第2084話 今年も同人即売会
今日は夕也と出かける予定の麻美。
☆麻美視点☆
クリスマスパーティーから数日が経過ー。 今日は夕也兄ぃとお出かけの予定だー。 今日は某同人即売会があるのだー。 メーカーブースの方ではクリストのグッズやらも並ぶー。
「なはは」
「今回はファン達との交流あるのか?」
「当然あるー」
「あるのか」
私のファンの中にはクリスタルストーリー関係の同人作品を出している人も少しいる。 今日は聞いている中でも3サークル。 そこのサークルの人には、作品の取り置きをお願いしてあるので後回しにしても大丈夫。 なので先にメーカーブースを回る事にするー。
「きゃはは」
「……で、何で紗希ちゃんはついて来てるんだ?」
「またまたー。 去年も一緒に行ったじゃーん。 コスプレよコスプレ」
「なはは」
柏原……うーん、やっぱり慣れないー。 神崎先輩は趣味としてコスプレをしている。 自分のデザイン力や手先の器用さを活かして、自分で衣装まで作ってしまう強者ー。
「そういえばそうだったな……」
「今年はどんな衣装なんですかー?」
「去年は寒かったからさー、今回は暖かそうな服来てるキャラにしてみたわ」
「なるほどー。 時間ある時に見に行きますー」
「うむん」
という事で、私達電車を使って、一路お台場へ向かうのであった。
◆◇◆◇◆◇
「到着ー!」
「きゃははー! じゃあ私はコスプレスペースに行くから、またねん」
「はーい」
神崎先輩とは別れて、夕也兄ぃと二人で列に並ぶ。 去年も思ったけど、こんな年末に凄い数の人が集まっているー。 皆暇なのかー?
「夕也兄他は何か欲しい物ないのー?」
「聞かれてもわからん」
「夕也兄ぃもゲームとかやってるし何かあるはずー」
「まあ、色々見てみるさ」
◆◇◆◇◆◇
即売会が開場し、いくつもの列が順番に会場内へ入っていく。 私達は比較的前に位置取れたこともあり、早めの入場を果たせたー。
「さーて、回るゾー」
「まずは何処からだ?」
「当然、チャンプスターのブース!」
「クリスタルストーリーか」
「うむ」
クリスタルストーリーは来年2月にクリスタルストーリーオンラインのサービス開始も決まっており、それに先駆けて1月中旬からは先行体験版がプレイ出来る。 私、夕也兄ぃは勿論、亜美姉、希望姉、美智香姉も応募して受かっている! 皆で遊べる日が楽しみだ。
「チャンプスターといえばクリスタルストーリーってイメージだけど、他にはどんなゲーム出してるんだ?」
「麻宮探偵の怪事件シリーズとかー」
「アドベンチャーゲームか?」
「うむ。 謎解きありのゲームで中々面白いぞー。 他にはアクションゲームのドラゴンロードシリーズとかも有名ー」
「ほう」
「ブースにも関連グッズが並んでると思うよー」
「ふうむ。 まあ見てみるか」
パンフレットを見ながら企業ブースが入っているエリアのチャンプスターのブースへとやって来た。 やはり大手ゲームメーカーのブースだけあり、結構な人数の列が出来ている。
「この位置ならば欲しい物は何とか確保出来そー」
「麻美ちゃんは何が欲しいんだ?」
「アスカのフィギュアー」
「アスカか。 良いよなあのキャラ」
「人気キャラー」
アスカはクリスト8のヒロインキャラで、結構シリーズ内でも人気の女の子だ。 聖女の血を引く女の子で、ヒーラーらしからぬ際どいスリットの入った衣装が人気になっている理由の一つだ。 あとドジっ子属性持ちー。
「アスカは色んな所からフィギュア出てるけど、今回のは最高の出来だと思われー! 是非入手したい!」
「な、なるほどな」
他にも欲しい物はあるけど、まずは何が何でもフィギュア!
「ウズウズ」
「売り切れなきゃ良いが」
「むぅー!」
頼むー! 残ってくれー!
