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第1925話 シドニーでもスパへ

試合の無い空き日。 退屈している紗希だが?

 ☆紗希視点☆


 決勝トーナメントに入ると試合の間隔が空くのよね。 昨日1回戦を勝ち上がった私達の次の試合は明後日。 相手はグループ予選でフランスに勝っているカナダよ。 まあ、フランスはわざと負けたらしいんだけど。

 さて。 空き日でも基本的には他チームの偵察の為に試合を見に行ったりするんだけども……。


「偵察する試合すらないと来たか」


 有力チームの試合は明日に集中しており、今日は特に見るべき試合は無いという話が前田さんから通達された。 観光と言ってもこの間の空き日にある程度やっちゃったという奈央。


「暇よー! 暇暇ー!」

「そう言われましても……あまり意味無いけど試合を偵察に行く?」


 奈央がトーナメント表を見ながら「本当に意味が無いわね……」と、苦笑いする。 どうせアメリカやブラジルに負けるようなチームの試合なんか見ても仕方ないわよ。


「ナオえもんー! 何か無いのー?」

「さき太くんはすぐにそうやって……って、誰が青狸よ!?」

「きゃはは。 でもさ、本当に何か無いの?」

「仕方ないわね……ちょっと調べてみるわ」

「ナオえもんさすがだぜ」

「遥まで言うか!?」


 ぎゃあぎゃあと言いつつも、スマホで遊べそうな場所を調べてくれている我が親友。 今日は薄紫の髪を三つ編みにしておさげにしているわ。 こうやって見たらマジで子供に見えてウケるわ。


「あら。 近くに西條グループのスパがあるわね。 知らなかったわ」

「スパ? 良いじゃん良いじゃん。 最高じゃない。 試合の疲れを癒しましょうよ」

「私も紗希もまだ試合に出てないけど?」

「きゃっは!」


 そいえばそうだったわ。 いつ試合に出してもらえるのかしら? 采配は前田さんに任せているみたいだし、前田さんに聞いてみよっかなぁ。


「とりあえず、代表メンバーにチャットして、スパへ行きたい人を募りましょ」

「そうね」

「私も準備だぜ」



 ◆◇◆◇◆◇



 15分後。 VIPフロアのロビーに集合した暇人達。 私、奈央、遥は当然参加として、亜美ちゃん、希望ちゃん、奈々美に麻美、渚、弥生、宮下さん、新田さん、黛姉妹、更にー、前田さん、冴木さん、天堂さん、神園さんが参加。 おまけで今井君、佐々木君、北上君に姫百合さんの応援団組もついてくるみたい。 残りの佐伯さんや眞鍋さんはパスとの事。 暇だと思うけど何してんのかしら?


「スパがあるなら何で言わないのよ?」


 スパや温泉というものが大好きな奈々美が奈央に文句を言っているが、奈央も「知らなかったのよ」と返す。 秘書の亜美ちゃんも観光スポットの事は調べていたらしいが、周辺施設までは頭が回らなかったらしい。 何はともあれこれで暇が潰せるという事で、私達暇人一行は、シドニーにある西條グループのスパへ向かう。


 ホテルを出ると外は快晴。 今の時期シドニーは温暖な季節でとても過ごしやすいわ。 私達はゾロゾロと連れ立って歩く。 ホテルから20分歩いた場所にあるという目的のスパ。 ホテルから近いのに奈央も亜美ちゃんも知らなかったとは……。


「どないなスパ施設なんや?」

「日本にもチェーンがあるから似たようなとこだと思いますわよー」

「いや、知らんがな」


 黛姉は「西條グループのスパ施設なんか行ったことあらへんがな」と喚いているわ。 行きゃわかるわよね。



 ◆◇◆◇◆◇



「ここですわね」


 奈央が立ち止まりそう言った。 私達は目の前に建つ、めっっっちゃくちゃデカい施設を見て「これに気付けないって私達もどうかしてるわ」と、内心で呟いた。 一応地元民も利用する施設らしいけど、さすがは西條グループの施設。 ちゃんと日本語でのサービスも行っているみたいで、案内板にはしっかり日本語も書かれている。 フロントで奈央が日本人の受付を呼び、例のカードを提示して西條グループ時期総帥権限を行使しているわ。 これで私達は無料で利用出来るってわけね。


「では皆さん、更衣室で湯浴み着に着替えて自由に寛いで下さいな。 集合は15時で良いですわね」

「ほーい」


 という事でここからは自由行動よ。 早速湯浴み着に着替えてレッツゴー!


