあ?

出産に対しては少し不安もある亜美であった。


「亜美だよ。 やっぱりね、色々不安なんだよ」

「なるようになるしかないけど」

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