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2010/2226

第2006話 活動再開

麻美はパソコンで何がしているようだが?

 ☆麻美視点☆


 カタカタカタ……ターンッ!


「なはは。 活動再開のお知らせと動画投稿完了ー」

「おお」

「これで『ミルフィーユ』の活動も再開やな」

「ギターの腕、鈍ってないか確認しとかないといけないわね」

「うむー」


 私、亜美姉、お姉ちゃん、渚の4人はギター四十奏「ミルフィーユ」を結成している。 イベントにも参加したし、SNSや動画でも結構人気があるのだ。 再開報告にも沢山の反応があり、演奏曲のリクエストなんかも送られてくる。


「リクエストも多いね」

「そうね。 でも亜美はオリジナルソング考えてるんでしょ?」

「もう出来てるよ」

「は?」

「もう出来てる」


 と言って、亜美姉は「んしょ」とカバンから紙の束を出してきた。 多分、亜美姉が作ったというオリジナルソングの歌詞と楽譜だろう。


「はいこれ。 それぞれのパート毎の楽譜だよ」


 と、私達に楽譜を配って満足そうな亜美姉。 パッと見たところ、難易度は抑えめにしてあるように見えるー。


「いつの間にこんな物を作ったのよ?」

「秘密だよ」

「清水先輩、ほんま謎過ぎる……」

「なはは。 ちょっと弾いてみるー」


 マイギターを出してきて、早速楽譜を見ながら演奏してみる。 久しぶりに演奏するけど、指がしっかりとコードを覚えている。


 ジャーン……


「弾けそうー! 早速練習するー」


 という事で、私は座り込んで楽譜と睨めっこしながら演奏練習を再開ー。 渚も負けじと練習を始める。 うおー! どっちが先にマスター出来るか勝負ー!


「はあ。 麻美は歌の方もしっかり練習しなさいよ」

「わかってるー」


 私は歌が苦手だからねー。 そっちもしっかり練習するぞー!


「ちなみにこの曲のタイトルは?」

「もちろん『ミルフィーユ』だよ」

「オリソンっぽいわね」

「早速SNSでお知らせするぞー」


 カタカタカタ……ターンッ!


「投稿完了ー」

「麻美ちゃんが居て助かるよ。 私はこういうのよくわからないからねぇ」

「なははー! 宣伝広報は任せろー」

「その辺は麻美に任せといたらええな」


 私は「ミルフィーユ」の宣伝部長なのだ。 動画編集や投稿もやっているのだ。 なはは!



 ◆◇◆◇◆◇



 夕方ー。 今日は宴会は無いので、集まっている人はそんなに多くはないー。 西條先輩に北上先輩、東京組にマリアと前田さん。 後は私達だけー。 夕也兄ぃと希望姉はもうすぐ来るみたいだー。 むぅ? あれ、結構いるのでは?


「今まで人数が多すぎて、それが普通になってるからか、この人数でも少なく感じるねぇ」

「感覚が狂っとるな……」

「ワハハ」

「賑やかでス」

「東京組の私達はまだ慣れてないしね」

「可憐も楽しそうよ」

「あーい! まーまー!」

「おー、よちよち」


 可憐ちゃんは、美智香姉の膝の上で抱っこされながら、楽しそうに笑っている。 いやいや、可愛いですなー。


「ほんで? オリジナルソングやっけ? 亜美ちゃん、ほんま多才やな」

「いやいや。 そんな事は無いよ、むふふ」

「亜美って、即興歌はセンス無い癖に、こういうちゃんとした曲は作れるのよね」

「にしても、いつの間にそんなものを作ったんですの?」

「それよね。 隠さず話しなさいよ」

「まあ、隠すような事でもないからねぇ。 夏の間にちょちょいって」

「ちょちょいって作ってこのレベルかいな。 ソングライターもやれるんちゃうんか?」

「まあ、やれてもやらないけどねぇ。 やるにしても『ミルフィーユ』専属だよ」

「なはは! 亜美姉が居ればオリジナルソング作り放題ー!」

「そ、そんなには作れないよ」


 まあ、いくら亜美姉でもそんなにポンポンと作曲出来るわけないかー。


「うへっ。 SNSの反響凄い事になってんで麻美」

「なは? のわわ、本当だー!?」


 渚に言われてSNSを開いてみると、先程投稿したオリジナルソング練習中の書き込みに対して、凄い数の反応が来ているー!


