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2012/2226

第2008話 麻美は免許が欲しい

麻美が何か本を読んでいるようだ。

 ☆麻美視点☆


 10月15日の土曜日ー。


「麻美ちゃん、何読んでるの? 誰かの新作小説?」


 私が本を読んでいると、亜美姉が興味津々に聞いてくる。 亜美姉は読書家だから、私が読んでる本が気になって仕方ない様子ー。


「これー」

「……ん。 普通免許の参考書? あ、そういえば麻美ちゃん免許取りたいって言ってたねぇ」

「うむ」

「本気で取るつもりなの……」

「取りたいー」

「亜美姉はどう思うー?」

「うーん。 麻美ちゃんの方向音痴矯正はまだ完全じゃないし、まだ早いかな」

「えーっ……じゃあ、早く方向音痴治さないとー!」

「あ、あはは……じゃあ、今からやる?」

「うむー!」


 という事で、久々に方向音痴矯正特訓をするぞー。 今日はどんな内容だろうー?


「ふーむ。 よし」


 と、亜美姉は何やらスマホをポチポチと操作し始めて……。


「麻美ちゃん、この地図の辺りの神社とかって御朱印巡りした?」

「ぬぅん? ちょっと見せてー」


 亜美姉が開いた地図を見てみる。 どうやら私もまだ手付かずのエリアのようだー。


「まだー!」

「よし! それではこの辺りに向かうよ!」

「りょーかーい!」

「ウチもええか? 暇つぶしに」

「私も私もー」


 月島先輩と美智香姉、可憐ちゃんも同行。 他にお姉ちゃんと渚も加えていざ、私の方向音痴矯正特訓へ!



