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第2116話 早めの計画を

何やら計画中の奈央と亜美。

 ☆奈央視点☆


 3月6日の火曜日ですわ。 今日はある話をする為、皆に集まってもらう事になっている。


「あ、もしもし。 西條グループ令嬢秘書の清水ですが。 20日は空いてますでしょうか?」


 亜美ちゃんが先方に連絡を入れて、二日間空きがあるかを確認してくれている。


「はい。 大丈夫ですか? それでは宴会部屋を貸し切りでお願い出来ますか? 多人数になりますので。 はい、ありがとうございます。 それではそれでお願いしませ。 西條奈央でお願いします。 はい、ありがとうございました」


 ピッ


「奈央ちゃん。 こっちはオッケーだよ」

「ありがとう亜美ちゃん」

「いやいやだよ」


 さて、これで問題無さそうね。


「だけど、皆は仕事休めるかな?」


「まあ、何とかしますわよ」

「あはは……」


 さて。 後は時間まで待機しましょ。



 ◆◇◆◇◆◇



 夕飯時ですわよー。


 千葉組は皆集まり、東京組もリモートで参加。


「一体何の話があるんですかね?」

「さあ?」


 謎に集められた天堂さんや星野さんは、どんな話が出るのかと首を傾げている。 他にも、遥の旦那さんの神山さんや、青砥さんの彼氏さんの井口さん等、まだ慣れていないメンバーはソワソワしているわ。


「さて。 ではでは発表します。 来る3月20日、21日で一泊二日の旅行を計画していますわ」

「今月?」

「ゴールデンウィークじゃないの?」


 ざわざわとざわつくリビング。 まあ、いきなり今月に旅行しますなんて言われたらそうもなるか。


「ゴールデンウィークも考えましたが、我々ママさん同盟の体調等を考えると5月連休の旅行は少し大変かもしれないと思いまして」

「私が妊娠中も、一回体調崩したもんねー」

「あの時は一人だったので何とかなってたけど、今回は妊婦の数が数なだけにね」

「まあ、それもそうやな」

「というわけで、まだ体調が大丈夫そうな内に旅行してしまいましょうという事になりましたわ」

「なるほど理解したわ」


 皆も話はわかったとの事。


「で、行き先は何処だ?」


 今井君が手を挙げて質問してきた。 ここは亜美ちゃんにお任せしましょ。


「こほん。 今度の旅行の行き先は、群馬県の草津温泉だよ」

「温泉!」


 奈々美が凄い反応をしているわね。 さすが温泉狂。 他の皆も「おー」「行ってみたかったんですよねー」と、中々の好感触。


「21日は仕事を休んでもらう事になるけど」


 20日は祝日で元々休みで、火曜日という事もあり佐々木君と前田さんも定休日。 ただ21日は平日の水曜日になるので皆には休みを取ってもらう必要がある。


「園長先生に相談してみるよぅ」

「私は今受けてる仕事片付ければ休めると思うわよん」

「うちのジムは割と緩いから大丈夫だと思う。 ですよね、太一さん?」

「だね」

「佐々木君と前田さんは?」

「まあ、何とかなるだろう。 というかするんだろ?」

「おほほ。 良くお分かりで」


 他の面々。 特に柏原君や三山君や井口さん等も、何とかなりそうとの事。 一安心ですわねー。


「そうそう。 旅館の近くに病院もあるから安心して良いですわよー」

「何から何までご都合展開だな……」

「おほほ」


 これだけ膨大な人数での旅行になると、とても楽しみね。


「あ、そうそう。 旅館の部屋だけど、宴会用の部屋を貸し切って皆で雑魚寝になるからねぇ」

「やはりそうか……」

「一応、男女で仕切らせてもらいますわよー」


 今回はそういった配慮もしていくわよ。 天堂さんや星野さんといった、私達との旅行に慣れていない人もいますからね。


「集合は朝7時に、ここ『皆の家』のリビングですわよ」

「はーい」

「という事で、今日のお話はこれでおしまい。 詳しくはメールで送らせてもらいます」

「じゃあ、せっかく皆集まってるし! 宴会だよ!」

「いぇーい」


 解散とならずに皆で騒ぐ事になる辺りが私達らしいですわねー。


「ママさん同盟はお酒は控えますわよー」

「りょー!」


 念には念をってやつですわよ。 


「んぐんぐ。 うめー!」

「だな!」

「相変わらずの食べっぷりだなぁ……」


 遥の旦那さんは佐々木君と遥を見ながら、苦笑いを浮かべるのだった。



 ◆◇◆◇◆◇



 翌日ですわよー。


 あの宴会の後、全員がこの屋敷に宿泊した為、朝から台所係は大忙しみたいね。 特に仕事組は出勤時間があるから急がないといけないみたい。


「てやや! てやや!」

「玉子撒くの早っ」

「てやや! てやや!」

「おにぎり握るの早っ」


 亜美ちゃんが獅子奮迅の活躍を見せているようですわね。 まあ、何をやらせても超人じみスペックだし。


「ふぅ。 とりあえずお仕事組の分だけは作れたよ。 持って行ってあげてね」

「はい」

「任せろー」


 作られた料理は渚と麻美がせっせと運ぶ。 人海戦術というやつね。


「次は他の皆の分だね! てやや!」


 ここは亜美ちゃんに任せて大丈夫そうね。 私は旅行の計画とかその辺をもうちょっと詰めていきましょ。


「春人君、旅行の内容詰めたいから一緒に来てちょうだい」

「はい」


 ここは旦那様を頼りましょう。 優秀や秘書である亜美ちゃんは朝食の準備で忙しいものね。

 とりあえず私の部屋へ行き、パソコンを開いて色々と調査していく。


「まず、草津温泉の近辺で西條グループの息が掛かっている観光スポットを洗うわよ」

「亜美さんなら把握してそうなんですが」

「亜美ちゃんは今忙しいのよー」


 カタカタとパソコンを操作してリストアップしていく。


「意外とありますわね。 スパ施設にお土産物屋、植物園や昆虫館なんてのもあるわ。 本当、我がグループは手広くやってるわね」

「この辺を見て回るのが良さげですね。 2日目はスパ施設でゆっくりしてから帰ると」

「そうね。 案外あっさり予定決まったわね……」

「細かいスケジューリングは、後で亜美さんに投げておきましょう」

「スケジュール管理は亜美ちゃんに任せた方が良いものね」


 本当、ビシッとしたタイムスケジュールを組むから凄いのよね。 一体どんな頭してるのかしら? 


「ゴールデンウィークも夏も旅行は出来そうにないし、今年はこれが最後の旅行かしらね」

「来年は新しい家族達と一緒に行けたら良いですね」

「そうね。 それはそれで楽しみだわ」


 

 ◆◇◆◇◆◇



 昼前には各々で解散し、人も疎になった「皆の家」。 亜美ちゃんに投げておいた旅行のタイムスケジュールは、約30分で完成して返ってきた。 有り得ないぐらい優秀ね。


「いやいや。 植物園楽しみだよ。 昆虫館は宏ちゃんが喜ぶよ」

「そうね。 スパなんかは奈々美が喜ぶし、結構良い旅行になりそうね」

「うん。 早く20日にならないかな」


 亜美ちゃんはカレンダーを見つめながらニコニコと微笑んでいる。 本当に何でも楽しんでくれる人ね。 ま、私も楽しみだけど。

早めの旅行を計画。


「亜美だよ。 お腹大きくなってくると色々大変だから今の内にね」

「ですわよー」

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