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第2026話 お互い隙無し

試合は一進一退。

 ☆奈央視点☆


 東京クリムフェニックスとの試合は、1セット目最初のテクニカルタイムアウトを迎えている。 7-8と僅かなリードがあるものの、今日の相手には無いようなもの。 やはり一筋縄ではいかないわねー、あの4人は特に。


「前田さん。 ここまでは想定通りですの?」

「まあ、厳しい戦いになるだろうとは予想してましたよ」

「あはは。 そうだよねぇ」

「強いチームだってのはわかってたしねー」

「データ的には勝率はどれくらいなんだい?」

「50%程ですね」

「つまりわからないと」

「ははは。 はい……」

「まあ良いじゃん。 面白い試合になりそうで」

「ですわね」


 どっちが勝つかわからない勝負とか、燃えるじゃない。


「攻撃力に関しては五分。 守りに関しては僅かにですがこちらに分がありますので、その分多少は有利かも知れませんが」

「あってないような差ってわけだね」

「はい。 なので最初に言ったように、隙を見せた方が一気にやられますから注意して下さい」

「らじゃだよ」


 隙を見せたらやられる……ねー。 こっちもあっちも、そう簡単に隙を見せるようなメンバーじゃないとは思うけど。


「テクニカルタイムアウト終わりね。 戻るわよん」

「はーい」


 さて。 この先はどう立ち回ろうかしら? こちらもあちらもサービスエースを取れるビッグサーバーが存在するけど、先程月島さんはあえて普通のサーブでお茶を濁してきた。 おそらくは勝負所で使うつもりだろう。 そういう大局観が備わっている人だし、要注意ね。 私もさっきはネオドライブを打たずにいったし、お互い勝負所を見極めようとしているといったとこね。


 さて遥のサーブで試合再開。


「はっ!」


 パァンッ!


「拾います!」


 新田さんがいるとサーブを決めるのは難しいみたいですわね。 こればかりは仕方ないかしら。


「紗希ちゃん! 宮下さんにブロックだよ!」

「あいさー!」


 こちらに希望ちゃんがいる時は、宮下さんを使って来るようになりましたわね。 単純にパワーで押すだけのキャミィさんや月島さんでは、希望の守備を抜けないと考えているみたいですわね。 まあ、その攻め方正解ですわね。


 パァンッ!


「きゃはーっ……上手すぎー」


 ピッ!


 紗希のブロックを上手く利用し、しっかりアウトに取ってくる。 あれも厄介ですわね。 希望ちゃんとは勝負をしてこない。


「よっしゃナイスやで美智香」

「弥生っちもその気になればこれくらいは出来るっしょ?」

「出来ん事は無いで。 でも得意やないんや」

「ヤヨイはウチとおなじヤ。 パワーでゴリおすほうがスキなんヤ」

「はぁ……そこは頑張ってよね」


 どうやらあちらさんは宮下さん以外の2人は希望ちゃんとの相性が良くなさそうね。 逆に希望ちゃんがコートから抜けたタイミングが狙い目かもしれない。


「白鳥さん、ナイサー」

  

 クリムフェニックスの白鳥さんのサーブ。 この人のサーブはフローターサーブ。 拾いにくいサーブではあるけど、今は希望ちゃんがいるから大丈夫でしょう。


 パァンッ!


「オーライだよぅ」


 パァンッ!


「希望ちゃんがいると私も楽だよ」

「はいはい、走って! 同時!」


 同時高速連携の指示を出し、私はセットポジションへ。 亜美ちゃん、奈々美、紗希、遥が同時に走ってジャンプ。 私はその中から一番決められるそうな選手にトスを出す。


「奈々美!」

「爆砕!」


 パァンッ!


 物騒な言葉と共にスパイクを放つ奈々美。 新田さんを避けて白鳥さんを狙い打ったみたいね。 中々やるじゃない。 奈々美もパワーバカだと思ってたけど。


「よしっ、完璧!」

「ナイス奈々ちゃん。 コントロール効くようになったねぇ」

「まあ、ちょっと威力は抑えてはいるけど」

「あ、あれで威力を抑えてるの?」

「ええ、まあね」

「皆、こういうのを化け物って言うんだよ」

「きゃはは」


 8-9。 未だに差が開かないのは、お互いにチームの戦力を良く知り、対策をしっかりと講じて臨んでいるから。 特に希望ちゃんや新田さんに対しては執拗に対策しており、サーブレシーブ以外の仕事はさせていない。 2人を仕事させると、一気に決定率が下がるだろう。


「さてさて。 次は私のー♪ サーブだよー♪」


 亜美ちゃんのサーブ。 威力こそ無いけど、コントロールは世界一。 正にピンポイントサーブと呼ぶに相応しいサーブよ。 コートにいるアリを狙えと言われれば、間違い無くそのアリに着弾させてくれるでしょう。


「いくよぉ。 てやや!」


 パァンッ!


「やっぱりヘナチョコですわね」

「ちょっとは威力が上がってるんだよ?!」


 たしかに、筋トレとかをしてパワーが多少はついたみたいだけど、まだまだ一般的に見ればヘナチョコですわね。


 パァンッ!


「簡単に拾われるんだよねぇ」

「パワー上げなさいパワー!」

「頑張ってるんだよぉ……」

「ブロック! こっちデス!」


 マリエルさんは冷静にトス先を見てリードブロックに。 紗希が後からマリエルの隣に移動し、何とか2枚ブロック。 アタッカーはキャミィさん。 チャンスだわ。 コートには希望ちゃんがいないタイミング。 このタイミングならキャミィさんも何も考えずに打ってくるだろう。 ブロック2枚はストレートを開けて飛んでいるので、キャミィはそのままストレートに打ってくると思う。 亜美ちゃんはそれを見てしっかりストレートのコースに立っている。


「いねヤ!」


 パァンッ!


 予想通り! ストレートだわ!


「オーライだ、よぉぉっ?!」


 パァンッ!


 真っ正面に入った亜美ちゃんがボールをレシーブすると、亜美ちゃんは上半身を仰け反らしながら何とかボールをレシーブ……したけど、完全にDパス。 コート外へすっ飛んで行ったわ。 レシーブした亜美ちゃんもバランスを崩して倒れ込んでるし。


「ヨッシャ!」

「ナイスキー、キャミィっち!」

「だはは! 亜美ちゃん、ぶっ倒れとるで!」


 亜美ちゃんが威力に押されたみたいね……。 亜美ちゃんだってレシーブは上手いのだけど、そんな亜美ちゃんをねじ伏せるとはね。


「あいたたただよ……」

「大丈夫? 亜美ちゃん頭は打ってない?」

「麻美ちゃんじゃあるまいし大丈夫だよ」


 しかし参ったわね。 一番何とか出来そうなキャミィのスパイクを、亜美ちゃんが拾えないとなると……。 前田さんの方を一瞬だけ見ると、前田さんも困ったような表情を見せている。 キャミィのパワーに亜美ちゃんが対応出来ないのは想定外だったか。


「切り替えましょ。 まだまだ序盤も序盤だし、何とかなりますわよ」

「だねぇ。 奈々ちゃんがレシーブ上手ならなぁ」

「悪かったわね、へっぽこレシーブで」

「そんなこと言ってないで。 さ、守備守備」


 さてさて。 亜美ちゃんはキャミィさんとの相性が悪いと……。 現状、亜美ちゃんが止められないとなると希望ちゃん以外ではどうしようもないけど……どうしようかしらね?


完璧に読んだが止められないキャミィのスパイク。


「亜美だよ。 い、痛いよ」

「腕が赤くなってるよぅ」

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