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第2114話 今のところ順調

今日も怠そうな奈々美。

 ☆麻美視点☆


「怠いわ」

「なはは。 今日はまたきつそうー」


 今日も今日とて、お姉ちゃんの家事を手伝う為に斜向かいにある佐々木夫妻宅にやって来ている。 お姉ちゃんは今日は身体が怠いそうです。


「ほんまに先輩はつわりきついんですね」

「嫌になるわよまったく……」


 今もソファーの上に寝転がって動けないみたいだ。 美智香姉曰く、12週目ぐらいまではつわりの症状が続くらしい。 お姉ちゃんでまだ7週目ぐらいとの事なので、まだ辛い時期は続きそうであるー。


「亜美とか奈央とか……というか、皆は何でケロッとしてんのよ……」

「亜美姉もたまに怠いとか熱っぽいとか言ってるよー」

「まあ、先輩程きつくはないみたいやけど」

「不、不公平だわ……」

「な、なはは」

「今度病院行った時に医者に相談しはったらどないですか?」

「それね。 今すぐ行くわ……」

「定期検診は来週なんじゃー?」

「辛いから薬の相談だけでもしたいのよ」

「なるほどー。 車出そうかー?」

「頼むわ」

「渚ー。 掃除任せて大丈夫ー?」

「ええよ」

「よーし、じゃあ支度して行こー」

「わふ」

「くぅはお留守番だぞー」

「くぅん」


 という事で、私はお姉ちゃんを連れて西條グループの産婦人科へ向かうのだった。



 ◆◇◆◇◆◇



 ブロロロ……


「車助かるわね……」

「免許取って良かったー」


 お姉ちゃんはどちらかというと反対派だったけど、実際車があると何かと便利なので最近は考えが変わったらしいー。


「にしても、いつに無く安全運転ね?」

「お姉ちゃんのお腹の赤ちゃんに危険が及ばないよーに」

「普段からその意識で頼むわ……」

「なはは」


 安全運転を心掛けていくぞー。



 ◆◇◆◇◆◇



 西條グループの産婦人科に着いた私達ー。 お姉ちゃんや他の皆は西條先輩からプラチナカードを借りており、受付で提示すれば素早く診察してもらえるらしいー。 西條先輩何でもあり過ぎるー。


「ふぅ」

「にしても、妊婦さんも多いねー」

「まあ、産婦人科だしそれなりには居るでしょ……」

「それもそうかー」


 こうやって見てみると、結構な数の妊婦さんが居るように見える。 本当に少子化なんて進んでいるんだろうかー?


「佐々木さんー」

「……」

「……」

「佐々木奈々美さーん」

「あ、私か」

「なはは」


 どうやらまだ「佐々木」」と呼ばれる事に慣れないらしい。 下の名前まで呼ばれてようやく認識したようだ。


「じゃ、ちょっと行ってくるわ」

「行ってらっしゃーい」


 お姉ちゃんが診察へ向かったので、私は外の待合で待機。 つわりのお薬の相談に来てはいるけど、ついでに定期検診もやるのではないか、との事。 また来週来るのも面倒だしねー。


「ぱーぶー」


 ペチペチ


「む」


 横に座っている女性が抱いている赤ちゃんが、私の腕をペチペチと触る。 おー、可愛いー。


「すいません……」

「なはは。 大丈夫です。 可愛いですねー。 いないないばぁ」

「きゃっきゃっ」


 私が相手してあげると、凄く嬉しそうな反応を見せてくれた。 何と可愛い事かー。


「女の子ですか?」

「はい。 麻美(あさみ)って言います」

「なは? 漢字は麻布の麻に美しいですかー?」

「はい。 よくわかりましたね?」

「私と同じ名前ですー」


 何とまあ、偶然とは凄いー。 まさか自分と同名の赤ちゃんに遭遇するとはー。


「元気に育ってねー」

「きゃっきゃっ」


 私の顔を見て喜ぶ赤ちゃんの麻美ちゃん。 なはは。 私、意外と子守のセンスがあるのかー?  お姉ちゃんの子供が産まれても子守よゆー!


