第2076話 スタジオ完成配信
視聴者達にスタジオを見てもらう為、配信準備をする麻美。
☆麻美視点☆
12月23日の土曜日です。 今日はお昼から「ミルフィーユ」のスタジオ完成記念配信をするぞー。
「んしょんしょ」
「何か凄いわね……」
「配信機材とか凄く高そうだよ」
「こないなカメラで撮影するんか?」
「うむー。 ワイヤレスで持ち運び可能ー! 西條グループの最新のカメラだぞー。 スタジオ内ならどこでも使えるー」
私は配信を始める為に色々と設定したりしている。 私以外はこういう知識無いからねー。
「よし。 これでいつでも開始出来るー」
「じゃあSNSに配信開始の書き込みするよ」
「おー」
ポチッ!
まずはオープニングの画面とBGMを流しながら、視聴者が集まるのを待つ。 5分程待つと、それなりに集まってきたの画面を切り替えて、カメラの画面にする。
「あーあー。 音量大丈夫ですかー?」
今度は配信音量を視聴者さん達に確認するー。 コメント欄を確認すると「大丈夫です!」というコメントが並んでいるので、このまま挨拶に入っていくぞー!
「こんにちは! ギター四重奏「ミルフィーユ」のリーダー、亜美です」
「麻美ですー」
「奈々美よ」
「渚や」
「今日は、前の配信で外観だけみてもらった、スタジオが完成したので、その完成記念配信となっています」
「パチパチー」
コメント欄も「パチパチー」「おめでとうございます!」等、祝福コメントが大量に並ぶ。
「まずは、この前見せた外観だよー。 まあ前見たから写真でサクッとー」
という事で、外観写真をサクッと紹介して次はいよいよ内装を見せていく。
「では内装を見ていきます」
「よいしょ! 見よ、この超高性能ワイヤレスカメラを!」
コメント欄では「超高性能?!」や「スマホとかウェブカメラじゃなかったのか」等、様々な反応があった。
「ではまず、今いるこのお部屋から紹介だよ」
「ここは配信用のスタジオよ。 完全防音で外には一切音が漏れないわ」
「配信機材も高級なもんばかり揃っとる……らしいで。 私は詳しくないんやけど」
「ここにはギターのアンプも並んでいるー! これも凄く良いやつー!」
「演奏配信をする時もこの部屋でやるよ」
ジャララン……
亜美姉が軽く演奏してみせる。 西條グループ最新のアンプだけあり、音質も素晴らしい!
「今日の配信の最後に演奏するから、最後まで見ていってね」
さて、スタジオをカメラでぐるりと映していく。 清潔感溢れる白い壁、音響を考え抜いた天井や部屋の形状等、随所に拘りも見て取れるのだ。
「スタジオはこんな感じー! 次はレコーディングルームへー!」
コメントでは「レコーディングまでするのか……」と、ざわついている。 カメラを持ってスタジオを飛び出し、同じく2階にあるレコーディングスタジオへ入っていく。
「ここがレコーディングスタジオだよ」
「最新の機器が並んでいるー! これがレコーディングマイクで、これが録画機器! 録音した物はすぐにこの機械で再生してチェック可能ー!」
「ここでレコーディングして保存された音楽や歌は、さっきの配信用パソコンにデータとして保存されるらしいわ」
「そこからネットにアップしたりも出来るわけや」
「更に、私達『ミルフィーユ』がサイジョーミュージックからCDデビューする事が決まっているよ!」
「現在、亜美姉がオリジナル曲を作詞作曲中だー! 進捗があれば追って連絡しますー!」
CDデビューの発表にコメント欄は更にざわつく。 楽しみにしているというコメントもたくさんあるー。
レコーディングスタジオを出た後は、1回の休憩スペースを見てもらい、程良きところで配信スタジオへ戻って来たぞー。
「と、スタジオはこんな感じになっていますー! ここならば、周りを気にせず思いっきり演奏したり出来るー」
「そだねぇ」
「まあ、今までもあまり気にせずやってたけどやな」
「そうね」
コメント欄では「何かのイベントに参加したりしないんですか?」という質問も。
「うーん。 今のところ無いねぇ。 あ、でもねぇ、明日なんだけど……何と! あの姫百合凛さんとオフコラボがあるよ!」
コメント欄が更に更にざわつく。 まあ、あの姫百合凛とのコラボとなればそれも仕方ないかー。 明日はゆりりんがノート型パソコンでゆりりんチャンネルを配信し、私達「ミルフィーユ」はそこにゲストとして参加する予定であるー。 ちなみに姫百合さんは明日、西條家クリスマスパーティーの為に前乗りしてくるー。
「時間は20時からと遅くなるけど、見れる人は見てねぇ」
明日のコラボ告知も終わり、最後に3曲程演奏と歌を披露した私達。 この日はこれにて配信終了となったー。 明日はゆりりんチャンネルにゲストで出るぞー!
「さて。 明日は私達は朝からWデートだよ」
「そうね」
「むむー」
「麻美は年末に今井先輩と出かけるんやろ……何で不機嫌になるんや」
「それもそかー」
私は私で、年末の同人即売会へ夕也兄ぃと出かけるのだ。 亜美姉にもしっかり許可をいただいている。
「明日は夕飯を食べて帰って来るけど、コラボには間に合うようにするから心配しないでねぇ」
「亜美姉の事だから心配してないー」
亜美姉の計画は完璧なのだ。 スケジュール通りビシッと動くからねー。 明日は私と渚も早めに「皆の家」に来て、亜美姉の代わりに姫百合さんとオフコラボの打ち合わせをしよー。
「じゃあ戻ろうか」
「うむ」
配信設備の電源を切り、各種ブレーカーもオフ。 戸締まりも一応しっかりしてスタジオを出る。
「戸締まりはいるのかしら? 『皆の家』の正門からしてセキュリティ万全だけど」
「まあ一応ねぇ」
「うむー」
「用心するに越した事無しやな」
という事です。
さて、「皆の家」に入ると何やら賑やかな声が聞こえてきた。
「この声は東京組だよ! 可憐ちゃん!」
スタタタ……
気付くが早いか、亜美姉は凄い速さでリビングへと走って行った。 可憐ちゃんの事となると見境が無くなるー。
私達も遅れてリビングに入ると、そこにはやはり東京組の姿が。 亜美姉は既に可憐ちゃんを抱っこして猫撫で声を出しているー。
「おー。 邪魔してんで」
「こんちはー」
月島先輩に美智香姉、キャミィさんにミアさんに新田さん。 あるぇ?
「美智香姉の旦那さんと武下先輩さんはー?」
「どっちも25日は仕事やでな。 まあ、当日車で迎えに行く酒井大丈夫や」
「そっかー」
社会人は大変だー。 神崎先輩や宏太兄ぃに前田さんも月曜日はお仕事で、終わり次第来るとの事ー。 皆忙しい中でも集まるんだねー。
「明日は姫百合さんも来ますわよ」
「ほんまか? そら楽しみやな」
「ブルーウイングスさんも来る的な話を姫百合さんがしてましたわよー」
「きゃはー!」
どうやら明日はかなり賑やかになりそーだ。 ブルーウイングさんもコラボ配信に来てもらうのはアリかもしれないー。 明日要相談だ!
24日はコラボ配信。
「奈々美よ。 姫百合さんのチャンネル、凄い登録者数ね」
「う、うん」