 ◆◇◆◇◆◇



 亜美姉の車に乗って、私がナビをしながら移動開始。 近所の道はナビも必要無いという事で、市内に出た辺りから私の出番だぞー。


「ついでに美智香も方向音痴矯正したらええんちゃう?」

「うわはは! 私は方向音痴じゃないわよー」

「なはは! 美智香姉も私と同じかー!」

「うわはは!」

「賑やかだねぇ」

「キャミィさんがついてこなくて良かったわね」

「アレがおったら更にうるさなるさかいな」

「あはは……」

「まーまー」

「おー、可憐どうちたのー?」

「ぶーぶー」

「そうそう。 ぶーぶーね」


 可憐ちゃん、結構賢いのかもー。 ちゃんと車をぶーぶーと認識しているー。


「可愛いねぇ」


 亜美姉は顔をにこにこさせながら、バックミラー越しに可憐ちゃんを見ているのだったー。



 ◆◇◆◇◆◇



 市内に入り私の出番ー。


「次の交差点を右折ー」

「右折らじゃだよ」

「合うてるんか、それ?」

「ん? 麻美ちゃんを信じてるんだよ」

「責任重大ー」

「ちなみにどこまでいくつもりなわけ?」

「ここー。 この辺の神社はまだ回ってないー」


 千葉県の北の方はまだ手を付けていないのであるー。 免許取って車買ったら、是非色々な場所へ行って御朱印をいただきたい。


「麻美っちは四国のお遍路以来、御朱印集めにハマってんねー」

「うむー。 凄く楽しいー」


 最近はゆりりんとも色々と情報交換したりしている。 ゆりりんはお仕事で日本全国に行くから、色々な場所の御朱印を集めているらしい。 羨ましいー。


「麻美ちゃん。 次の交差点は?」

「真っ直ぐー」

「うんうん。 良い感じだねぇ。 かなり方向音痴が治ってきたとみえるよ」

「むしろどうして今まで方向音痴だったのよ……」

「知らなーい」

「はあ……」


 お姉ちゃんは大きな溜め息を一つつき「私は麻美が車運転するのは心配だわ」と、呟くのだった。



 ◆◇◆◇◆◇



 ブロロロ……


「おお……真っ直ぐ目的の神社に着いたよ」

「麻美っちやるじゃん!」

「もう方向音痴やないんとちゃう?」

「そうね。 これならもう方向音痴ではないわね」

「なはっ! なははっ! 私は天才だったかー!」

「いや、これは普通でしょ……」

「あーうー」


 とりあえず神社に着いたのでお参りをしていく。 更には御朱印もしっかりといただき目的達成。 この後近くの神社を数カ所周り、「皆の家」に戻るよー。


「御朱印がまた増えたー」

「良かったねぇ」

「もう結構な数集まってるでしょ?」

「うむー。 でもまだまだー!」


 千葉県すら制覇していないのである。 まだまだ先は長いー。



 ◆◇◆◇◆◇



 御朱印巡り兼方向音痴矯正訓練を終えて帰ってまいりました!


「亜美姉! どうだー!」

「うん。 合格だねぇ」

「やったー! よーし、免許取るぞー!」


 亜美姉からもお墨付きをいただいたので、早速免許を取る為の勉強をしていこうと思います。

 亜美姉も色々と教えてくれるとの事なので、非常に助かるー。


「まあ、好きなようにしなさいな……」


 お姉ちゃんも諦めたのか、もう免許を取るのを止めたりはしないとの事ー。 何でそんなに嫌なのかー?


「まあ、姉として心配なんはわかるけどやな。 麻美っちかてもうガキやあらへんねんから」

「わかってるわよ」

「なはー」


 とりあえず、亜美姉に教わりながら法定の勉強を始めていくのであったー。



 ◆◇◆◇◆◇



 夜になり、とりあえず「皆の家」で夕食を食べる私達。 今日は人数も少なめー。 東京組、マリア、前田さん、夕也兄ぃ、希望姉、宏太兄ぃしかいないー。


「亜美姉。 私免許取れるー?」

「大丈夫だよ。 そんなに難しくないから」

「おー! 頑張るー!」

「麻美ちゃんの車の運転か……しばらくは乗らない方が良いかもな」

「なはは! 夕也兄ぃは第一号だぞー! 真っ先に乗せてあげよー!」

「……」

「まあ、頑張れよ。 犠牲者第一号」

「ぐぬぬ」

「こらこら。 麻美ちゃんの運転をまだ見てないのにそんな事言わないの」

「そうだぞー!」


 レースゲームもやった事あるし余裕ー。


「ま、まあ。 とりあえず免許だな」

「うむ」


 そういえば、亜美姉は凄い早さで免許取ってたっけー? 私も毎日通って早く取るぞー。


「亜美姉が通ってた教習所紹介してー」

「うん。 今度連れて行ってあげるよ」

「やったー!」


 亜美姉は実に協力的であるー。 私が免許を取る為に全力でサポートしてくれるそうだ。 宏太兄ぃは「亜美ちゃん先生に任せておけば間違いない」と言っているー。  何せ宏太兄ぃを留年の危機から救い出し、蒼井先輩を大学に受からせて花嫁修行まで面倒を見た人である。 亜美姉先生はどんな生徒もたちまち優等生にしてしまうのだ。


「亜美ちゃん、ほんまに先生とかの方が向いてるんちゃう?」

「よく言われたけど、先生になる気は無かったよ」

「そうなんか。 まあ、友人に教えるんと実際学校の生徒に教えるんは別もんやからなあ」

「そゆこと」


 亜美姉はあくまでも友人の為だけに教えるのだそうだー。 ちなみに亜美姉が教えた人は進学率100%らしい。 やっぱり凄いー。


「可憐のお受験の時は亜美っち先生にカテキョお願いしちゃおうかしら」

「随分と気の早い話だねぇ。 でもお任せあれだよ。 その時になったら連絡ちょうだいね」

「うわはは! 可憐の将来は安泰ですな」


 皆の子供の勉強を亜美姉が見るようになる日が、その内やってきそー。 亜美姉頑張れー。 あ、その前に私も頑張らないとー。

麻美も免許取得に向けて本格始動?


「亜美だよ。 麻美ちゃんなら大丈夫だよ」

「事故とか心配よ」

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