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第2064話 ライブ衣装

Vドルとのコラボ配信は続く。

 ☆紗希視点☆


 今日は私がデザインを担当したVドル、花風風花ちゃんとのコラボ配信第2弾「ホラーゲーム見守り配信」を行なっている。 プレーヤーは風花ちゃんで、私は見守りながらガヤを入れるという内容よ。

 風花ちゃん、希望ちゃんなみに怖がりらしくて、ちょっとした事で悲鳴を上げるのが凄い面白いのよね。


「みぎゃあああああ!」

「ぎゃああああああ!」


 な、何というかアイドルとしてどうなのかってレベルの声が出てるわね。 でも、コメント欄を見ているとこういうのが逆に面白いらしくて、かなり盛り上がっているわ。 さすが我が愛娘、人気者ね!


「マァマァーッ!」

「きゃはは。 頑張って風花ちゃん! もうちょっとだから!」

「うぅ……紗希ママってこういうの平気系な人?」

「そうねー。 割と楽しめちゃう派よ」

「な、何が楽しいのよー!」

「まあ、こゆの好きな人も結構いるもんよー」

「うぇぇ……」


 ゲームを進めながら少し落ち着いてきたらしい風花ちゃん。 ゲームの方も現在は中盤から終盤にかけての謎解きやアイテム集めのタイミングね。 この後、悪霊との直接対決が待っているのよね。 また悲鳴を上げながら走り回るのが目に浮かぶわ。


「紗希ママー。 何か楽しいお話しましょーよー」

「楽しい話ねー……」


 少しでも気を紛らわせたいのか、私に楽しい話題が無いか訊いてきた。 楽しい話題ねー。


「そーそー。 私オス猫飼ってるんだけどさ、今ちょうどお見合いに出してるのよ」

「猫のお見合い?」

「そそ。 行きつけのペットショップでそういうのもやってんの。 で、今絶賛お見合い中なのよ。 お相手のメス猫の妊娠が確定するまでは帰って来ないんだけど、毎日様子を見に行ってるのよ」

「おー。 そういうのあるんだー……って、ぎゃあああああ!」

「きゃはは! 怖がり過ぎ!」

「だってぇ……静かだと思ったらいきなり来るんだもん……」


 さてゲームの方はこのまま終盤に突入。 廃屋の謎が解けていき、いよいよ廃屋を脱出というところ悪霊と対峙する事に。


「この悪霊、この廃屋に住んでいた人の霊なんですね」

「そーなのよ」


 とある事件に巻き込まれたこの廃屋と住人に女性。 その女性の強い怨念が悪霊となってこの廃屋内を徘徊しているのだ。


「でも、事件の犯人ももう捕まり解決済み。 あとは彼女をちゃんと供養して成仏させるだけ……」

「そそ」


 悪霊の玲子と最後の対決ね。 ここは今までと違い逃げ回るだけではなく、上手くかわしながら成仏出来るように供養して上げなければならない。 廃屋の外にある彼女の墓まで誘導し、全ての事件は解決したことを伝えてやるのよ。


「あわわわ! こっちだっけ? いや、違うー! あばばばば」


 終始悲鳴を上げながら走り回っていた風花ちゃんは、廃屋の中の間取りや道順なんかを覚えているはずもなく、道に迷い何度かゲームオーバーになりながら何とかかんとか庭にあるお墓の前に到着。 風花ちゃんはその頃にはかなり精神をすり減らしていた。


