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第1826話 出番来る!

音フェス参加中の亜美達は、出番までの間は他のグループのパフォーマンスを見て楽しんでいる。

 ☆亜美視点☆


 市内で開かれている音楽フェスティバル。 私達ギター四重奏「ミルフィーユ」も参加しているイベントである。 私達はエントリー番号12番で出番はお昼以降の予定だ。 それまでは他の参加者のパフォーマンスを見ながら楽しんでいる。

 高校の吹奏楽部や小学生のダンスと歌など、様々な参加者がいる。


「次は5番だね。 次は地元の中学生軽音学部のグループによるバンド演奏だね」

「おー」


 編成はボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムと基本的な編成。 中学生の子達がどんなパフォーマンスを見せるのか注目だ。


「このグループが終わったら早めにお昼に行きましょ」

「だね」


 出番までまだあるけど、早めにお昼にして準備しておきたいからね。

 ステージの上では中学生バンド達がメンバー紹介を始めている。 どうやら彼らの軽音部にはあの5名しか在籍していないらしい。 後輩募集も兼ねてのイベント参加なようだ。


「しかもオリジナル曲を4つも?!」

「すげぇ」

「あの中に作詞作曲出来る子がいるってことなんですの?」

「多分」

「ほぇー。 才能ある子っちゅうんはおるもんやなぁ。 将来的に有名になりよるかもしれんで」

「かもしれませんね」


 そんな才能豊かな子達のバンド演奏が始まった。 どれもオリジナルの曲という事て、私達も初めて聴く曲ばかりだ。


「あのボーカル、歌ヤバウマなんだけど!」

「本当だねぇ」


 作詞作曲出来る子がいて、歌の上手いボーカルもいる。 そして聴いてる感じギターの子も相当上手いようだ。 この中学生達、かなりやるよ!


「すげぇ堂々としてるし、結構経験も豊富なのか?」

「あれだけのパフォーマンスを見せれば、新入部員も増えそうですね」

「だな」


 作戦が上手く行くと良いねぇ。



 ◆◇◆◇◆◇



 さて。 中学生バンドのパフォーマンスが終わったところでイベントも少し休憩に入った。 私達も今の内にお昼を食べに出てきたよ。 


「私達はレストランで割引出来るんだよね」

「なはは。 イベント参加証を見せれば割引ー」


 ささ、お昼を食べるよ。 当然パフェも注文してあるよ!


「割引いいなぁー」

「きゃはは。 奈央が全部払ってくれるから関係無いわよん。 ねっ?」

「えぇ、私が全部払いますわよ」

「やったー。 さすが奈央っち!」

「な、奈央っち……」


 宮下さんも最近は私達に対して○○っちと呼ぶようになってきたよ。 仲良しになってきた証拠だよ。


「私達は割引あるから自分達で払うよ」

「なはは。 お金持ちー」

「で、お昼食べた後はどうすんの?」

「出番の20分前までは客席で他のグループを見てても大丈夫だよ」

「じゃあそれまではイベント楽しみましょ」

「弥生っち、ここまでイベント見ての感想は?」

「おもろいで」


 昨日は「誰か知らない人達のパフォーマンス見てもー」みたいな事言ってたけど、何だかんだ言って楽しんでるみたいだよ。


「この分なら最後まで見ても大丈夫そうねー」

「当たり前じゃん! ブルーウィングスのパフォーマンス見るまで帰らないわよ?!」

「好きにしぃや……」



 ◆◇◆◇◆◇



 さて、お昼からも他のグループのパフォーマンスを見て時間まで待機。


 そして私達の出番まで20分。 私達は控え室へと移動して来たよ。 控え室には次が出番のグループもいるようだ。 残念ながらブルーウィングスさんはいないみたいである。


「き、緊張してきたで」

「なはは。 渚は心が弱いなー」

「あんさんは心臓に毛でも生えとるんか」

「ボーボーだぞー」

「ボーボーなんか……」


 ボーボーらしい。 


 さて、私達の前のグループが呼ばれてステージ裏へと移動して行ったよ。 私達の出番はあと15分くらいかな。

 外からステージの音を聞きながら、呼ばれるまで待機だ。

 そんな風に待っていると、控え室に人が入ってきた。


「あ、やっぱり皆さんだ」

「清水先生お久しぶりです!」

「あ、光希ちゃんに岬ちゃん」


 ブルーウィングスの子達である。 他の3人は次の進行の為にステージ裏で待機しているみたいだ。


「高校受かったんだって? 良かったね」

「先生のおかげです」

「いやいや。 皆が頑張ったからだよ」


 私は一度彼女達の家庭教師をやった事があった。 だけど最後はやはり彼女達の頑張りの結果だ。


「皆さんもイベントに参加してるとは思いませんでした」

「なはは」

「結構前から決まってたのよ」

「そうなんですね。 頑張ってください! 楽しみにしてます!」

「あはは。 頑張るよ」


 そろそろ私達の次のグループの人達が控え室に来そうという事で、2人は出て行った。 やはりトラブルを避ける為に出来るだけ一般の人とは接触しないようにしているみたいだ。


 そして10分後。


「『ミルフィーユ』さん、ステージ裏へどうぞ」

「はい! 皆、行くよ」

「うむ」

「ええ」

「はい!」


 さあ、いよいよ出番だ!



 ◆◇◆◇◆◇



 ステージに上がった私達は、ギターを肩に掛けマイクの前に立つ。 まずは挨拶からだよ!


「皆さんこんにちは! 私達はギター四重奏『ミルフィーユ』です! 私はリーダーの清水亜美です」

「なはは! 私は藍沢麻美です! 頑張って練習した歌とギターを聴けー!」

「はあ……私は藍沢奈々美よ。 歌には自信あるのでよろしく!」

「私は月島渚や! 主旋律を担当しとります! 皆を引っ張っていくんで皆よう聴いてや!」


 さあ自己紹介も終わり、早速パフォーマンススタートだ!


「まずはSunriseの飛行機雲! 聴いてください!」


 主旋律の渚ちゃんが視線でタイミングを合図してくる。


 ジャーン!


 イントロの演奏が始まる。 タイミングバッチリ。 何度も練習したからね。 渚ちゃんも先週言われた通り、主旋律として私達をグイグイと引っ張るように力強い演奏を見せている。


「夏の透き通る空ー♪  青いキャンパスに描かれたー♪」


 歌も始まったよ。 めちゃくちゃ一杯練習した麻美ちゃん。 今はもう音痴だとは誰も言わなくなったぐらいに上達した。 奈々ちゃんの歌声は言わずもがなだ。


「白い飛行機雲ー♪ 何処まで続いているのー?」


 ジャンジャガジャガジャガ!


 サビに入りリズムが速くなる。 麻美ちゃんが苦戦していた場所に入るが、完璧にマスターした麻美ちゃんはもうミスする事もない。


「自転車で追いかけたあの頃ー♪」


 一曲目も終盤。 観客席を見れば大勢の人達が私達の歌と演奏に聴き入っている。 良かった、私達の歌と演奏はちゃんと皆に届いている。


「あのー飛行機ー雲ー♪」


 ジャーン……


 パチパチパチパチ!


 一曲目が終わったところで大きな拍手が鳴り響く。


「うわわ」

「なはは、凄いー」

「皆ー! 次行くで!」

「二曲目! 姫百合凛のBlue Sky!」


 盛り上がって来たところで二曲目いくよ!


「ミルフィーユ」の出番が始まり、観客の心を掴む。


「希望です! 皆凄いね! こんなに上手いなんて!」

「皆頑張って練習したんだよ」

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