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2016/2227

第2012話 戦力

チーム練習に参加するため、アルテミスドームへ来た奈央達。

 ☆奈央視点☆


 アルテミスのチーム練習へとやっって来た私達。 平日という事もあって、仕事組は来れていないわ。 これは今後もその傾向が続き、基本的には平日の練習や試合には仕事組は参加出来ない。 まあ、重要な試合には有給を取って参加する事もあるでしょう。


「でだ。 お前達は開幕戦の京都ハンナリズ戦には出られるのかぁ?」

「私は出るわよ」

「奈々ちゃんは出るんだね。 奈央ちゃんは?」


 亜美ちゃんが首を傾げながら訊いてくる。 私のスケジュールを管理しているのは亜美ちゃん。 ちなみに私は把握してないわ。


「開幕戦の日のスケジュールはどうなってますの?」

「んとねぇ。 開幕戦の21日の金曜日は特に無いね」

「そう。 なら私も試合には出ますわ」

「奈央ちゃんが出るなら私も出るよ」


 という事で、私、奈々美、亜美ちゃんは試合にベンチメンバーとして参加予定となったわ。 夜にでも他のメンバーにも確認しましょう。 まあ、今日は練習練習。


「ワールドカップ組の実力に関しては今更見る必要は無いですわねー。 という事で、それ以外のメンバーの今の力を見たいですわね」

「そだねぇ」


 牧田さん、高嶺さん、姫神さん辺りが特に上位組かしら? 私は(セッター)の姫神さんを見てみましょうかしらね。 牧田さんに関しては麻美にしかわからないから麻美に任せておきましょう。 高嶺さんは亜美ちゃんか渚が見るでしょ。



 ◆◇◆◇◆◇



 練習が始まって30分。 姫神さん、冴木さん、眞鍋さんの(セッター)組で練習。 姫神さんのトスの技術は如何程の物かを見ているのだけど。


「ふむ。 スタメンに抜擢されるだけありますわね。 まだまだ伸び代もありそう」

「そうでっしゃろ? まあ、まだウチら程やないにしても、十分スターティングでやってける」

「ありがとうございます」

「き、強力なライバル……」


 と、冴木さんが焦るぐらいには技術がある。 まだまだ冴木さんの方が上みたいだけど。 やはりワールドカップを経験したかしてないかの差はかなり大きいですわね。


「アタッカーとの相性も大事ですわね。 その辺は?」

「紅白戦で色々な人にトスを上げる機会がありましたから、その辺りも大丈夫かと」

「ふむ。 (セッター)の層はかなり厚くなっていますわねー。 他はどうなのかしら?」

(リベロ)のクロエはんは言わずもがなや」

「ですわね」

「牧田はんは技術的にはまだちょっと劣りはるけど、守備範囲の広さやったら代表の雪村はんや新田はんに引けを取らへんよ」

「牧田さんって、麻美の弟子の子よね? やっぱり『匂いがする』とか言うの?」

「そやなぁ。 そのタイプやな」


 つまり、牧田さんも野生の勘で相手のプレーを先読みして動くタイプという事ね。 希望ちゃん辺りからレシーブのテクニックを学べば化けそうですわ。


「ちょえーい!」


 パァンッ!


「なはは! それじゃあCパスだぞー!」

「ぬーん! もういっちょお願いします!」

「イクゾー! ちょいさー!」


 パァンッ!


