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第2058話 これからの予定

翌朝リビングでは?

 ☆亜美視点☆


 奈央ちゃんの誕生日パーティーが明けて翌日の12日の日曜日。 昨晩は皆、この「皆の家」にお泊まりしていたので、朝からもリビングは賑やかである。


「おはよう」

「あー、おはようさん」

「おはよ」


 早起きな人達数人がリビングでコーヒーやら何やらを飲みながら談笑していたようだ。 今、リビングにいるのは弥生ちゃんに奈々ちゃん、奈央ちゃん、前田さんにマリアちゃんである。 


「皆早いね」

「遥とか天堂さん、星野さんはもっと早かったわよ? 皆してランニングに出かけたわ」

「あ、あはは……」


 それはまた元気な……。


「あ、弥生ちゃん達は何時に帰るの?」

「ウチは昼食うたら武下君送らなあかんから、それぐらいには帰るで」

「そっか。 宮下さん達はどうするんだろ?」

「さあ? 旦那はん明日仕事やろし、早よ帰るんやないか?」

「可憐ちゃんは置いて帰ってくれないかなぁ」

「さすがにそれは無理やで……」

「だよねぇ」

「あんさんらもさっさと子供こさえたらええがな」

「まあ、早くて来年末だよ」

「そうね。 今シーズンはVリーグに集中したいし」


 そんなわけである。 私と奈々ちゃんは同い年の子を産むという約束があるからね。 話し合いも必要になってくるのである。


「弥生ちゃんも、合わせたいなら今すぐに武下さんと籍を入れないと」

「別にええわい……」

「あぅ。 残念」



 ◆◇◆◇◆◇



 お昼を食べ終えると、弥生ちゃんと武下さん、それとキャミィさんは先に東京へ戻って行った。 三山夫妻や新田さん、ミアさんも14時ぐらいには帰ってしまったよ。 次に会えるとしたら、クリスマスパーティーだろう。


「なはは。 静かになったー」

「あんたがいたら十分騒がしいわよ」

「褒められたー」

「はあ……」


 麻美ちゃんは実にポジティブである。

 さて、今日は日曜日という事で、皆は引き続きこの屋敷に残っている。 遥ちゃんやマリアちゃんは相変わらずトレーニングルームにいるし、何なら遥ちゃんの旦那さんや天堂さん、星野さんまで。 皆、筋トレ大好き人間なのである。 まあ、皆アスリートだからねぇ。 身体作りは大切なんだけど。


「そう言えば……」


 と、切り出したのは奈央ちゃん。 その言葉の続きを待っていると。


「今年は月ノ木祭、行きませんでしたわね?」

「あ、確かに!」


 月ノ木祭とは、月ノ木学園が毎年10月に開催している学園祭の事である。 外部の人間は完全招待制となっており、在校生からの招待券が無ければ参加出来ないのだ。


「ワールドカップやらVリーグやら仕事やらで、すっかり忘れてましたわね」

「だね」

「まあ、私達が行ったら騒ぎになりかねないし良かったんじゃない?」

「またお面着けて歩き回る羽目になってたー」


 去年は皆、お面を着けて歩き回った結果、ある意味騒ぎにはなっていたけどね。


「それで言ったら夏祭りも行ってないわよん?」

「確かに……ちょうどワールドカップ前でバタバタしてたしね」

「はぅ。 社会人になってから忙しいしね」


 私や奈々ちゃんはそうでも無いけど、お仕事を始めた面々はやっぱり忙しいようだ。 休みの日にはこうやって集まる事も多いけど、平日はこの屋敷の利用者も少ないしね。


「また、来年は大きな大会も無いし参加出来るでしょ」

「もしかしたら皆、お腹大きいかもしれないよ?」

「なはは!」

「少なくとも私はその可能性大ですわね……」


 奈央ちゃんは苦笑いを見せるのだった。 奈央ちゃんは来年中には子供を作る予定でいるらしい。 今から急いで子作りすると、夏から秋には出産という事になるからねぇ。


「でもさ、私達ももう子供を作るとかって話が現実味を帯びてきたわねー」

「紗希ちゃんはまず結婚するところからだよぅ」

「そうよ。 いつまで籍入れずに同棲してるわけ?」

「あー、まあ。 今年中かなぁ?」

「紗希の場合、授かり婚になるんじゃないか?」

「きゃはは! 大丈夫大丈夫! ちゃんと避けてるしー」


 紗希ちゃんは一応その辺はしっかりしてるようである。 頭の中はかなり桃色空間な紗希ちゃんではあるが、将来の事はちゃんと考えているみたいである。 


「そういう遥はどうすんのよ? ん?」

「うっ」

「ははは……どうしようか遥?」

「た、太一さん……話に乗らないで下さいよ」

「ははは」


 遥ちゃんと旦那さんの神山夫妻。 私達から見ても実に仲の良いおしどり夫婦である。 どちらも子作りとかそういう事はあまり考えたりしてなさそうに見えるけど、今後一体どうなる事やら。


「来年には私、叔母さんになっちゃうよぅ……」

「なはは……私もー」

「まだ来年と決まったわけではないわよ」

「うん。 早ければ、だよ」

 

 まあそうなると、来シーズンの試合は全休になりそうではあるが。 そればっかりは仕方ないよね。 宮下さんなんかも前シーズンは休んでいたぐらいだし。

 そろそろ色々と考えていかないといけなさそうである。



 ◆◇◆◇◆◇



 夕方。 テレビを皆で見ていると、とある映画の宣伝が流れて来た。


「おー! 麻美が原作のやつじゃん!」

「なは! ついにCM流れたー!」


 麻美ちゃんが書いた小説「時を越えて」を原作とする映画のCMが流れて来たのである。 ヒロイン時野めぐる役の主演女優はあのトップアイドル姫百合凛さんである。 公開日は12月9日となっている。 もう1ヶ月を切っているんだねぇ。 早くも話題になっているようで、前売り券が飛ぶように売れているようだ。


「なは! なはは!」

「また調子乗ってる」


 と、奈々ちゃんは呆れているけど、原作の小説の売れ行きも、同時発売した私の新刊より売れているらしいし、映画も成功しそうだし。 これぐらい調子に乗っても許されると思われるよ。


「12月9日ね。 ちょうど日曜日ですし、映画館を貸し切って皆で観にいきましょ」

「か、貸し切り?」

「西條グループだからね。 映画館も当然やってるよ」

「あ、そっか……」


 私も小説の方は読ませてもらったけど、映画で動いているのを見るのも楽しみだよ。


「今回の新刊に関しては、麻美の方がヒットしたって事ね」

「だね。 小説作家として一気に名前が売れたよね、麻美ちゃん」

「なは! なはは!」


 これというのも、私を目標として努力してきた結果であろう。 そんな麻美ちゃんを羨望の眼差しで見つめる子が一人。


「凄いですね。 あの清水先輩に勝ってしまうなんて」


 マリアちゃんである。 彼女もまた私を目標に頑張っている後輩である。 未だに私に勝ててはいないらしく、私に小説で勝った麻美ちゃんは尊敬に値するらしい。


「なっ! なはっ! なははっ!」

「あー、更に調子に乗ったわ」

「私はバレーボールでどうやれば清水先輩に勝てるんでしょうか?」

「バレーボールでは多分一生無理だと思うわよ……見たでしょ、ゾーンの先に入った亜美を」

「ですね……」


 マリアちゃんは「はあ」と大きな溜息をつくのであった。

麻美も調子に乗っていく。


「遥だ。 麻美の奴も頑張ってるな」

「うんうん」

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