◆◇◆◇◆◇
「なははー! 買えて良かったー!」
「危なかったな。 残りあと4体だったもんな」
「うむ。 ヒヤヒヤしたー」
何はともあれフィギュアをゲット。 他にもアクリルジオラマや、タペストリー、抱き枕カバーにマウスパッド、設定資料集なんかをゲットした。
「買い込んだなぁ」
「なはは。 こういうのは躊躇ったらダメー」
「わかるぜ。 迷った挙句買わずに帰ると、ずっと頭に残るんだよなぁ」
「うむ!」
さて。 チャンプスターのブースをぐるりと回って展示物なんかをゆっくりと見ていく。 クリストの歴代のキャラクター達の等身大パネルが並んでいたり、ドラゴンロードシリーズの物なんかも展示されていた。 試遊台もあり、夕也兄ぃにドラゴンロード8をプレイさせてみたが、下手くそ過ぎてすぐゲームオーバーになっていた。
「何でだ……」
「敵に突っ込んで行き過ぎー」
「攻撃は最大の防御だろ」
「ヒットアンドアウェイが基本ー」
「ぐぬぬ」
夕也兄ぃの悪い癖であるー。
「さて。 じゃあサークルを回って行こー」
「おう」
ここからはクリスタルストーリーの同人グッズを扱っているサークルを回っていくー。 とはいえ、最初に企業ブースを回ったので、もしかしたらこっちは売り切れで買えないかもしれない。 まー、そればかりは仕方ないー。
「んー、まずはここー」
「ちょっと並んでるな」
「だいぶ列が片付いた感じかー」
とりあえず並んで待つ事に。 物の数分で順番が回ってきた。
「おー、メリィ本だー」
「メリィも人気だよなぁ」
「うむー。 可愛いからねー。 これくださいー」
迷わずメリィ本を購入。 更に他のサークルも回り、欲しい物はあらかた手に入れたので、残るは我がファン達がやっている三つのサークルを回るー。
「んしょ」
「お、変装か」
「うむ。 ファンにはこの姿じゃないと認識されないー」
「不便だな」
「なはは。 素顔を晒すわけにはいかないのだー」
「何だかんだで有名人だもんなぁ」
「うむ。 ではイクゾー」
◆◇◆◇◆◇
「あ、アサミさん! お待ちしました!」
「繁盛してるみたいだね?」
「はい。 やっぱりクリストは強いです」
「うんうん! あ、取り置きしてもらってる分下さい」
「はい! こちらになります」
クリストの同人誌を購入し、ファンの皆さんにちょっとだけファンサービスをしてから次のサークルへー。
「麻美ちゃんって本当に凄いんだな」
「なはは。 映画がヒットしたおかげで原作のファンも増えたらしいー。 私の公式ファンサイトの来場者数が鰻登りー!」
「なるほど」
「お、次のサークルに着いたぞー」
お次のサークルも私のファンの方が仕切っているサークルだ。 ここのサークル主さんとはよくチャットで話したりもする仲であるー。
「こんにちは」
「こんにちはアサミさん。 例の品、しっかりと取り置きしてあります」
「おー、ありがとうございます」
話が早くて助かる助かるー。 こちらでも軽くファンサービスをしてから更に次のサークルへー。
◆◇◆◇◆◇
回りたい場所は大体回れたし、戦利品もしっかり手にしたのでコスプレスペースへ向かう事にー。
「神崎先輩、何のコスプレしてるのかなー?」
「暖かそうな服を着てるキャラクターだって言ってたな」
「見てみないとわからんー」
コスプレスペースに来てみると、神崎先輩の周りにはそれなりの囲みが出来ていた。 結構人気あるみたいだー。
「紗希ちゃん凄いな」
「さすが神崎先輩ー」
元からドスケベが服を着て歩いているような人だからねー。 コスプレなんかした日には男性の視線は釘付けになるだろー。
「麻美ちゃん。 あれは何のキャラクターだ?」
「隣の隣音さんの隣音さんだと思われー」
去年の冬アニメでやっていたやつだー。
「知らんな」
「なはは。 あ、神崎先輩こっち来たー」
「マジか」
私達に気付いたらしく、囲みを抜けてこちらへやって来た神崎先輩。
「やほー。 もう終わったのん?」
「はいー。 そろそろ帰ろうかとー」
「おっけー。 ちょっと待っててちょ。 私ももう終わるし」
「はーい」
どうやら神崎先輩もコスプレの撮影を打ち切るらしい。 着替えて帰り支度をするみたいなので待つ事に。
「しかし、着込んでてもエロいな」
「なはは」
あれには敵わないなー。
その後、神崎先輩と合流して帰路へ着いたー。 中々に満足した1日であった。
尚、後日知ったのだが美智香姉も何処かにいたらしいー。 私達の姿を見かけたらしいが、邪魔しては悪いと思い声を掛けなかったそうだ。 気にしなくて良かったのにー。
今年も戦利品を大量にゲットし満足な麻美であった。
「遥だ。 同人誌ってのはよくわからないな」
「私もいまいちわからないよ」




