第2166話 皆の水着を観察
プールサイドでのんびりする夕也と宏太。
☆夕也視点☆
バーベキューも終わり自由行動となっているのだが、俺は今日はプールで泳ぐつもりもないので、バーベキュースペースでのんびり寛ぐ事に。 奈央ちゃんや遥ちゃんもそのつもりらしく、椅子に座って雑談をしている。 プールで遊んでいるメンバーは、今も楽しそうにしている。
「夕也よ。 目の保養になるな」
「だな」
亜美と奈々美がペットランドに様子を見に行っているので、多少色目を使っても怒られるような事は無い。
「ふんす! 夕也くんに宏太くん! 亜美ちゃん達に報告だよぅ!」
「希望?!」
まさかの希望が亜美達への報告係に任命されていたようだ。 これはまずいか? 希望は既にスマホを取り出して素早い操作を行っている。
「ま、待て希望。 それは待つんだ」
「ダメだよぅ! 奈々美ちゃんに頼まれてたんだもん! ふんすっ!」
「あいつめ! 俺達の事を全く信用してないな!」
「実際、皆の水着を見て鼻の下を伸ばしていたじゃないですの」
「お前ら本当に欲望に忠実だよなー。 うちの太一さんを見てみろ」
「ははは! 三山君は中々の筋肉してるね!」
「う、うっす」
あの人は何か特殊なだけだろうと思うが。 遥ちゃんと同じく、筋トレ狂なんだ。
「み、三山! お前はこっち側だよな?」
「ふん。 俺は可憐の面倒を見るのが忙しいんだよ」
「お、お前!」
「た、武下君はどうだ?」
「中学教師としてそのような事は……」
それもそうか。
「井口さんは!?」
「え?」
「秀くんー?」
「ま、舞がいるからそんな色目なんて使えないですが?!」
「うんうん」
うーむ。 彼女の圧に負けやがったな? ま、まあ青砥さんも今日は可愛らしい水着姿を披露しているが。 残るは柏原君か。 紗希ちゃんもペットランドに行っていて居ないから、多少他の女子に色目を使っていてもおかしくはない!
「柏原君は当然、他の女子の水着姿に鼻の下伸ばしてるよな?」
「……紗希を毎日見てる僕が今更他の女子の水着に反応するわけないでしょ」
「確かに!」
「あんなドスケベボディの嫁がいたら、普通の女子の水着では物足りないよなぁ」
「亜美ちゃんと奈々美ちゃんに報告完了だよぅ!」
「しまった!?」
「夕也、俺達終わったな」
「うむ……」
「アホやな……」
「やナー」
ぐぬぬ……。 しかし、俺の方はまだマシだ。 亜美は奈々美に比べれば数段優しいからな。 奈々美みたいにとりあえず手が出るみたいな奴じゃないし、俺は軽く説教されるぐらいで済むだろう。
そう思ったら何か気が楽になってきたな。 よし、ちょっとだけ水着の評価をしていくか。 どうせならいつもの人とは違う人達をだな。
まず、本日の注目株の星野さんだ。 我々のグループの中では、可憐ちゃんやゲスト参加のブルーウイングスの子達を除けば最年少となる。 今回、水着を着る事を避けた紗希ちゃんに代わりドスケベ水着を披露しているのがその星野さんだ。 紗希ちゃんと同じく黒髪なんだが、長さは肩に掛かるぐらいのセミロング。 両サイドを器用に編み込んでいる。 スタイルの方は我々のグループの中では比較的普通だ。 紗希ちゃん曰く、83・60・84だそうだ。 多分間違い無い。 そんな均整の取れた体型の星野さんは、何とも布面積の少ない黒の水着を着用している。 下はエグい角度してるし、上はほんのちょっと隠している程度の面積だ。 北半球南半球だけでは飽き足らず、横も谷間も見せつけている。 文句無し100点満点だ。
続いて天堂さんだ。 彼女も我々のグループの中では年少のグループに入る。 マリアちゃんの1個下の後輩だな。 明るく短いオレンジの髪をした活発そうな見た目をしている女子だ。 実際、それなりには活発なタイプで、よくイベントなんかに参加したりもしている。
そんな天堂さんは、スポーティーな水着を選んだようだ。 ビーチバレーとかで着用するようなセパレート水着だろうか。 下もショートパンツタイプになっており控えめな見た目となっている。 これも中々に高得点だな。
さて、次はアイドル組だ。 まずは当然姫百合さんだ。 現在は変装中の為、髪型も普段とは違うし、顔も怪しいサングラスで隠している。 そんな姫百合さんの水着は可愛らしいフリフリのワンピースタイプだ。 さすがに露出は控えめにしてある模様。 スタイルも決して悪くなく、かなり高得点な水着姿だ。 宏太は姫百合さんの水着に100点を付けている。
残るはブルーウイングスの子達。 星野さんと可憐ちゃんを除けば、本日のメンバーの中では一番歳下の現役女子高生だ。 姫百合さんと同じくアイドルでもある。 そんな彼女達は全員同じタイプのビキニスタイル。 しかし、水着の色は自分達のイメージカラーに沿った物を着用している。 スタイルもまちまちで、一番目立った体型をしているのはリーダーでイメージカラーが赤の朱理ちゃんだろう。 中々の胸部装甲をお持ちのようだ。 うむ。 皆素晴らしい。
「まあ、こんなとこか」
「何がやねんな」
「こっちの話だ」
「何や怪しいやっちゃな」
「何でもない」
ちなみに月島さんも今日は水着で来ている。 オフショルのセパレート水着だ。 肌面積もまあ普通の水着レベルだな。 それなりの得点といったところか。
「まあええわ。 お、亜美ちゃん達戻って来よったで。 あー、藍沢さんの目つきがヤバイで」
「こ、殺される……」
「宏太、さらば」
「亜美ちゃんも何やどす黒いオーラ出しとるで? 今井君も危ないんやないか?」
「ふん。 亜美はそんなに怖くないぞ」
「まあ、藍沢さんと違って手は出ませんからね」
前田さんの言う通り。 精々が説教されるぐらいで済むだろう。
「奈々ちゃん」
「わかってるわよ。 夕也も痛めつけて良いのよね?」
「お願いするよ」
「うおい?!」
「うわはは! 今井君も愚かなー!」
「きゃはは!」
まさか、俺まで奈々美にやられてしまう事になるとは……。 亜美の奴、相当怒ってやがるな。
「覚悟は良いかしら二人共」
◆◇◆◇◆◇
……。
「だはは! ええ感じにやられたやないか」
「い、痛そう……」
「だ、大丈夫ですか今井先輩と佐々木先輩?」
「おー……星野さんか……」
「大丈夫ではないな……」
奈々美に痛めつけられた俺と宏太は、椅子に座って休んでいる。 ちょっと他の女子の水着に鼻の下を伸ばしただけでこれかよ。
「まあ、別に二人が悪いわけじゃないと思うけどさー。 嫁がいるんだからちょっとは控えた方が良かったわよねー」
と、紗希ちゃんに言われてしまう。 しかし、これは男にとって一つの楽しみなのである。
「星野さん、気を付けなきゃダメよ? こういうのが居るから際どいのは控えた方が良いわ」
「は、はあ……私はあまり気にしないんですが……」
と、星野さん。 やはりというか、意外にもワイルド系女子なようだ。
ちなみにこの後は、亜美と奈々美に監視されてしまい、自由に水着姿の皆を楽しめなくなるのであった。
痛い目に遭う男達であった。
「亜美だよ。 夕ちゃんと宏ちゃんは欲望に忠実だからね」
「まだ痛めつけ足りないわね」




