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第2088話 ペットハウス完成

ペットハウスが解禁。

 ☆亜美視点☆


 お正月もあっという間に終わり、麻美ちゃんと渚ちゃんもお引っ越しが終わった3日後の1月7日の日曜日。 今日は「皆の家」に増設されたペットハウスの解禁日だ。 私達は可愛いペット達を連れて「皆の家」に集まっているよ。


「マロン、メロン。 ペットハウスに入れるよ」

「みゃ」

「なー」

「わかってるのかしらね?」

「さあ?」


 マロンはとても賢い猫である事は疑いようもないのだけど、どこまで何を理解しているのかはわからない。 ただどうも、人間の言葉は理解しているのではないかとは思っている。


「さて、集まりましたわね」

「だね」


 今この「皆の家」の大広間には、飼い主達と様々なペット達が集まっている。 東京組は残念ながら先日帰ってしまっていないのだが、それでもそのペットの数たるや相当なものになっている。


「こうやって集まると壮観ですわね」

「数えるのも嫌になるわね」

「トラもいるし……」


 そう。 奈央ちゃん愛虎、ジョセフ、セリーヌ、セバスにレイラもいる。 当然彼らもペットハウスを利用するのである。


「さ、行きますわよ。 ペットハウスへはこの大広間から出て廊下を直進。 で、突き当たりを左に曲がって歩いて行くと、入り口に着きますわ。 入り口はセンサーで開閉する自動ドアになってますわよ。 ペット達が自由に行き来出来る設計になってますわよー」

「ペットが自由に行き来って……」


 そんなめちゃくちゃ賢い子なんているのだろうか? と、思っていると、マロンが我先にと走り出す。 奈央ちゃんが説明した道順を辿っていくよ。


「やっぱりあの子はおかしいわよ」

「あ、あはは……」


 他の子達も大概おかしくて、抱っこしたりリードを着けたりしなくても、飼い主の横に並んで一緒について歩いて来ている。 犬ならまあわかるけど、猫達までである。


「ゴンすけ君は紗希ちゃんに抱っこされるの好きだね」

「そうねー」


 ゴンすけ君を見ると安心するよ。

 突き当たりを左に曲がって少し歩くと、マロンが自動ドアを開けたり閉めたりして遊んでいた。


「マ、マロン。 それはおもちゃではありませんわよ」

「みゃ」


 多分わかってはいるけど、開いたり閉まったりするのが面白いのだろう。 ペットショップの出入り口でもよくやっているし。


「では入りますわよ」


 ウィーン……


 自動ドアを開けてペットハウスの中へ。 出入り口はここにしかない為、ペット達が勝手に外へ出て行くという心配は無いそうだ。


「ウヒャー」

「こらまた広いわね」

「ちょっとしたドッグランだよこれ……」


 ハウス内はとにかく広い広いスペースになっていた。 地面は柔らかい人工芝になっている。 空調も完備されており、常に一定の室温や湿度に保たれているらしい。 設定もリビングか先程の出入り口で変える事が可能なようだ。 


「あれは?」

「あれは自動給水機ですわ」

「い、至れり尽せりだよ……」


 ペットが近付くと、自動で水が出てくる仕組みになっているようだよ。 話を聞いていたマロンが割れ先にと走っていき自動給水機の前へ移動する。 


「もう驚きませんわよ」

「あ、あはは」


 マロンはというと、給水機の前に立ち水が出てくるのを確認し、メロンや他の子達に水の飲み方をレクチャーしていた。 もう何でもありだよ、あの子。

 さて。 このスペースはただ広いだけじゃなくて、小さめの滑り台やシーソーといった遊具や、作り物の木なんかも立っていたりする。 各種サイズのベッドらしき物なんかもあったりして、ちゃんと休めるスペースまで作られているよ。 また、問題になりそうなトイレに関しては定期的に全自動清掃ロボが掃除して回る事で解決している。


