第2083話 二次会
ビンゴも終わり次はスペシャルライブ。
☆紗希視点☆
奈央の家のクリスマスパーティーはビンゴ大会も終わり、次は姫百合さんやブルーウイングスのスペシャルライブへと移行しているわ。
「姫百合さんは出す曲出す曲がヒットしてて凄いよねぇ」
「まあ、姫百合凛っちゅうネームバリューのおかげってのもあるんやろけど、この透き通るようで伸びやかな歌声も人気の秘訣やな」
「だなぁ。 曲の歌詞にもマッチしてるんだよなぁ、この歌声」
誰もが認めるトップアイドル姫百合凛。 なるべくしてなったと言える。 彼女はきっと、神に愛されし者なのだろう。
「宏ちゃん。 あんな人をフッちゃった事を後悔してないの?」
「俺じゃあ釣り合わないだろ。 後悔も何も無いぜ」
「何よ。 あんたには私がお似合いって言いたいわけ? あんたなんか私にも釣り合わないわよ」
「な、奈々ちゃん……旦那に対してそれはひどいよぉ」
「ふん」
奈々美は何て言うか、ツンデレよね。 あの二人はあれで上手く行ってるからまあ良いんだろうけど。 何か来月から子作りも頑張るみたいだし。 私? 私のとこはまあ……きゃはは。
「ゆりりーん!」
「ゆりりん! ゆりりん!」
あー、ゆりりん親衛隊の二人がテンション上がってうるさくなり出したわよ。 こうなると中々に騒がしいのよねー。
◆◇◆◇◆◇
「きゃはっ! きゃはっ! 岬ー! 桃華ー! 光希ー! 翠ー! 朱理ー!」
姫百合さんのライブが終わり、ブルーウイングスのスペシャルライブが始まったわ。 私は全員分の団扇を手にして皆を応援するわよん!
「うちの紗希のテンションが上がってうるさくてすいません……」
「柏原君も苦労人ですわね」
「はぃ」
「きゃはっ! きゃはっ!」
やっぱりブルーウイングスの皆は可愛いわね! 歌も上手いしダンスもキレキレ。 若い層に絶大な人気を誇るアイドルユニットよ。 私もデビュー当初から箱推しを貫くぐらいの大ファンなのよ。 全曲の歌詞、振り、合いの手を把握しているわよん!
心行くまでスペシャルライブを堪能してやるわ!
◆◇◆◇◆◇
「きゃはー。 満足感ヤバすぎ」
「あ、あはは。 いつも応援ありがとうございます」
「これからも応援するわよ」
「よろしくお願いします」
さて、クリスマスパーティーの方は最後のダンスタイムに入ったが、私達は先に会場を後にする。 今日はこのまま「皆の家」に移動して、参加出来る人達だけ集まり二次会をする事になっているわ。
「姫百合さんやブルーウイングスさんも来られるんですの?」
「はい。 私達は年末の歌番組までオフですから」
「そういう事なのでお邪魔します」
私と裕樹は明日もまだお仕事があるんだけど、ブルーウイングスの皆が来るとあっては二次会に参加しないわけにもいかないわ。 裕樹は呆れていたけど。
「僕は先に寝るからね」
「はいはい、おやすみ」
「旦那さんが可哀想ですわね……」
「きゃはは」
さて。 明日も仕事がある組で、希望ちゃん、佐々木君、前田さん、遥にその旦那さん、舞ちゃんとその彼氏さんは寝室へ行ってしまった。 また、三山君と武下君も明日仕事という事で、弥生が車で東京まで送るらしい。
「結構減ったわね」
「まあ、お仕事組は仕方ないよ」
「紗希は大丈夫なわけ?」
「へーきへーき。 ブルーウイングスの皆と二次会出来ない方が問題よ」
「本当に好きなのねー紗希っち」
「うむっ」
「ありがたい限りです」
「ありがたや」
