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第2152話 紗希とブルーウィングス

お風呂の時間。 ブルーウィングスと一緒に入浴するつもりの紗希。

 ☆紗希視点☆


 夕飯の後はお風呂タイムよ。 姫百合さんとブルーウィングスの皆は今日は泊まっていくつもりみたいなので、当然お風呂にも入っていくみたいよ。


「ブルーウィングスの皆と一緒にお風呂!」

「紗希は本当にブルーウィングスが好きね」

「まあね! はあ、いきましょ」

「はーい!」


 てなわけで、可愛いブルーウィングスの皆と一緒にお風呂へゴー!



 ◆◇◆◇◆◇



「にしても、やっぱり広いお風呂ですよね」

「ねー。 だけど、最近は人数増えてきてね。 こうやって皆が集まったりすると待ち時間が長くなっちゃって」

「あー、たしかに」


 基本十人は入れるこの浴場だけど、推奨人数は六人とされているわ。 集まる時は二十人程になる私達のグループ。 男女に別れて入浴となると、最終グループは一時間待ちとかもザラにあるレベルよ。


「だから、広くする計画もあるみたい」

「え、まだ広く出来るんですか?」

「まあ、奈央なら何とかやるんじゃない?」


 あの子、やる事成す事が無茶苦茶だし。


「そういえば、紗希さんも皆さんもまだお腹は目立たないんですね?」

「そうね。 私は来月ぐらいかしら? 双子だから大変かも……」

「そっかー。 双子だって言ってましたね」

「そそ」

「名前とかもう考えてるんですか? たしかほぼ女の子で決まりなんですよね?」

「私は勝手に考えてるわよ。 旦那にはまだ言ってないけど」

「おおー、聞いても良いですか?」

「うん。 先に産まれてきたお姉ちゃんには、真っ直ぐな女の子に育ってほしいから『真希』、妹になる方は美しい子に育ってほしいから『美希』って考えてるの」

「双子っぽい!」

「良いと思います!」


 ちなみに名前に旦那の「裕樹」の要素は一つも無いところにも注目よ。 男の子だったら旦那の名前の要素を入れたかったんだけど。


「お子さんが産まれたら会いに来ても大丈夫ですか?」

「もちろん!」

「やった!」


 ブルーウィングスの子達が会いに来てくれる赤ちゃんなんて、そうそういるもんじゃないわね。


「そういえば岬ちゃんは彼氏がいるってのはその内公開したりするの?」

「うーん……事務所がOKしてくれたらですが、少なくとも高校生の間は非公開にしますね」

「それもそうね。 ちゃんと大人になってからが良いわね」

「はい」


 アイドルの恋愛はとても大変みたい。 私なら構わず公開しちゃって、「バッシングするなら勝手にしろー!」って開き直りそうだけどね。


「他の皆はそういう相手とか居ないの? 好きな人ーとか」

「今のところは」

「居ないですね」

「そもそも出逢いとか無いですし」

「だねー」

「学校は? 共学なんじゃ?」

「共学ですけど、そもそも皆が働きながらの学校なので、登校人数も少ないですし」


 そういえば、芸能関係の特殊な学校なんだっけ? この子達も基本は通信で授業受けてるとか。


「じゃあ、学校の男子ともあんまり顔を合わせないのね」

「そうですね」

「それに、そもそも皆忙しくてそれどころじゃないと思います」

「そりゃそうか。 皆が皆、芸能関係のお仕事してるんだもんね。 売れてる売れてないどちらにせよ、忙しくしてるわよね」

「はい」


 あまりにも特殊な環境過ぎて、私には全然想像も出来ない世界だわ。 ブルーウィングスの子達には頑張ってほしいものだわ。



 ◆◇◆◇◆◇



 お風呂から上がり、リビングでデザートのプリンを食べながら過ごす。 亜美ちゃんお気に入りのプリンよ。 何故か常に冷蔵庫にストックされている。 噂によると、亜美ちゃんが常に在庫管理していて、都度発注をかけているらしい。 甘い物への妥協が一切無いのが亜美ちゃんの面白いところよね。