「何ですか……全自動清掃ロボって」


 星野さんが顔を引き攣らせる。 まあ一般人の反応はこれが普通だよね。 しかし、奈央ちゃんとの付き合いが長い私達はそれくらいのことでは驚かないのである。


「あちらにはプールもありますわ」

「プールまであんのねー」


 プールの水はポンプで循環させ、濾過装置を通してまたプールへ戻る仕組みだ。 濾過装置は自動で清掃されるオートクリーニング機能搭載。 また、プールの水も定期的に自動で入れ替わるようになっている。


「どちらかと言うと、普通に私達に欲しいわよね」

「たしかに」


 マロン達が羨ましいよ。


「ハウス内には幾つもの監視カメラが付いていて、専用のアプリでリアルタイムの映像が見られるようになっていますわ」

「おお……」

「スマホをこの台の上に置いてちょうだいな」

 

 奈央ちゃんに言われるがままにスマホを置くと、何やらアプリのダウンロードが始まった。


「何から何までハイテクですね」


 前田さんもだいぶ慣れてきたようである。 ダウンロードされたアプリを起動すると、いくつかのカメラ映像が映し出された。 更にその一つをタップすると、その映像がクローズアップされるようだ。 映像はハウス内の全範囲をカバーしており、ペット達を見失う心配も無いだろう。


「こんなところかしらね。 必要そうな機能があれば、言ってくれれば追加も可能よ」

「十分だと思われー。 くぅ、タマ、遊んで来て良いぞー」


 既に何匹かは勝手に遊び回っていたりする。 今まではリビングや広間、庭で遊ばせていたけど、ここなら安心して遊ばせられそうである。 奈央ちゃんが思いつきで建てた施設ではあるけど感謝感謝である。



 ◆◇◆◇◆◇



 ペット達はペットハウスで自由に遊ばせておき、リビングに戻って一休憩する。 ちなみに先程の監視アプリはリビングの大モニターにも入っており、大画面でペットハウスの状況を見ることも出来るようになっているよ。


「犬達にはプールが人気みたいですわね」


 くぅちゃんにエリーちゃん、天堂さんのハルト君にカイン君はプールで遊んでいるようだ。 宏ちゃんと前田さんの愛犬であるリンちゃんとライ君は、ベッドの上に寝そべってのんびりしている。 性格が出るねぇ。


「猫達は好き好きに遊び回ってる感じやなぁ」


 マロン達猫組はというと、ボールを転がして遊んだり木登りしたりして遊んでいるようだ。 中にはトラの背中に乗って寛いでいる猫もいる。


「あれはうちのダイヤちゃんですね」

「ゴンしゅけもセバスの背中に乗ってるわねー」


 何ともマイペースな二匹らしい姿である。 こうやって、飼い主が近くにいない時に何をしているのか見られるのは中々に面白いねぇ。 こうやって見ていると、それぞれの性格がよく出ていて面白いよ。 私達はその一つを夕方ぐらいまでずっと見ていたのだった。



 ◆◇◆◇◆◇



 そろそろ帰る時間だなぁと思い、マロン、メロンを迎えに行こうとした矢先である。 マロンがハウス内を走り回っては、他の子達に何かを言っているような動きを見せた。


「なはは? マロン何してるんだー?」

「さ、さあ?」


 しかし、その答えはすぐにわかった。 映像を見ると、ペット達が一斉に出入り口の方へ歩き始めたのだ。


「嘘でしょ……」


 さすがの私達も、その光景には驚愕した。 マロンは多分皆に「そろそろ戻ろう」と言って回っていたのではないだろうか? あの子ならあり得る。 しばらく待っていると、ペット達が続々とリビングに戻って来た。 ま、間違い無さそうである。


「みゃ!」


 マロンは「ただいま!」とでも言うかのように私の方へ走ってきた。 う、うーん。 恐ろしい猫である。


 ペット達はペットハウスが気に入ったらしいので、適度に連れて来ては遊ばせるようにしようと思うよ。

マロンはもう猫なのかどうなのかわからない。


「奈々美よ。 ペット達も楽しんでるみたいね」

「奈央ちゃんには感謝だよ」

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