「ちょいさー!」


 騒がしい2人ですわね。 まあ、牧田さんのレシーブの技術力がまだまだってのは見ればわかりますわね。 やっぱり希望ちゃん辺りに師事した方が良さそうですわ。


「他の(リベロ)は?」

「楢原はんが有力やな」

「なるほど」


「アタッカーの方は?」

「アタッカーは相変わらずや。 和香はんと天堂はんのワールドカップ組は言わずもがな。 高嶺はんもどんどん力をつけてきてはって、スターティングはこの3人がほぼ固定や」

「まあ、そうなるでしょうね」


 その3人が常駐メンバーで抜けているのは見ていても明らか。 来年にはそこに渚、海咲さんも加わるし、それで無くても奈々美、紗希、亜美ちゃん、マリアもいるし、OH(アウトサイドヒッター)はこれ以上取る必要はないですわねー。


MB(ミドルブロッカー)はどうですの?」

MB(ミドルブロッカー)はマリエルはんがスターティング固定やけど、星野はんが成長株やね。 ベテランの岸谷はん、長身の北見はんもかなり有力やよ」

MB(ミドルブロッカー)も層は厚いみたいですわね」

「そやな。 もう来年以降のトライアウトの事考えてはるん?」

「まあ、一応。 私達のグループは毎試合出られるわけじゃないから」

「なるほどやな」


 この戦力なら、クリムフェニックスやホワイトフォックス、ブルーコンドルズとも戦えそうですわね。



 ◆◇◆◇◆◇



 練習の途中でマリアも合流。 大学から直行したらしいわ。 マリアはそこから時間一杯まで練習をしていたわ。


「練習終了だ! クールダウンだ!」

「はぁーい」


 夕方17時には練習終了。 後は開幕戦までは練習は休み。 調整期間ですわね。 私達も開幕戦にベンチメンバーで出るつもりだし、しっかり調整しないといけませんわねー。


「さて。 皆さん、夕飯行きますわよ」

「出たよ、奈央ちゃんの大盤振る舞い」

「焼肉っすか?!」

「今日はお寿司にしましょ。 良いお店がありますわ」

「やったー!」

「では行きますわよー」


 練習の後は毎度おなじみの夕食タイムよ。 西條家私用バスにチームメイトを乗せて、いざお寿司屋さんへ。


 ブロロロ……


「他のメンバーはどうすんの?」


 と、奈々美。 仕事組で練習に合流出来ていないメンバーの事でしょう。


「練習に参加してない人はお寿司無し!」

「遥が暴れるわよ……」

「知らないですわよー」


 ブロロロ……



 ◆◇◆◇◆◇



 西條グループ経営のお寿司屋さんへやって来たわ。 特上握りを皆に振る舞い、優雅な夕食といきますわ。


「オイシイです!」

「ハムハム!」

「マリエルさんとクロエさん、目の色が変わってるよ……」

「なはは」

「日本に来てからお寿司を食べた事は無いんですの?」

「ナイです」

「ハムハム!」


 どうやらお寿司を食べるのは初めてらしい。 興味はあったらしいが、ちょっと敬遠していたみたいですわね。 やはり、生の魚介類を食べるっていうのは、海外の方々からは敬遠されがちなのかしらね。


「ハムハム!」

「ハムハム!」

「にしても凄い食べっぷりね」

「なはは。 まるで宏太兄ぃと蒼井先輩みたいー」

「あ、あはは。 たしかにだねぇ」

「初めて食べる寿司がこれやからなぁ。 もう他の寿司は食えへんやろな」

「わ、悪い事したかもしれませんわね」


 これから回転寿司とかに行っても、これ以上のお寿司を食べる事は出来ないだろうし。


「ところで監督。 開幕戦のスタメンは?」

「前田君から聞いているスタメンは佐伯、天堂、高嶺、姫神、マリエル、クロエの6人だ」

「やはり眞鍋さんはスターティングじゃないんですのね」

「前田さんには何か狙いがあるのかな?」

「あの人の事だからおそらくね」

「ハムハム!」

「ハムハム!」


 開幕戦のスタメン予定の2人はお寿司にがっついていて話を聞いてないみたいですわねー。 ま、良いけど。 後は開幕戦の為に体調を整えておきましょう。

チーム戦力も申し分無し。


「奈央ですわ。 開幕戦は京都ハンナリズ。 勝ちますわよ」

「おー」

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