「んむ。 やはり美味しいねぇ」

「パフェとどっちが好き?」

「パフェだよ」


 即答なの笑うんだけど。 さすがはパフェ星から来たパフェ星人ね。


「地球人だよ」

「きゃはは! 人の心の声にツッコミ入れるのやめてね!」


 本当にどうなってるのかしら、この人。


「そだ。 姫百合さんとブルーウィングスの皆さ寝室が足りないから、客室に泊まってもらうことになるよ。 一応ベッドはあるけど、人数分は無いから何人か床に布団敷いてもらわないとだけど」

「大丈夫です」

「きゃはは。 私も一緒にねりゅ!」

「紗希、本当に皆が好きなんだなぁ」

「ブルーウィングスはデビュー当時からずっとファンなのよ」

「ありがとうございます」

「いやいや」

「まあ、ウチや佐々木君のゆりりん魂に通ずるもんはあるわな」

「だな」

「ワハハ。 なんやソレ」

「アイドルファンの心にはそういうもんが宿っとるんや」

「さよカ」

「キャミィにはわからんわな」

「アメリカにだってアイドルはいるっしょ? 好きな歌手とかいなかったの?」

「ヤヨイたちみたいにオッカケになるほどハマったカシュはおらんナ」

「まあ、そういう人もいますよね」


 姫百合さんは納得しているようね。 まあ、幅広く好きになるっていうのも悪いわけじゃないし。 人それぞれってやつよね。


「ふぁー……眠たくなってきた……」

「桃華はいつもこのぐらいの時間が限界なんです」

「きゃはっ。 可愛い! じゃあ客室に行く?」

「そうですね」

「行きましょうー」


 もうおねむらしい桃華ちゃん達と一緒に、客室の方へ向かう。 姫百合さんはもう少しリビングで談笑を楽しむつもりらしい。


「姫百合さんとはよく泊まりになったりするの?」

「はい。 結構仕事が一緒になったりしますから」

「やっぱそうなんだ」

「先輩、妹さんのお話ばかりしてくるんですよ」

「そういえば妹さんいるって前に亜美ちゃんから聞いたわね」


 歳の離れた妹さん……たしか、美雪とかって名前だったかしら? 私は会った事無いけど、亜美ちゃん曰くお姉さんによく似た可愛い子らしい。


「姫百合先輩、妹さんを溺愛されてますから」

「へぇー。 見てみたいわね」

「一度、ライブの控え室に連れて来た事がありましたよ。 もう凄く可愛くて、姫百合先輩が愛でるのもわかります」

「ふむふむ。 後で写真見せもらっちゃお」

「おー、良いですね!」


 

 ◆◇◆◇◆◇



 姫百合さんが部屋にやって来たので、早速妹ちゃんの写真を見せてもらう。


「きゃわわ!」

「これ今の美雪ちゃんですか?」

「うん。 先月撮った写真」

「小学生?」

「そそ」


 たしかに、姫百合さんにそっくり。 これなら芸能人にもなれるわね。


「子役とかやらないのかしら?」

「芸能界には入らないかなぁ?」

「そうなの?」

「うん。 この世界は大変だからさぁ。 結構苦労する事もあるわけで……美雪には普通の生活をして普通に幸せになってほしい」


 と、姫百合さんは遠い目をする。 トップアイドルという輝かしい実績を持つ姫百合さんだけど、表には出さない苦労があるのかしら?


「その割には他の人はスカウトしまくりですよね?」

「あはは。 あれはもう本当に癖で」


 姫百合さんはそう言って笑う。 けど、本当に成功すると思う人以外にはスカウトに行かないとの事。 その辺はちゃんとしてるみたいねー。

アイドルと色々な話をして自分達とは違う世界を知る紗希であった。


「亜美だよ。 色々な人がいるんだねぇ」

「私達一般からはかけ離れてるわよねー」

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