さて、残ったメンバーは今井君、亜美ちゃん、奈々美に麻美、渚、奈央、マリア、冴木さん、天堂さん、星野さん、それから宮下さん、新田さん、キャミィに、ミア、姫百合さんにブルーウイングスの子達。 十分に賑やかね。 後から弥生も来るし。
「さあ、二次会始めますわよー」
「おー!」
テーブルにお菓子や飲み物をばら撒いて、早速二次会を開始する。
「ブルーウイングスさんはまだお酒飲めないねぇ」
「まだ高校生ですからね!」
「星野さんもダメですわよー」
「は、はい」
「天堂さんは?」
「ふっふっふっ。 もう飲めるんです」
「おおー」
お酒は二十歳になってから、という事で星野さんやブルーウイングスの子達はジュースで乾杯。 お菓子を摘みながら各々で談笑を始める。 皆のペット達もリビングでゆっくり過ごしているわ。 大人しくしてるわねー。
「そういえば奈央ー。 ペットハウスはどうなってんのー?」
「あー、この間完成はしてるわよー。 ただ、まだ色々と調整が残ってるから使えるのは来年頭からね」
「なるほど」
「来年が楽しみだねぇ、マロンにメロン」
「みゃ!」
「なっ!」
亜美ちゃんの言葉……というか、人の言葉を理解してるとしか思えないような猫達。 特にマロンは何かおかしい。
「姫百合さんは年末年始は?」
「大晦日は生番組に出るからお仕事。 年始はゆっくり休ませていただきます」
「うんうん。 映画とか大変だったもんねぇ」
「これからは女優と歌手、どちらに比重を置きますの?」
「もちろん歌手です」
「なはは。 さすがトップアイドルー」
「ブルーウイングスは歌一本?」
「今のところはそうですねー」
「CM出演は結構してるけど」
「だねー」
「気が早い気もするけど、大学はどうしますの?」
「五人とも大学受験はする予定なんですが、どの大学にするかまではまだ」
「清水先生、その時にはまた勉強を見てくださいっ」
「むふふ。 もちろんだよ。 ビシバシだよ!」
「出たー、亜美姉のビシバシー」
ブルーウイングの子達も、アイドル活動しながら学業もちゃんとやって、将来の事も色々考えてんのね。
1時間程経つと、三山君と武下君を送っていた弥生が帰って来た。 まだまだ二次会は続いており、ここまでお酒を我慢していた弥生は一気に飲み始めた。
「ぷはーやで!」
「弥生ちゃん、おっさん臭いよ」
「あんさんも似たような感じになるやんか」
「ならないよ。 んぐんぐ……ぷはーっだよ」
「亜美ちゃんがやると何や可愛いのん、腹立つな」
「弥生ちゃんとは違うんだよ」
亜美ちゃん、結構飲んでるっぽいのにまだまだ余裕あるわね。 私はちょっとはふわふわしてきたからこの辺でストップだわ。 明日の仕事に響いても良くないし。
「紗希はそろそろ寝たら?」
「んー、でもなぁ」
ブルーウイングスの皆がいるのに勿体無い気がするのよねー。 とか考えていると。
「神崎先輩、私達ももうそろそろ寝ようと思うんですけど、客室で一緒に寝ませんか?」
「寝りゅー!」
まさかのブルーウイングスの子達とのお泊まりイベントが発生したわ! もうテンション爆上がりよん!
「それでは、私達はそろそろ」
「はいはい、おやすみー」
「きゃはー」
私もブルーウイングスの子達と一緒にリビングを出て客室へと向かう。
「夢じゃないわよね」
「大丈夫ですよー」
「きゃはー」
やばいやばい。 こりゃ夜更かしコース確定だわ。 明日の仕事休んじゃおうかしら?
紗希は大好きなブルーウイングスの子達と添寝を楽しむのであった?
「きゃは! 紗希よん。 ブルーウイングスの皆の胸触らせてもらったわよん」
「うわわ……アイドルまで」




