第2074話 新居完成
今度は新居が完成したようだ。
☆麻美視点☆
12月20日の水曜日だぞー。 何と何と遂に遂に! 我が新居が完成したー!
「これが麻美ちゃんと渚ちゃんの新しいお家なんだねぇ」
「うむー」
「ええやん。 もう中入れんの?」
「入れるー」
「じゃあ入りましょうよ」
「中を見たいねぇ」
「では、中に入りますぞー」
「おー」
というわけで、鍵を開けて新居に侵入ー!
ガチャ……
「おぉ……新築の良い匂いだよ」
「そうね。 玄関も思ったより広いわね」
「私と麻美ぐらいしか使わへんやろ、この家」
「そうだけど、広い方が良いじゃーん」
「ま、狭いよりマシよね」
「うむー。 ささ、上がってー」
靴を脱いで、持って来たスリッパに履き替えて家に上がる私達。 まず、玄関から一番近い所にある扉を開けてみる。 間取り図的にはここは……。
「んー。 脱衣所やトイレ、洗面所だねぇ。 奥の扉はお風呂かな?」
「うむー。 洗濯機もここに置くー」
「なるほどね」
脱衣所を出てすぐに姿を現すのは2階へと続く階段ー。 2階には後で上がるとして、先に1階を見ていくー。
「ここは台所やな」
「うむ。 システムキッチン! IH! 冷蔵庫も大きなのが置けるー」
「素晴らしい台所だよ素晴らしい」
「そうね。 広々としてて使いやすそう」
「麻美、あの引き戸は何や?」
「あそこからリビングへ直通ー。 しかも自動ドアだぞー!」
「何でそんな物を?」
「出来た料理を運んで行くのに、あそこに自動ドアあると楽かとー」
「たしかにやな」
さて、その自動ドアを通ってリビングへ移動。 まだ家具や電化製品も全然無いリビングー。
「二人暮らしなら十分な広さだね」
「なはは。 一応三人を想定して設計されているー」
「三人?」
「希望姉ー」
「希望? どうして希望?」
「希望姉は亜美姉と夕也兄ぃの愛の巣から出るか考え中ー」
「え? 私、何も聞いてないけど……」
と、亜美姉が驚いたような顔を見せる。 まあ、亜美姉や夕也兄ぃには話しづらい内容だろうからねー。 希望姉もまだ考え中で決めてはいないみたいだ。 住む家に関しても、自分で部屋を借りるか、祖父母の家に行くか、私や渚と暮らすかっていうので考えてる
らしいし。
「あ、姉である私に相談も無しにー……しょぼん」
「な、なはは……」
「なるほどね。 この広さも納得だわ」
「で、あっちの部屋はなんや?」
「和室ー」
「和室ねー」
「なはは。 冬場は炬燵置いたりして寛ぐー」
「ええなぁ」
和室もやはり三人を想定してあるー。 一応寝室としても使えるぞー。
「ほいじゃ2階へー」
「らじゃだよ……しょぼん」
亜美姉は相変わらず落ち込みながらも、しっかりと私達の後をついてくる。 2階に到着すると、踊り場から通路が二手に伸びている。 片方は狭い部屋が二つ並んでいるぞー。
「ここは、物置きかな?」
「うむ。 収納スペースー」
「んで、あっちに三つ並んでるのが各自寝室ー」
「やっぱり三人分なんだね。 希望ちゃんの部屋になるんだね……」
「あ、亜美姉ー。 まだ希望姉は何も決めてないよー」
「しょぼぼん」
ダメだこりゃー。
「新居はこんな感じー。 一応入居予定日は来年の1月4日ー。 私と渚はそれまでに必要な荷物を移動させたり、家電揃えたりで忙しいぞー」
「そやったらまずは必要な家電を買いに行かなあかんな」
「うむ! 今から早速、電気屋さんへ行くぞー」
「よっしゃ」
私の車の出番だー。 亜美姉は私の教官としてついて来てくれるらしい。 私の運転はまだちょっと危険なんだそーだ。 亜美姉が言うならそーなんだろー。
「それじゃ行くぞー」
とりあえず車を停めてある「皆の家」へ移動ー。 すると、マリアが出てきてついて行くと言い出した。 珍しいが、ちょっと買わなければいけない電化製品があるらしい。
「では出発ー」
ブロロロ……
「麻美先輩の新しい家が完成したんですか?」
「そやねん。 来年の1月4日には引っ越しするさかいその準備や」
「なるほど」
「希望ちゃんは家電とかいらないのかな……しょぼん」
「清水先輩はどうなさったんですか?」
「何や、雪村先輩が今井先輩の家を出て私らと一緒に住むか迷ってはるらしいんや。 その話を聞かされてへんかった清水先輩は落ち込んではるんや」
「なるほど……」
「しょぼん……」
うーん。 かなりの落ち込み用だー。 これは今日、今井家では緊急会議が開かれそうだー。
ブロロロ……
車は隣町を抜けて市内へと入る。 運転にもかなり慣れてきたぞー。
「麻美ちゃんの運転も安定してきたね。 今度は高速道路にチャレンジしようね。 しょぼん……」
「普通に話していると思ったら急に落ち込むのやめてください」
「なはは」
亜美姉は今日一日こんな感じだろうー。 まあ仕方ないねー。
◆◇◆◇◆◇
電気屋に到着した私達は、早速必要な電化製品を選んで買っていく。
「冷蔵庫ー!」
「洗濯機やな」
「テレビにエアコンー」
「掃除機もいるで」
「な、何か凄い勢いで買ってるよ」
「私はBlu-rayレコーダーを買いにきました」
「おぉ。 マリアちゃん、映画とか見るの?」
「見ます。 ですが、部屋にレコーダーが無いので」
「あー、リビングにしか無いんだね」
「はい」
「なはは! レコーダーも必要かー」
「一応固定電話やな」
◆◇◆◇◆◇
必要にな物は全て購入したぞ。 荷物は全部郵送にしてもらったので、荷物はマリアのBlu-rayレコーダーだけー。
「次はインテリアショップだー!」
「え、電化製品だけじゃないの?」
「家具もー!」
「そやな。 買えるもんは買っておかな」
「じゃあ行くぞー」
ブロロロ……
その後、インテリアショップでテーブルや食器棚、本棚なんかも新調。 タンスは今あるやつを移動させれば問題無いー。
「凄い買い物だね……今日だけでいくら使ったの?」
「さあ? わからないー」
「大丈夫ですよ。 麻美は億超えの貯金ありますんで」
「そ、そっか」
なはは。 本の売り上げやラスベガスのカジノで稼いだ分が沢山あるー。 これぐらいよゆー。
「来年の新しい生活が楽しみになってきたー」
「やな」
後は希望姉がどうするかだー。 まだ本人は迷っているらしいけど、今日辺りに亜美姉が緊急会議を開くだろー。
「よーし帰るぞー」
「よっしゃ!」
「まずは『皆の家』へお願いします」
「りょーかーい」
車は今日から新居のガレージに停めておけるから、まずはマリアを「皆の家」へ送らなければー。
ブロロロ……
「そういえば、くぅちゃんとタマちゃんはどうするの?」
亜美姉はだいぶ立ち直ってきたようだ。 普通に戻っている。
「くぅとタマは半月に一回交互に行き来する感じー。 渚のとこのアテナとエリーは当然うちー」
「やな」
と、その辺も話し合って決めてあるー。 後はその日を待つだけであるー。
引っ越す準備も進むが、希望はどうする?
「亜美だよ。 家族会議だよ」
「はぅ」