「えひっ……あひっ」

「だ、大丈夫風花ちゃん? もう少しで終わるから頑張ろ」

「えぅ」


 墓の前で墓を調べ、襲い来る霊逃げ回る対し対話ん試みる主人公。 ゲームの操作はここまでで後は自動でエンディングまで進む。


「お疲れ様風花ちゃん」

「お、終わったぁ」


 ようやく解放された風花ちゃんとエンディングを見終わった後は少し雑談タイムに耽る。


「もうホラーゲームやりなくないです……」

「でもリスナーさんからのウケは良いわよん」

「嫌ですぅ……」

「きゃはは……」

「次のコラボは歌配信とかもっと楽しいゲーム配信とかを希望します!」

「歌かー。 私あんまり上手くないわよー? ゲームも普段はほとんどしないし」

「よし! 次回コラボは歌配信だ! 年末ぐらいにやりましょう!」

「きゃはー。 仕方ないなー」

「決まりですね! どうせなら他の子も呼びます!」

「うんうん。 忘年会的にやるのもありかも」

「それですっ! 企画案いただき!」


 と、年末のコラボ配信の約束をして、更に雑談に華を咲かせる。


「そういえばさ、私今月末に結婚するのよん」

「前回彼氏さんと同棲してるって言ってましたよね? 今月末かー」

「うむ。 やっとこさよー」

「あはは。 おめでとうございます、紗希ママ」

「ありがちょ」

「さて。 そろそろ時間なので、配信はここまで! 皆、今日も見てくれてありがとー! ではおつ風花ー!」


 という事で配信を閉じた風花ちゃん。 「ホラーゲーム配信は2度とやりませんよ」ともう一度私に愚痴るのだった。


「そういえば、年末で思い出したんですが、年末のライブ衣装のデザインとかも紗希ママに依頼行くと思います」

「ライブ衣装かー。 まあ、会社からはまだ何も聞いてないけど、お仕事が来たら全力で取り組ませてもらうわ。 友人のウェディングドレスもデザインした事もあるし任せて」

「ウ、ウェディングドレス?! 何か凄い……」

「きゃはは。 大したことないわよー」

「すっごいライブ衣装、お願いします!」

「うむっ!」



 ◆◇◆◇◆◇



 翌日20日月曜日。 会社に行くと早速スターガールズからの仕事の依頼が来たようだ。 昨日聞いた内容ね。


「という事で、花風風花さんのライブ衣装は紗希ちゃんね。 というか、花風風花ちゃんの専属デザイナーね」

「はいっ! 私、ママですから!」

「ははは、ママと来たか」

「真昼さん笑わないでー」

「いやいや。 紗希ママだもんねー。 昨日のコラボ見たよ」

「ひぃー、み、見てるんですか?!」

「見てるさー。 芽衣子社長も見てますよね?」

「紗希ちゃんがコラボ相手の時は見るようにしてる」

「う、ちょっと恥ずかしいかも」


 まさか会社の同僚にまで見られていたとは。 知り合いにああいうの見られるのって結構恥ずかしいもんなのね。 そういえば風花ちゃんとかって、知り合いや家族にVドルやってる事を話してたりすんのかしら?



 ◆◇◆◇◆◇



 その日の仕事を終え、日課のゴンすけの様子も見に行ったあとは、「皆の家」に顔を出す。 藍沢家の面々は大体いつもいるわねー。


「そうだ麻美。 Vドルには詳しいのん?」

「んにゃー、普通ぐらいかとー」

「そうかー。 ああいう人達って、知り合いとか家族には自分がやってる事を話であったりすんのかなー?」

「うーん。 まあ、人によりけりかと。 ちゃんと話している人もいるし、隠してやってる人もいるー」

「あー、そうなのね」

「それがどうしたのよ?」

「いやー、今日会社でさ、同僚の人に見られてるって知って恥ずかしかったのよ。 で、ああいう子達はどうしてるのかなとね」

「なはは。 恥ずかしいのかー」

「さすがにね」


 とはいえ、これからもコラボ配信はやりたいし、何なら暇な日は単独でもデザインの配信とかもやってみたいなとは思っていたりもする。 何だかんだ言って楽しいのよね?

年末のライブ衣装のデザインを任された紗希であった。


「遥だ。 紗希は順調だなぁ」

「だねぇ。 どんどん夢に近付いてるよ」

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