「うわ……神崎大先輩凄い……」

「大きいのに形も綺麗だし……」

「きゃはは。 どうさ、私の美巨乳は!」

「ただ脂肪の塊がぶら下がってるだけですわよ」

「奈央には無いけどね」

「ありますわよ!? ほら! ちょっとだけ!」

「奈央ちゃん、言ってて悲しくならない?」

「虚しいわ……さっさと行きましょ」

「きゃはは。 待て待てー」


 私は当然奈央と行動するわよ。 私と奈央が一緒だと、親子に間違えられそうよね。 奈央は小学校で成長止まってるし。


「岩盤浴しますわよー」

「岩盤浴岩盤浴」


 奈央について行くと、まずは岩盤浴コーナーへとやって来たわ。 割と人気のコーナーらしく、そこそこ利用者がいる様子。 私と奈央にくっついて来たのはマリアと前田さんと冴木さん。 この3人結構仲良いのよね。


「岩盤浴……楽しみです」

「マリア、あんまこういうとこ来なさそうよね」

「はい」


 と、頷きながら早速岩盤に寝転がるマリア。 しばらくして「おー……なるほど」と、感嘆の声を上げる。


「これは中々……」


 普段あまり表情が変わらないで有名なマリアだけど、今は少し恍惚とした表情をしているわ。 何かちょっとエロいじゃない。


「にしてもマリアって、そうやって仰向けに寝ると結構胸が目立つわね」

「そうでしょうか?」

「いや、神崎先輩の山脈が凄すぎて……」

「データによると102cmです」

「ひ、ひゃく……」

「きゃはは」


 まあ、もうさすがにこれ以上は成長しないと思うけどねー。 つーか、私ももうこれ以上は嫌だし。


「15cmぐらいよこしなさいよ……」

「奈央もやっぱり欲しいんじゃん」

「あった方が何かと喜ばれるのよ!」

「北上君に?」

「そうよ!」

「きゃはは!」

「何だか凄い話をしてるような……」

「北上さんは大きいのが好き……後でデータに追加しなければ」

「何の役に立つんでしょうか?」

「はぁ……気持ちいいです」


 マリアだけはマイペースに岩盤浴を楽しんでいた。



 ◆◇◆◇◆◇



 岩盤浴を楽しんだ私達は、次に炭酸泉コーナーへとやって来たわ。 ここには亜美ちゃん、奈々美、麻美が来ているみたいね。


「奈々ちゃん。 早く年寄り臭くなった方が良いよ」

「ならないわよ」

「またやってますの?」

「きゃはは。 亜美ちゃんのその拘りは何なわけ?」


 亜美ちゃんと奈々美が一緒にお風呂に入ると決まってこのやりとりが行われる。 奈々美が年寄り臭いセリフを口に出すと、亜美ちゃんがすかさず「年寄り臭いよ」と言うのだ。 しかし、たまに今日みたいに奈々美が何も言わないと、亜美ちゃんが「早く年寄り臭くなってよぉ」と言い出すのよ。


「これはノルマなんだよ」

「意味わからないでしょ? 私もわからないもの。 亜美は昔からちょっと変なのよ」

「変って……あ、前田さんだ。 おーい」


 亜美ちゃんが手を振って前田さんを呼んでいるわ。 前田さんも岩盤浴からこっちに来たのね。


「ふぅ。 気持ち良いですね」

「前田さん、年寄り臭いよ!」

「えぇ……」

「誰でも良いのね……」

「そんなことより、カナダ戦のスタメンってもう決まってるの?」


 亜美ちゃんが前田さんにバレーボールの話を振っていく。 カナダ戦のスタメン……私や亜美ちゃん、奈央はまだ試合に出てないのよね。 カナダ戦こそは……。


「決まってますよ?」

「誰? 誰?」

「清水さん、神崎さん、月島弥生さん、西條さん、雪村さん、麻美さんです」

「よし!」

「暴れてやるわよー!」

「なははは!」

「あ、カナダ戦に皆さんを出すのは試合勘が鈍らないようにする為です。 くれぐれも本気でやらないように」

「えぇ……」


 ま、まあ試合に出れるだけでも良しとしますか。 さて、次はどの湯船へいきましょうかねー。

もう少しスパを楽しもう。


「遥だ。 カナダ戦は出番無しかー」

「遥ちゃんはもう試合出たでしょ?」

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