「うわわっ! うわわっ! 私の曲大丈夫かな?! こんな曲で皆の期待に応えられるかな?!」

「大丈夫やろ。 歌詞見た感じ問題あらへん。 曲は……まあ、ウチはギターコードは読まれへんから聴いてみなわからんけど」

「待っててね。 今からメロディーラインを弾いて聴かせるよ!」


 亜美姉は凄い速さでギターを取りに行く。 そういえば亜美姉、古いギターを下取りして新しいギターを買ったんだっけ?

 すぐに戻って来た亜美姉は、普段からは想像出来ない低音イケボで歌いながら、新しい曲の主旋律の演奏を始める。

 私達はその亜美姉の美声と音色に聞き惚れる。 このバラード調のゆっくりした曲も中々良いー。


「どうかな?」

「ええやん。 ウチは好きやで」

「なはは。 私も好きな曲だー。 早く合わせられるようになりたいー」

「そうね」

「練習頑張らんとなー」


 この曲を発表出来る日が楽しみだぞー。



 ◆◇◆◇◆◇



 翌日ー。 今日は大学ー。 大会中休学していたからねー。 単位は足りてるから問題無いけどねー。 なはっ!


「渚も単位は問題無いかー?」

「大丈夫や。 まあ、ギリギリやけどな……」

「なはは。 早く卒業してVリーグに合流したいー」

「ほんまそれやな。 私もお姉ちゃんと試合したいし」

「そっかー。 月島先輩は敵チームだったー」


 最近は同じチームで戦ってたから忘れてたー。 そういえばVリーグももう始まるんだねー。


「直近でアルテミスがクリムフェニックスと対戦するのはー……」


 スマホを操作して試合日程を確認するとー。


「11月1日ー!」

「結構すぐやな……」

「その日には亜美姉と月島先輩の試合が見られるかもー」

「ほんまやな……何やめっちゃ見たいな!」

「うむー! この日試合見に行くぞー!」

「そやな!」


 亜美姉と月島先輩は、中学時代から「月姫激突!」と銘打たれる程の注目度を誇る。 高校卒業後、プロになった月島先輩と進学した亜美姉は、長らく公式戦での対決が無かったが、遂にその日がやって来るかもしれないー! 帰ったら亜美姉に聞いてみよー!



 ◆◇◆◇◆◇



「11月1日だよね? 私は出る予定だよ」

「やったー!」

「遂に……遂にやな。 亜美ちゃんとの直接対決!」

「あはは。 お待たせしたねぇ」

「うわはは! 私だって負けないわよ!」

「ワハハ!」

「雪村先輩はどうなんでしょう?」

「まだ聞いてないけど……」

「そうですか」


 アルテミス側のメンバーはどうなるのか、今のところまだわかっていないー。 皆が揃ったら凄い試合になるだろうなー。 早く私も混ざりたいぞー!


「大会終わった後も何だかんだ忙しいわね」

「お、何や。 奈々美っちも試合出るんか?」

「私は出来る限り試合には出るわよ。 専業主婦だし」

「おうおう。 楽しみになってきよったなぁー」

「うわはは! Vリーグの試合も楽しみね」


 こうなるとバレーボール界隈は盛り上がりそうー。 ワールドカップも優勝したし、また注目されそうだぞー。 「ミルフィーユ」も波に乗りたいところだ。

オリジナルソングを引っ提げで「ミルフィーユ」活動再開。

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