 その後も、しばらくは赤ちゃんの麻美ちゃんの相手をして遊んでいると、診察室からお姉ちゃんが出て来た。 

「麻美、何してんのよ? 知らない赤ちゃんにちょっかいかけて」

「違うー……」

「この子がお姉さんに懐いたみたいで。 同じ名前なのが嬉しいのかしら」

「同じ名前?」

「この子ー、私と同じ字を書いて麻美ちゃんっていうんだってー」

「へー。 凄い偶然ね。 麻美ちゃん、こんなのみたいになっちゃダメよー?」

「あーい」

「お姉ちゃん、こんなのはひどいー……」

「ふふふ。 仲が良いみたいね。 お腹の子と麻美も仲良くしてくれるかしら」

「なはは。 大丈夫ですよー」

「仲良いかしら、私達?」

「お姉ちゃんー……」


 お姉ちゃんは私の事本当にどう思ってるのかー。



 ◆◇◆◇◆◇



 お姉ちゃんはついでに定期検診も受けて薬も処方してもらったので、車で家に帰る事にー。 赤ちゃんの麻美ちゃんともお別れしてー。


 ブロロロ……


「お腹の赤ちゃんどうー?」

「順調そうよ」

「それは良かったー。 お薬ももらえて一安心ー」

「そうね」


 お姉ちゃんのお腹の子が産まれたら、私は叔母さんになるけど、あんなに可愛い赤ちゃんになら叔母さんと呼ばれても良いかー。


「他の皆も順調かなー?」

「紗希んとこは順調みたいよ。 亜美と奈央と遥は来週ぐらいに定検みたい」

「そーかー。 皆、元気な赤ちゃん産んでほしいー」


 私も出来るだけ皆の協力するぞー。



 ◆◇◆◇◆◇



 家に戻って来ると、渚が洗濯物を干している最中だった。 洗濯は今日は私の予定だったけど、どうやら片付けてくれたらしいー。


「渚、すまないー」

「ええよ。 私は車出されへんからな。 適材適所っちゅうやつや」

「助かるー。 夕飯は私に任せろー」

「頼むで。 それより、先輩は?」

「お薬ももらったし、点滴もしてもらってマシになったらしいー。 今は家で寝てると思うー」

「夕飯は作りに行かんでええんかな?」

「お姉ちゃんが自分でやるってー」

「そないにマシにならはったんか?」

「みたいー」


 という事で、今日は自分の家に帰って来ている次第であるー。 夕也兄ぃの家事の特訓も今日はお休みだし、ゲームでもするかー。 という事で、夕飯の支度時間までクリストオンラインで遊ぶ事にー。


「なは! 美智香姉と亜美姉がいるー」

「やほほ」

「おー、麻美っちー」

「今、宮下さんから妊娠中の注意事項とかを聞いてたんだよ」

「うわはは。 母親の先輩として何でも教えますぞ」

「ありがたやだよ」

「なはは。 私も聞いてお姉ちゃんに教えとくー」


 ボイチャで美智香姉から妊婦講座を聞きながら、ギルドクエストをこなしてポイント稼ぎをしていく。


「運動はした方が良いわよ。 まあ、お腹大きくなってくると厳しいけど」

「ふむふむー」

「あと、ストレス厳禁ね」

「お姉ちゃん、すぐイライラするー」

「あはは……」


 まあ、ストレス溜まったらすぐに宏太兄ぃで発散するから大丈夫かー。


「食事にも気を付ける事ね。 まあ、亜美っち達は大丈夫っしょ」

「なはは。 たしかにー」


 亜美姉は栄養とかも考えたりしているし、そこは大丈夫だろー。 私はお姉ちゃんを手伝う事もあるから気を付けよー!

麻美も叔母さんになるのが楽しみ?


「奈央ですわよ。 麻美が子守ねー」

「どうなる事やらよ……」

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