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第1917話 橋と動物園

ハーバーブリッジへやって来た一行。

 ☆奈々美視点☆


 シドニー観光中の私達は、オペラハウスを観光した後、歩いてすぐの場所にあるハーバーブリッジへとやって来たわ。 奈央がツアーを手配してくれているらしく、この後でハーバーブリッジのアーチの上に登るみたい。 その前に、普通に歩いて橋を渡るわよ。 長さ1149m幅49mの橋で、ゆっくり歩けば20分程で渡れるみたい。 渡り切った場所からツアーに参加し、アーチの上へ登る。 降りて来たらオペラハウスに戻り、バスに乗って次の場所へ移動する予定よ。


「さあ、ここから渡りますわよー」

「おー!」


 私達日本代表とその応援団一行は、ゾロゾロと並びながらハーバーブリッジを渡り始める。 橋の位置は高い位置にある為、先程まで見ていたオペラハウスを見下ろすような位置にある。 また、シドニーの街並みをゆっくりと眺めながらブリッジウォークを楽しめるわ。


「シドニーの街並みも綺麗だねぇ。 素晴らしいよ素晴らしい」

「なはは。 あれはワールドカップバレーの会場ー?」

「そうだねぇ」


 オセアニアを代表する国オーストラリア。 そのオーストラリアの中でも賑やかな街シドニー。 オペラハウスやハーバーブリッジのようなランドマークや、色々な観光スポットがあり、中々1日では回り切れない感じだわ。


 20分程、シドニーの街を眺めがら歩いた私達。 気付けばハーバーブリッジを渡り終えていた。 その後は、西條グループのツアーに参加してハーバーブリッジのアーチの上を歩いたわ。 アーチには階段があり、それを登って行く形となっていた。 希望と渚はそのあまりの高さにぶるぶると震えながら、時に私や弥生に揶揄われて歩くのだった。



 ◆◇◆◇◆◇



 ハーバーブリッジを後にした私達。 大変満足したわけだけど、観光はまだまだ続く。 次はタロンガ動物園とやらに向かうらしい。 これまたの辺りの近くにある動物園らしく、バスやフェリーでアクセス出来るみたい。 今回は西條家のバスで向かう。


「動物となれば宏ちゃんと前田さんの出番だね」

「まるで動物が絡まないと役に立たないみたいな言い方だな……」

「私は日本代表のマネージャーとして役に立ってますよ?」

「何や? 前田さんと藍沢さんの旦那はんは動物に詳しいんか?」

「まだ旦那じゃないわよ。 まあ、2人ともペットショップで働いてるし詳しいわよ」

「私は佐々木さん程、色々な動物に詳しいわけじゃないです」

「宏太兄ぃは動物園博士ー」

「そこまででもないが……」

「とはいえ、普段IQ1桁な佐々木君が、動物関連になると東大生並みのIQになるぐらいには詳しいじゃないですの?」

「普段IQ1桁ておもろ! ドアホやん!」

「姉ちゃん失礼やで。 それに、姉ちゃんも普段大して変わらんぐらいアホやん」

「ウチは2桁はあるわい!」

「俺もさすがに2桁はあるだろ……」


 さて、バスはタロンガ動物園に到着。 動物園なんて基本的にどこも似たような物だと思っていたが、亜美曰くオーストラリア最大の動物園という事で、想像以上に立派な物であった。


「ここタロンガ動物園には、オーストラリア固有種も含め様々な動物が収容されていますわ」

「宏太兄ぃ、オーストラリア固有種ってー?」

「まあ、皆が知ってるのはコアラだな。 あとはタスマニアデビルやカンガルーなんか」

「ほ、ほんまに賢くなりよったで?!」

「バカにしてんのか大阪の奴」

「黛や。 黛梨乃」

「妹の志乃や」

「ややこしいな……」

「佐伯よ」

「冴木です」

「やめろ?! こっちの冴木さんはご存知だがもう一人のサエキさんは知らんぞ?!」

「佐賀の佐に画伯の伯で、佐伯よ。 皆はややこしいから和香って呼んでるわ」

「わ、若? 組かなんかの若頭なのか?」

「違うわよ?! 和やかな香と書いて和香よ!?」

「あー、下の名前か」

「ほら、やっぱりアホやん」

「姉ちゃん……」


 何か急にコントが始まったんだけど……。 っていうか冴木さんの絶妙なノリは何なのよ? あんなノリの良い子だったかしら?


