第2154話 ウインドウショッピングとは
こちら佐々木家。 休みの日は宏太が家事をしているようだ。
☆奈々美視点☆
4月15日の火曜日。 今日は宏太も休みで家にいるわ。 掃除やら洗濯を手伝ってくれるのはありがたい。
「しかし、普段から綺麗にしてあるからさほど掃除も大変じゃないな」
「まあね」
私が毎日やってるもの。 そこまで、部屋は汚れていないわ。 それでも手を抜いたらダメなのよ。
「夕也も麻美の家で家事の特訓してるみたいね」
「何で麻美と月島妹が教えてんだ? 亜美ちゃんで良いじゃないか」
「麻美が勝手に決めたんじゃない? 知らないけど」
家事音痴だった夕也も、今は人並みには出来るようになったみたいよ。 あの酷かったのが人並みにまで成長するとはね。 亜美も助かるでしょう。
「料理の方も少しずつ覚えてるみたいだしね」
そっちの方は希望が教えているらしい。 希望が料理の先生になる日が来るとはね。
希望は亜美に料理を教わって今の料理の腕になったわけだけど、最初の頃は中々に酷かったのよね。 お菓子は作れたのに料理は微妙って変わってたわね。
「宏太は一通り出来るから助かるわ」
「まあな。 俺は自分の事は自分でやらなきゃいけなかったからなぁ」
「今でもご両親忙しいものね」
「だな。 休みの日ぐらいしか顔合わせないからな」
どちらも出来る大人って感じの人なのよね。 お母さん曰く、宏太の母親は学園のマドンナだったらしいし、父親は陸上部のエースだったみたいだし。
「ふむ。 宏太って意外と良血なのね」
「そうかあ?」
宏太は首を傾げるのだった。
◆◇◆◇◆◇
昼からは「皆の家」で過ごすわよ。 誰かしらいるから話し相手には困らないのよ。 ペット達もペットハウスで遊びたがるし。
「紗希も来てるのね」
「在宅ワークに切り替えるって言ってたしねぇ」
「あんたも常にいるわよね」
我が親友の幼馴染はお気に入りのプリンを頬張りながら幸せそうな顔をしている。 あとは麻美や渚、奈央も常連でいるわね。
「亜美ちゃん。 今月の残りの予定どうなってましたっけ?」
「んむんむ。 20日に工場視察があるぐらいだね。 来月から少しずつ春くんにお仕事代わってもらう感じになるね」
「ですわね」
奈央も今後は出産に備えて仕事を色々と減らしていくみたい。 もう皆準備期間に入っていくわね。
「遥とかギリギリまで働くとか言ってるけど大丈夫かしら?」
「まあ、あの子は大丈夫でしょう」
奈央は特に根拠は無いらしいけどそう言った。 だ、大丈夫かしらね本当に。
「まあ、心配はしなくても大丈夫だよ。 遥ちゃんも自分の身体の事は自分でわかるだろうし、旦那さんが無理はさせないはず」
「それもそうね」
私は私の事だけ気を付けておけば良いわよね。
「宏ちゃんはちゃんと家事とか手伝ってるの?」
「休みの日はちゃんとやってるぞ」
「そうね。 助かってるわよ」
「おお、素晴らしいよ素晴らしい」
「夕也兄ぃももう少しで家事マシンになれるぞー」
「マシンってなぁ……」
「そやで麻美。 今井先輩はそこまで性能高くあらへんがな」
「渚ちゃん、言うようになったなぁ……ー
とはいえ、何も出来なかったのがかなりの進歩を見せているみたい。 何だかんだ、教えればちゃんと出来るようにはなるのよね。 亜美は「こんな事ならもっと早くに教えておくべきだった」と呟くのだった。
◆◇◆◇◆◇
少し暇だという事で、麻美の車でショッピングに出かける事に。 紗希も仕事が一段落したらしく、一緒について来ているわ。 一応勤務中のはずだけど大丈夫なのかと聞いてみたら。
「大丈夫よ。 進捗は問題無いし、別に監視されてるわけでもないし」
との事。 在宅ワークって意外と緩いのかもしれないわね。
「そんなことより、麻美と渚は練習まだ始まんないの?」
「来月からだそーですー」
「まあ、今月は前シーズンの疲れを癒す期間って事だねぇ。 自主練する人も多いとは思うけど」
「私達が全休した所為で優勝出来なかったら許さないわよ」
「な、なはは。 頑張るー」
「ものごっついプレッシャーやな」
「奈々ちゃんは存在自体が圧だからねぇ」
「どういう意味よそれ……」
車はおなじみのショッピングモールへと到着。 駐車場に車を停めて中へ入っていく。 いつもは電車で来てるから、駐車場から入るのは新鮮だわ。
「さて。 まずは何を見る?」
「買うと言わない辺りが中々に面白いわよね」
「ウインドウショッピングだもの」
「見てるだけってやつだよ」
実際は見てる内に欲しくなって結局買っちゃうんだけど。
「まあでも、洋服は買わない方が良いよねぇ」
「そうよね。 すぐにお腹出てきて着れなくなりそうだし」
「マタニティドレスとかは買っても良いわね」
「そだねぇ」
「ここってそういうお店入ってたっけ?」
「今まで気にした事なかったわね……」
「ベビー用品のお店はあったし、妊婦さん向けのお店もあるんじゃないかな?」
「店内図を見て探そー」
麻美はてくてくと店内図の前に移動して、それらしいお店が無いかを探し始める。
「おー、あったー」
「意外とあるもんね」
「だねぇ。 とりあえず行ってみよう」
「そね」
という事で、ゾロゾロと移動を開始。 エレベーターに乗り3階へ。
「おー、ここだね」
「結構広いわねー」
今まで本当に気にした事無かったから気付かなかったのね。 ここなら何回も通ってるはずなのに。
「マタニティ用品も色々とあるね」
「服も妊娠週期に合わせて色々あるみたいね」
「幾つも必要なのかー?」
「大は小を兼ねる理論で、とりあえず大きいの買っておくのは?」
「それだと最初の内はブカブカになりそうだよ」
「やっぱ、ある程度時期に応じて変えないとダメかしら」
「かなあ。 宮下さんはどうしてたんだろ?」
「戻ったら聞いてみましょ。 とりあえず、初期の妊婦さん向けのは買っちゃいましょ」
「だね」
ウインドウショッピングの予定だったけど、早速買い物をしてしまう私達であった。
◆◇◆◇◆◇
他にもケアクリームやら何やらを買い込んでしまった私達。 ウインドウショッピングとはって感じね。 このままベビー用品も見に行こうとなった私達は、まだ早いというのに赤ん坊用の服やオムツを買い溜めしてしまうのだった。
「なはは! 気が早いー!」
「やってしまったよ」
「私達、馬鹿なのかしら?」
「ま、まあ、少なくとも今年中には使えるわけだし気にしない気にしない」
と、とりあえずそう言い聞かせる私達であった。
何とも気の早い妊婦たちであった。
「亜美だよ。 その内使うから良いんだよ」
「そうよそうよ」
作者流行り病につき数日休むかもです……




