第2120話 安産祈願
麻美はマイカーで御朱印巡り中。
☆麻美視点☆
ブロロロ……
3月12日の月曜日ー。 今日はマイカーを使って御朱印巡り。 最近はちょっと行けてなかったけど、大学も卒業式を待つのみなので余裕があるのだー。
「私もついて来て良かったのかな?」
「良いんじゃないですの?」
「麻美が誘って来たんだし、気にしなくて良いわよ」
「なはは。 その通りですー」
同行するのは亜美姉、西條先輩、お姉ちゃんの3人です。 妊婦さんが三人も乗っているので、今日は主に安産の御利益がある神社へ行く予定ー。
ブロロロ……
「安産祈願してきましょー」
「そうね。 そこは大事よね」
「うんうん」
という事で、私達は一路船橋市を目指すのであったー!
ブロロロ……
「麻美の運転。 もうかなり安心できるわね」
「慣れてきたー」
「道も迷わなくなりましたわよねー」
「亜美姉のおかげー」
「いやいや。 麻美ちゃんが頑張ったからだよ」
「なはは」
私が車の免許を取りたいと言った時、亜美姉が全面的に協力してくれた。 本当に感謝感謝ー。
「亜美姉はお姉ちゃんよりお姉ちゃんしてくれるー」
「あはは」
「ふぅん。 じゃあ亜美の妹にでもなれば?」
「ぶーっ。 お姉ちゃん意地悪ー」
「奈々ちゃんは嫉妬してるだけだよねぇ」
「うっさい」
「仲良いですわねー」
私達は小さな頃から一緒に遊んでいたので、当然仲良しー。 まあ、私はお姉ちゃんと亜美姉について回って遊んでただけだけどー。
◆◇◆◇◆◇
ブロロロ……
「到着ー」
車は船橋市にある安産祈願で有名な神社へとやって来た。 有名なだけあり、平日であってもそこそこの参拝客がいる。
「とりあえず参拝してから祈祷してもらいましょー」
安産祈願は本当は妊娠5ヶ月目の戌の日が良いとされており、お姉ちゃん達にはまだ早いとは思われるが、せっかくという事なので予約しているのであるー。
「御守りも買っちゃおうねぇ」
「紗希と遥の分も買って帰りましょ」
「ですわね」
今日は来れていない二人の為に安産御守りも買って帰る予定だそうです。 皆優しいー。
「さあ、行きましょうぞー」
「うん」
まずは最初に参拝して、その後に受付へ向かい予約していた安産祈願をしてもらう。 あ、私は関係無いから外でお留守番ー。 この間に御朱印をもらい、神崎先輩と蒼井先輩の分の御守りを買っておく。 今、祈祷を受けている三人は最後に御守りや腹帯等が貰えるらしいので、買わなくて良いようだ。
「あれ? あれれ?」
「なは? なはは?」
私がお姉ちゃん達を待っていると、後ろから声が聞こえてきた。 もしかして私に声を掛けているのかー?
「おー、やっぱり麻美じゃない?」
「おー? ちるちるー!」
「その呼び方やめい」
「なは」
ちるちる……金城みちるは私の高校時代の同級生であり、バレー部で汗を流した仲間の一人であるー。 隣には男の人が立っているが、その人とは初対面である。 ちるちるは確か、職場の先輩さんとお付き合いしているみたいな話が出ていた気がする。 という事は彼氏さん……。
「んん?! ちるちる太ったー? お腹出てるぞー?」
「妊娠中よ?! 太ってないわよ?!」
「なぬー?! ちるちる、妊娠してるのー?!」
という事は、お隣の男性は旦那さんという事かー。
「おめでとうー、ちるちる。 あ、私、ちるちるの高校時代の友人の藍沢麻美と申します」
ペコリと旦那さんにも挨拶しておく。 旦那さんもこちらに頭を下げて挨拶を返してくれた。
「麻美は何してるの? まさか安産祈願じゃないわよね?」
「祈願してるのはお姉ちゃん達ー」
「先輩……達?」
「お姉ちゃん、亜美姉、西條先輩が今祈祷受けてる。 他にも神崎先輩と蒼井先輩も妊娠中ー」
「え……皆揃って? 怖っ」
「なはは。 ちるちるも安産祈願ー?」
「そうそう。 5ヶ月目に入ったからちょっとね。 ここ安産で有名だし」
「なるほどー。 元気な子を産んでねー」
「ありがとう。 じゃ、またね」
「うむー、またねー」
ちるちると旦那さんに手を振って別れる。
「うーむ。 ちるちる結婚してたのかー。 しかも妊娠中とはー」
同期組のチャットは集まる時ぐらいにしか動いてないし、そういった情報は全然入ってきてなかったんだよねー。 あ、渚には報告しとこー。
◆◇◆◇◆◇
しばらく待っていると、お姉ちゃん達が祈祷を受け終えて帰ってきたー。
「ふう。 結構肩凝るわね」
「なはは。 お帰りなさいー」
「ねぇ麻美ちゃん。 さっき出入り口で金城さんに会ったよ」
「私もさっき会ったー。 旦那さんと一緒に安産祈願に来てるみたいー」
「金城さん、結婚してたのね」
「去年集まった時は職場の先輩と付き合ってるって聞いてたー」
「そうなんだねぇ」
「おがおがも結婚してるんじゃないかなー? 去年の時点で婚約してたからー」
うーん。 同期組のチャットで皆の近況でも聞いてみよーかなー? 大学卒業したらまた会っても面白いかもしれないー。
「さて、祈願も終わったし、この後はどうする?」
「この辺りなら、西條グループのお店結構あるよ。 ベビー用品とかマタニティ用品のお店もあるし」
「じゃあそこ行きます?」
「そうね」
「なはは。 道案内よろしくお願いしますー」
「らじゃだよ」
亜美姉達は早めにマタニティ用品を揃えておきたいらしいので、そちらへ向かう事になりましたー。 妊婦さん用のゆったりした服とかかなー?
◆◇◆◇◆◇
「これもあると良いよねぇ」
「これも欲しいわね」
「全部買いますわよー!」
マタニティ用品って色々あるみたいですー。 皆、結構なマタニティ用品を買い込んでいるー。 な、なんか凄いー。
「な、なはは」
特に西條先輩はもうとんでもない荷物になっているー。
「それ、車に積めるわけ?」
「無理だから配送してもらいますわよー」
「配送あるのね。 じゃあ私ももう少し買っとこうかしら」
何か凄いー……。
◆◇◆◇◆◇
更にその後はベビー用品店にも足を運び、皆はやはりもの凄い勢いで買い物をしていた。 ベビーカーやらベッドやら、大きな物は全て「皆の家」に送ってもらい、必要になるまで収納部屋に片付けておくとの事。 皆、気が早過ぎるー。 まだ妊娠2ヶ月とかのはずだけど……。
「いやいや、買い込んだねぇ」
「20万円ぐらい使ったわよ」
「私はもっと使いましたわよー」
何か買い物金額も凄い事になってるー! 出産と育児には準備からお金が掛かるようだ。
「さて、最低限の荷物にして後は全部配送ですわね。 さ、帰りますわよー」
「おー」
「麻美、運転よろしく」
「なはは、任せろー。 安全運転でいくぞー」
しこたま買い物を済ませた皆を乗せて、車を走らせるのであった。 ちなみに、神崎先輩と蒼井先輩も今度マタニティ用品とベビー用品を買いに行くと言っていたー。 収納部屋が凄い事になりそーです。
ママさん同盟も大変だ。
「遥だ。 私も色々見ておかねぇと」
「早めにねぇ」