「バカしてないで早く入りますわよー」

「バカ言うなちびっ子」

「ちびっ子いうなバカ」


 まだやるか……。


 とりあえず奈央が入園料を支払って動物園内部へ。 早速色々な動物を見て回るわ。


「動物は良いけどあれは何や?」


 と、呆けた顔で見上げながら上空を指差す弥生。 釣られて見上げると、何やらゴンドラのような物が空中を移動している。


「観覧用のゴンドラですわよー。 ここタロンガ動物園は丘の上にあって、シドニーの街を一望することも出来るのよ。 広い動物園だからあれに乗って丘の上の方まで行くんですわ」

「なるほどやな」

「後で乗りますわよ」

「おお! やったよ!」


 亜美はきゃっきゃっと喜んでいるわ。 こういう場所に観光に来ると、精神年齢が一気に幼児化するのよね。


「お、あれコアラじゃない?」

「おー」


 コアラを見つけた私達は、皆してワラワラとそちらへ移動していく。 他の観光地もいるが、私達邪魔にならないかしら?


「なはは。 コアラー」

「宏ちゃん。 コアラについて蘊蓄よろしく」

「はぁ。 コアラはオーストラリア大陸の東側の森林地帯に棲息する動物だ。 単独行動する生き物で群れは持たない。 基本的に一匹ないし子供を背負って二匹でいる。 子供を背負ってるのはメスだ」

「じゃあ、あれがメスですね」

「だな」

「皆寝てるわよ? 今はお昼寝の時間かしら?」


 と、宮下さんが言う通りコアラ達は皆、木に掴まったまま器用に眠っているようだ。


「コアラって生き物は大体は木の上で生活して、ほぼ地面に降りてこないんだ。 たまに木を移動する時ぐらいだが、距離の近い木になんかは飛び移って移動したりもする。 で、こいつらは1日の8割から9割はああやって寝てるか、木の上で休んでいてあまり活発には動かないんだ」

「そ、そんなに寝てるの?」

「ナマケモノはんどすな」

「活動時間は早朝や夕方の、日が低い時間帯だな」

「なるほど。 ありがとう宏ちゃん」

「おう」


 宏太のコアラ蘊蓄を聞いて、宏太の動物知識を知らなかった他の皆もかなり感心しているわ。 黛妹なんかは「やるなアンちゃん。 イケメンやしちょっと狙ったろかな」とか言い出す始末。 私が睨みつけると「じ、冗談や冗談。 大阪人は冗談言うのが好きなんや」と、慌てて否定するのだった。


「佐々木君、あのちょっと怖い顔した猫だか狸だかみたいなのは何かな?」

「あれがタスマニアデビルだ」

「なはは。 デビルー」

「顔がたしかにデビルって感じですわね」

「肉食性の有袋性動物だ。 普段は夜行性で、餌を求めて15キロ程移動すると言われてる。 体は小さいが顎の力は強くで、小さな動物の頭なら骨ごと噛み砕いちまうらしい」

「凶暴なんやな」

「気性は激しいな」


 顔もちょっと怖いし、口を開けた姿はちょっと怖いわね。 まさに悪魔だわ。 日本には当然野生にいないらしく、ちょっと安心ね。


「さあ、どんどん見ていきますわよ」

「おー!」


 タロンガ動物園を堪能するわよ。

オーストラリア固有種がいる動物園。 宏太が頼もしく見える。


「奈々美よ。 宏太の唯一の取り柄よね」

「いやいや。 色々と取り柄はあるよ?」

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