第2127話 パートナー談義
夕飯を食べてのんびりしている夕也達。
☆夕也視点☆
夕飯は普通には美味い懐石料理のフルコースをいただき満腹になった俺達。 女性陣はまた温泉に浸かりに行き、部屋の中は男性陣のみとなる。
「しかし、月島の彼氏は来れなくて残念だったな」
「武下君な。 中学校の教師だから仕方ないだろ」
「西條グループの息のかかっていない人ですからね。 奈央さんが手回しする事も出来ないので」
西條グループの息がかかっている俺達は、奈央ちゃんが裏で色々と手を回しているらしい。 宏太と前田さんなんかは奈央ちゃんが口を出して無理矢理有給にしていたりするしなぁ。
「三山んとこも西條グループだったよな? やっぱり今回も奈央ちゃんの手回しか?」
「だな。 いきなり上司から休んでくれって言われたぜ」
「ははは。 あの子は本当に凄いな」
神山さんは笑い飛ばしているが、笑い話じゃ無い気もするんだよなぁ。 俺も奈央ちゃんがオーナーをやってるバスケチームに所属しているが、そこにも手を回しているようだ。 試合の日に予定が被ったりする日は何故かスタメンを外されたりするからな。
「西條の奴、結構やりたい放題やるよな」
「まあな。 政治家にならなくて良かったと思うぜ」
「たしかにな。 めちゃくちゃやりそうだからな、西條」
三山と宏太は爆笑しながらそう言うのだった。 しかし、日本を裏から牛耳っててもおかしくないんだよなあ、西條グループ。
少しすると女性陣がほくほく顔で部屋に戻って来た。 寝る時は、新規さんの天堂さんや星野さんに配慮し、仕切りを作って男女でスペースを区切る事になっている。 男性陣は人数が少ないので、当然スペースも狭くなる。
「夕ちゃん夕ちゃん。 こっち狭いねぇ」
「亜美。 何でお前はこっちに来るんだ?」
「え? 私は別に男子が一緒でも寝られるからねぇ。 夕ちゃん、一緒に寝よ」
「はいはい。 バカはこっちに帰って来なさい」
「うわわー。 奈々ちゃん私は猫じゃないんだから首根っこ掴んで持ち上げるのやめようねぇー……」
亜美は奈々美に持ち上げられて女性陣用スペースに連れて行かれるのだった。 本当何考えてんだ……。
「お前の嫁、あんなバカだったか?」
と、三山に言われるが亜美は昔から大体あんなもんなんだよなぁ。 学校ぐらいでしか関わりが無かった人達からしたら、何でも出来る完璧超人にしか見えなかったかもしれないが、基本的にはどっか抜けてる奴なのだ。
「ま、ああいうのが可愛いんだがな。 奈々美にもあの可愛いさを見習って欲しいもんだ」
「宏太。 丸聞こえよ」
「ひぃ」
「ははは! 良い奥さんじゃないか」
神山さんという男は寛大な人なんだな……。 大体の事は笑って済ませてしまいそうだ。
「三山の奥さんは親になって変わったよな」
「美智香は付き合ってる頃は『この子大丈夫か?』と、よく思ったもんだ」
「大君ー! 丸聞こえー!」
「だはは!」
「い、今はちゃんと母親してるし偉いと思ってる」
「うわはは」
褒められて満足しているらしい宮下さん。 扱いやすそうな奥さんだな。
「柏原君のとこはどうなんだ? 紗希ちゃんは良い奥さんだと思うけど」
「紗希は良い奥さんだよ。 僕は尻に敷かれてるけど」
「きゃはは!」
向こうからは紗希ちゃんの爆笑が聞こえてきた。 まあ、そうだろうとは思っていたがやはり敷かれていたか。
「春人んとこは……まあ、結婚してからも特に変わらないか」
「ノーコメントです」
「おほほ」
まあ、家事とかも基本的には侍女さん達がやってるらしいからな。 奈央ちゃんは仕事に集中しているのだろう。 まあ、その割には「皆の家」によくいるのだが。 亜美曰く、ちゃんとやる事はやっているのだとか。
「遥ちゃんはどうなんですか?」
「遥はよくやってくれてるよ。 家事も今井さんの家で鍛えてもらって出来るようになったし」
「あ、あの時は大変だったなぁ」
特に最初の頃だな。 出て来る食事が悉く失敗作ばかりで、食べるのも怖かったぐらいだしな。 あれからよく成長したよな。
「迷惑かけたよな。 あん時は助かったぜ」
「いやいや。 役に立てて良かったよ」
と、それぞれのパートナーについて聞いてみたが、色々あるところもあるようだが概ね良好な関係を築いているようだ。 ちなみに女性陣の方は可憐ちゃんに夢中になっているようだ。 いつも通りだな。
「自分の子供が産まれたらどうなるんだろうな」
「俺達の事、放ったらかしになるんじゃないか?」
「ははは。 自分の事ぐらいは自分で出来るようにしとかないとなー」
「そ、そうっすね」
それは間違いないんだよな。 だから俺も家事を麻美ちゃん達に教えてもらったり、希望から料理を教わったりしてるんだもんな。
「可憐ちゃん寝ちゃったねぇ」
「私達もそろそろ寝ましょうか」
「希望姉はもう寝てるー」
「希望ちゃんはいつもだよ」
そりゃあ、あの時間に起こされれば誰でも眠たくなるだろうよ。 俺も眠いんだからな。
「では電気を消しますわね」
「はいよー」
カチッ……
電気が消えて部屋が暗くなると、先程まで騒がしかった皆も静かになる。 皆何だかんだ疲れてるんだろう。 俺もそろそろ寝るぜ。
◆◇◆◇◆◇
夜中に目が覚めると、女子スペースの方で何やらガサゴソと音が聞こえてきた。
ガサゴソ……
「きゃはは……」
どうやら紗希ちゃんが起きているらしい。 紗希ちゃんだと?! まさかまた俺を狙っているのでは……いやいや、お腹に赤ちゃんがいてそれはさすがに無いか。
「きゃはは。 お風呂いこ」
ふぅ。 ただ風呂に行くだけのようだ。
「奈々美も起きてんでしょ? お風呂行かない?」
「何でわかるのよ……まあ、行くけど」
「きゃはは。 今井君も行くー?」
何で俺が起きてるのにも気付いてるんだよ……。
「何? 夕也も起きてんの?」
「起きてるわよん。 私にはわかるわ」
「ぐぅ……ぐぅ……」
「寝てんじゃないの?」
「寝たふりね。 ま、いっか。 行きましょう」
「そうね」
何とか誤魔化しきれたか……。 いや、紗希ちゃんにはバレていた臭いが。
「あの子も変わった特技持ってるよなぁ……」
神の手とかいうのもそうだしな。 あれもどうなってんのかね。
◆◇◆◇◆◇
翌日。
「おはようございます。 今日はお昼を食べたら、西條グループのスパ施設へ行きますわよ」
「スパ! 行くわよ!」
「だからお昼からだって言ってるでしょうが」
「なはは。 お姉ちゃんは温泉とかが目の前にあると、周りが見えなくなるー」
「奈々ちゃん、落ち着いて」
「ふー! ふー!」
「牛かよ……」
「違うよ。 ゴリラだよ」
「あんたら言いたい放題ね……」
「だはは!」
というわけで、今日は昼からスパ施設で遊ぶ事になっている。 奈々美程ではないが俺も楽しみにはしている。
それぞれ夫婦は皆良好な様子。
「遥だ。 いや、あの時は本当助かった」
「うんうん。 よく頑張ったよ」




